太陽光発電システムのメリットは?
賃貸集合住宅でも広がる太陽光発電
安全で環境にもやさしい再生可能エネルギーへの関心が高まって来ています。中でも一般でも導入しやすいのが、太陽光発電システム。日本では補助金政策などもあり、個人住宅向けが圧倒的に多いのですが、国からの補助金の適用範囲が広がり、また右のようなメリットも期待できることから、最近は賃貸集合住宅でもソーラー・パネルを設置している物件を見かけるようになってきました。
一般に賃貸集合住宅の屋根や屋上は、個人住宅よりも面積が広いので、たくさんのソーラー・パネルを設置することができます。従来はオーナーが敷地内に住んでいて、オーナーの自宅で系統連系する場合に限り、補助金対象になっていましたが、2010年4月からは、敷地内にオーナーが住んでいなくても、国の補助金を受給できるようになりました。
42円で買い取る『固定価格買取制度』
再生可能エネルギーの普及・拡大を目的に、今年7月1日から『再生可能エネルギーの固定価格買取制度』が始まりました。太陽光、風力、水力、地熱など自然の力を利用した再生可能エネルギーは、他の電源と比べて設置コストが高く、なかなか普及が進みません。そのため、電力会社に、一定の期間・価格(2012年度は42円)で買い取ることを義務付けることで、再生可能エネルギーによる発電に取り組む方が、設備投資など必要なコストの回収の見込みを立てやすくなり、新たな取り組みが促進されるように、今回の制度が設けられました。電力会社が買い取った電気は、送電網を通じてみんなが使う電気となります。このため、電力会社が買い取る費用は、電気を使用する消費者が、電気料金の一部として、「賦課金」という形で負担する仕組みになっています。
「余った電力を売る」のが、一般的なパターンでしたが…
従来、賃貸集合住宅に太陽光発電システムを設置する場合は、右の①から④が主なパターンでした。いずれも「余った電力を売る」もので、①から③はオーナーに、④は入居者にメリットがあります。これに加えて、今年7月1日から始まった『再生可能エネルギーの固定価格買取制度』により、⑤の“屋根貸し”もできるようになりました。
この“屋根貸し”を利用した新しいビジネスも始まっています。条件に見合った賃貸集合住宅の屋根に太陽光発電を設置し、発電事業者が屋根の賃料を20年間定額で払うことで、屋根のオーナーは費用・手数料はかからず[つまりゼロ円]安定収入を確保。20年後は周辺機器の一部を新品に交換し、正常な状態でシステムを無償譲渡されるという新しいビジネスモデルです。