不景気でも安定した収入が得られる賃貸経営
新型コロナウイルスの影響で不透明な今後の景気
中国の武漢を発端とし、年明けから感染の拡大が続く新型コロナウイルス。オリンピック・イヤーであるはずの2020年は、新型ウイルスによる肺炎で社会が揺らいだ年としても記憶されることは間違いありません。
感染拡大の中心は中国から欧米へと移り、株式市場や為替市場における乱高下は世界的な現象となっています。日本でも緊急事態宣言が発令されて外出する人が激減し、経済活動も停滞して消費の減退に拍車が掛かっています。
インバウンドの減少によるホテル・民泊ビジネスへの打撃
オリンピック開催による需要増を期待して増加したホテル・民泊施設ですが、新型コロナウイルスの影響で厳しい状況に追い込まれています。訪日外国人旅行者数の急減に加え、国内客も減少しており、予約がほぼゼロという民泊も出てきています。また、インバウンドで潤っていた観光地も苦しい局面を迎えています。日本総研のレポートによると、インバウンド消費は全体の約7割にあたる月3000億円規模の減少が見込まれ、今後の影響範囲が読めない状況です。
不景気による影響が小さい賃貸経営
こうした状況の中で、賃貸経営はどうでしょうか? アパートや賃貸マンション事業の収益のベースは、言うまでもなく毎月の家賃収入にあります。経済状況に関わらず、入居者様は家賃の支払いをすぐ止めることはできません。新型コロナウイルスの影響が大きくなり、減額の交渉はあるかもしれませんが、いきなりゼロになることはありません。
株価や不動産価格とは違って家賃には安定性があり、景気動向に大きく左右されないという特徴があります。2009年3月期からの東京圏の家賃の推移を見てみると、リーマン・ショックによる不景気を経ても大幅な下落はなく、堅調に推移しています。(図1参照)
家賃の変動が起きにくい理由は、住まいがなくてはならない生活基盤だからです。もちろん衣食も必須のものですが、短期的な支出のコントロールが可能なので、景気などの影響を受けやすい点が異なります。家賃は人口や供給戸数に左右される部分が大きく、景気の動向とはリンクしない場合が多いのです。現在、新築物件の減少が家賃を押し上げているという分析もあります。(図2参照)
必要なものを適正な値段で提供するビジネスは、簡単に廃れることはありません。投機的な理由で収入が上下しないという点においても、賃貸経営は不況に強いと言えるでしょう。
持ち家志向の低下と賃貸志向の高まり
住宅購入意欲の低下が賃貸経営を後押し
アパート・マンション経営が不景気に強いとされている理由には、住宅購入意欲の低下も挙げられます。国土交通省が行った意識調査によると、「土地・建物を所有したい」と答えた人の割合が74.6%と、4年連続で低下。一方、賃貸住宅で構わないと回答した人の割合は4年連続で上昇し、調査開始以来最も高い17.8%という結果になりました。内閣府の世論調査でも同様の結果が得られており、特に若年層の所有意欲が低いと指摘されています。(図3参照)
住宅を所有する必要がないと思う理由として多かったのが、「多額のローンをかかえたくないから」というもの。以下、「家族の状況の変化(子どもの独立や転勤など)に合わせて自由に住み替えたいから」、「維持・管理のわずらわしさがないから」と続きます。住宅を所有することを一種の束縛と考え、可能なら一生賃貸住宅に住みたいと考える人が増えていると考えられます。
仮に住宅の所有を希望しても、不景気の状況下では安定した収入や資金の確保が困難です。そのため、やむを得ず賃貸住宅に住むという選択をする人も多くなります。
賃貸需要に直結する世帯数の増加
我が国の人口減には歯止めがかからない状況ですが、都市部では人口が増えています。また、国全体では人口が減っているのにも関わらず、世帯数は増えています。
その要因は単独世帯や夫婦のみの世帯など少人数の世帯が増えているためで、世帯数の増加は住居のニーズに直結します。賃貸志向の高まりもあり、賃貸経営は堅調なまま推移すると考えていいでしょう。当社は賃貸経営に特化した建築会社として50年の歴史と実績があります。事業計画書の作成も含めてお気軽にご相談ください。