低金利状態の今が賃貸経営を始めるチャンス

土地や建物に関するコンサルティングカンパニーSEIWAから土地オーナーの皆様の今後をサポートする情報を毎月お届けする「生和ジャーナル」vol87

SPECIAL FEATURE
不正融資問題による融資審査厳格化の影響は?

低金利状態の今が賃貸経営を始めるチャンス

アパートローンは金融機関の特徴を知ることが重要

金融機関により異なる融資の姿勢

不正融資問題により融資審査が厳格化

2018年の前半、女性向けシェアハウスを販売し、サブリースで管理していた会社が、オーナーに保証した賃料の支払いを停止して破たん。金融機関が適切な審査を行わないままオーナーに融資を行っていたことも明るみに出ました。

この事件後、金融庁の要請もあって金融機関はアパートローンと賃貸事業に対する事業融資の審査を厳しく行うようになり、以前よりも融資が受けにくい状況となっています。特に、土地を持たないサラリーマンにとって厳しくなっているのが現状です。

金融機関の
融資姿勢の比較

一口に「金融機関」と言っても、その種類や役割は様々です。融資の審査が厳格化した現在、各金融機関の融資姿勢はどうなっているのかを見てみましょう。なお、基本的には取引がある金融機関からの借り入れが最もハードルが低いのは言うまでもありません。

都市銀行(メガバンク等)

富裕層の顧客が多いのが特徴で、融資基準が最も厳しく、審査にも時間がかかります。賃貸物件への融資に関しても、年収や自己資金などの条件のハードルが高く、ある程度の資産背景がなければフルローンで融資を受けるのは困難です。

金利は地方銀行や信用金庫と比べて低く、支店が多いことから融資エリアがかなり広いのが特徴です。

地方銀行(地銀)

地銀は、融資などによる企業の資金調達を通じて、「その地域の経済発展に寄与すること」を目的としています。そのため、地銀で融資を受けるには、賃貸事業を行う市町村に地銀の支店があることが前提となります。また、過去の取引履歴を重視する傾向が強いのも特徴です。

例外はありますが、基本的には融資申込みを行う人の居住地にも支店があることが求められます。例えば東京在住の人が東海地区で賃貸事業を行う場合、東海地区にしか本支店がない地銀だと、東海地区出身であるなどの縁がなければ、融資を検討してもらうのが困難です。

地銀の金利はメガバンクより高く信用金庫より安い場合が多く、中には賃貸アパート・マンション経営向けのパッケージローンを作っている地銀もあります。

信用金庫(信金)

信用金庫は信用金庫法にもとづいて設立されており、集めたお金をその地域の企業に貸し出すことによって「その地域の循環的な発展に寄与すること」を目的としています。会員の出資による非営利法人である点が、銀行と大きく異なります。融資は原則として会員を対象とします。(図1参照)

メガバンクや地銀などと比べると、不動産に強い担当者が少ないと言われていますが、支店長の権限で評価の低い物件でも融資が出る場合もあり、柔軟な対応が期待できます。金利は銀行に比べて高いことが多いですが、付き合いが深まると低金利での融資が行われるケースもあります。

信用組合(信組)

組合員の出資による共同組織であり、信金同様に営利を目的としない非営利法人です。融資対象は原則として組合員で、融資に関するスタンスは信金と似通っています。(図1参照)

住宅金融支援機構など

旧住宅金融公庫から組織変更した金融機関が住宅金融支援機構。2007年4月に旧住宅金融公庫の業務を継承して発足しました。あまり知られていませんが、賃貸アパート・マンションの建築ローンを提供しています。賃貸住宅建築融資は、「子育て世代向け省エネ賃貸住宅建設融資」と「まちづくり融資(長期建設資金)」の2種類があり、金利が低く固定で借りられる点が魅力。土地を所有している人が融資対象です。

また、RC造などの不燃建造物のオーナー様が住宅金融支援機構から融資を受ける際には、首都圏不燃建築公社(不燃公社)の債務保証が受けられます。不燃公社は首都圏を中心とする建造物の不燃化を目的とする財団法人です。

日銀の金融緩和政策で金利は下降傾向

マイナス金利は賃貸経営開始の好機

日銀による金融緩和がスタートし、マイナス金利の導入を決めたのが2016年の1月。2019年10月現在、短期金利の誘導目標はマイナス0.1%となっています。

日銀が採用している長短金利操作で長期金利の誘導目標は「ゼロ%程度」で、許容される変動幅は0.2%とされていましたが、2019年にはマイナス0.2%を下回る局面もありました。

マイナス金利政策下では、金融機関は日銀に資金を預けたままにしていると金利を支払う必要があります。そのため金融機関は、低金利の状況を活かして積極的に融資先の開拓を行っています。

融資を行う際には、長期プライムレートを軸に、信用リスクを考慮して金利を設定します。長期プライムレートの推移を見ると、金利水準は現在も下降傾向にあります。(図2参照)

●長期プライムレート

民間金融機関が企業に対して期限1年以上の融資をする際に最低限度となる金利(最優遇金利)のこと。

金融機関は、金利が下降傾向にある厳しい経営環境の中で、積極的な融資を行おうとしています。その一方で、アパートローンの審査の厳格化や、リスクを考慮した金利の上乗せが行われる可能性もあります。今後、金利がどのように推移していくのか予想は難しく、様々な見方がありますが、数年前に比べると低金利状態にある今が賃貸経営を始めるチャンスと言えるでしょう。当社の案件では、各金融機関の融資実績がありますので、お気軽にご相談ください。

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ONE POINT!

宮澤 正彦

生和コーポレーション株式会社
金融推進部 部長 宮澤 正彦

金融機関ごとに異なる融資判断

昨年まで賃貸不動産向け貸出しには過熱感があると言われていたのですが、不正融資問題を契機として、金融機関の融資姿勢は総じて厳しくなってきています。
また、長引く金融緩和で金融機関の体力が消耗し、良質案件を選別する動きがあるのも確かです。ただ、今回特集しているように、地銀、信金といった業態ごとに融資姿勢に違いがあることに加えて、同じ業態の中でも、個別の金融機関ごとに融資スタンスには違いがあります。基本的には担保評価と事業収支に対する判断が融資可否を決めるのですが、その判断基準は金融機関ごとに異なっています。
当社の金融推進部には金融機関出身者が多数在籍していて、事業の特性に合った最適な金融機関から借入をするためのお手伝いをさせていただいています。歴史的な低金利状態の続く昨今は、事業を始めるまたとないチャンスです。金融面も含めて、お気軽に当社にご相談ください。

アパートローンの
知識を深めるための一冊

住宅ローン・アパートローン実務に<br />
学ぶ融資法務Q&A

『住宅ローン・アパートローン実務に
学ぶ融資法務Q&A』
田島一良著

融資現場から寄せられた質問で頻度の高いものを厳選し収載。アパートローンにおける相続および厳格な審査対応を記載。債権法改正を反映し現場実務の流れに沿って解説。(1980円)

▸問合せ 経済法令研究会
https://www.khk.co.jp/

アパートローンのリスク管理

『アパートローンのリスク管理』
小野兵太郎・香月裕爾・野口咲也編著

アパート建設後の物件・資金管理、返済計画の問題点、金融機関による担保評価まで幅広く解説。金融行政が指摘するアパートローン留意点についても言及。(2530円)

▸問合せ きんざい
https://www.kinzai.jp/

世界の有名な建築物をご紹介します!

プラザホテル(アメリカ)

プラザホテル(アメリカ)

1907年に建築された、ニューヨーク市マンハッタン区にある高級ホテル。セントラルパークの東南の角に位置しています。建築家ヘンリー・ハーデンバーグの代表的な建築物であり、1986年にはアメリカ合衆国国定歴史建造物に指定されました。オーナーは何度か変わり、ドナルド・トランプ氏が購入したこともあります。現在は高級コンドミニアムが主体となっており、ホテル部分は大幅に削減されました。映画にもたびたび登場しており、『ホーム・アローン2』では、主人公が1人で宿泊するシーンがあります。この映画では、当時のオーナーであったトランプ氏がカメオ出演していました。

生和コーポレーション編集部

「すべてはオーナー様のために」をテーマに、土地をお持ちの方の目線で、不動産の有効活用に関連する情報を発信しています。当社の豊富な実績をもとに、税理士や建築士、宅地建物取引士などの有資格者が監修した記事も多数掲載。賃貸マンションの建設・管理から相続や税金の話まで、幅広いコンテンツを公開中。

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会社名
生和コーポレーション株式会社
所在地

西日本本社
大阪府大阪市福島区福島5丁目8番1号

東日本本社
東京都千代田区神田淡路町1丁目3番

会社設立
1971年(昭和46年)4月16日
お問い合わせ・ご連絡先
0120-800-312

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