各種保険を活用した相続対策

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SPECIAL FEATURE
生命保険で相続税対策をする時に知っておくべきポイント

各種保険を活用した相続対策

平成27年の改正によって課税対象が拡大した相続税。節税のためには生命保険の活用が有効

生命保険が相続対策に有効な理由

相続対策について3本の柱で考える

「相続対策」というと、多くの人が節税対策をイメージされるのではないでしょうか。確かに、節税も相続対策の一つではありますが、それ以外にも大事なことがあるのです。

一般的に相続対策には右の3つの柱があると言われています。

①井残分割対策②納税資金準備③相続税評価額の引き下げ

これらの対策の一つとして、生命保険の活用を考えてみましょう。

①の「遺産分割対策」における生命保険のメリットは、生前に受取人を決めておくことができる点です。これにより、大切な財産を残したい人に残すことができます。

相続発生時、保険金は受取人の「固有の財産」として、遺産分割においては遺言と同様の効果があります。したがって遺産分割協議を行うことなく、受取人は保険金を受取ることができるのです。

納税資金準備と相続税評価額の低減

②の「納税資金準備」として生命保険を活用するメリットは、相続発生時に納税資金を確保できる点です。相続発生時、相続手続きが完了していなくても所定の手続きを行えば、速やかに保険金を受取ることができます。

その他の相続対策として③「相続税評価額の引き下げ」がありますが、生命保険を活用することによって可能となる場合があります。具体的には相続税法第12条、生命保険金の非課税枠(契約者=被保険者で保険金受取人が法定相続人の場合、500万円×法定相続人の数 ※全ての生命保険金との合算になります)を活用します。また、相続税法第24条は、年金の受給権を相続する際の評価(年金の受取総額に残存期間に応じた課税評価割合を掛けた金額)を課税上の評価額と定めています。

建築をからめた保険を活用するとさらに効果的

賃貸住宅建設によって相続税評価額を下げるという節税対策はよく知られており、これまでにもご紹介していますが、この場合においても保険の効果が生きてきます。

ローン返済中、返済者に
万が一のことがあった場合に効果アリ

建築時に団体信用生命保険(以下、団信)という保険に入ってローンを組み、賃貸住宅を建築すれば、契約者に万が一の事があった時でも、保険によって建築ローンの返済を行うことができます。民間金融機関の多くは、この団信の加入を住宅ローン借入れの条件としています。

保険料は金利に含まれており、保険料の支払いが別途発生することはありません。ただし、健康状態が良好でない場合は加入できないこともあります。なお、健康上の理由で通常の団信に加入できない場合、生命保険の引受け基準が拡大された「ワイド団信」であれば加入できるケースもあります。

生命保険の活用には専門家のアドバイスを

一般生命保険でカバーすることも可能

通常の生命保険で、ローン残債と同額を死亡保険金として契約してカバーすることもできます。この場合には、死亡保険金がみなし相続財産となるのに対し、ローン残債は債務控除が適用できるので、プラスマイナスゼロのように思われます。ところが、みなし相続財産としての生命保険金について、生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)が使えるので、団信と比較するとその分、相続財産が減る可能性があります。

もちろん生命保険については加入形態、手続きなど気をつける点も多々ありますので、総合的に考えて加入しなければなりません。

不安な方は専門家や土地活用専門業者にご相談を

以上のように各種保険の効果的な活用によって、相続税対策や賃貸住宅建築ローンの返済に対する備えなど、もろもろの効果を期待することができます。しかし土地活用や保険の知識、税務の知識といった幅広い知識と専門性が要求されます。正しく準備をされたい方は当社の営業担当を通じて各種専門家の意見やアドバイスなどを得られるのもよいのではないでしょうか。詳しくは、営業担当にお気軽にお問合せください。

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ONE POINT!

小屋 洋一

株式会社
マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一

団信を利用するか
生命保険を利用するのかの
場合分け

団体信用生命保険は、言葉にもある通りローンの債務者が生命保険(死亡保障)に団体で申し込みを行うことで、割安な保険料で保障が買えるというのが大きな特徴です。

一方で、債務者全体が一つの団体になっていることから、若年、高齢者、非喫煙者、喫煙者など様々な人間が一つのグループで処理されていて、どんな人でも団信の保険料は一律になっています。(ローンの残高に応じて保険料が決まる仕組みです)

しかし最近では、保険会社の死亡保障の保険は、被保険者のリスク度合いによって保険料が細分化しています。

例えば、非喫煙者の人は、喫煙者よりも死亡リスクが低いので、より保険料が安いなどです。

つまり、若くて非喫煙で健康な人は、団信よりも民間保険の方が保険料が安いということもありますので、加入時に調べてみると良いでしょう。

賃貸住宅建設の
トレンドを知る一冊

生命保険で実現する税金ゼロの財産移転<br />
黄金律新書

『生命保険で実現する税金ゼロの財産移転
黄金律新書』
GTAC 編著

会社からオーナー社長への財産移転、親から子、夫から妻への相続・贈与などの際、生命保険を使って税負担を劇的に減らす方法を、幻冬舎グループの資産コンサルティング会社であるGTACが解説。(864円)

▸問合せ 幻冬舎総合財産コンサルティング
http://gentosha-tac.com/

そうぞく対策と生命保険活用術〔改訂版〕

『そうぞく対策と生命保険活用術〔改訂版〕』
明治安田生命保険相互会社
営業教育部 編

明治安田生命が徹底解説。選りすぐりのFPコンサルタント達がその勘所を、事例も紹介しながらアドバイスする。平成27年1月以降の税制改正対応版。(1,512円)

▸問合せ きんざい
https://www.kinzai.or.jp/

世界の有名な建築物をご紹介します!

マラパルテ邸(イタリア)

マラパルテ邸(イタリア)

イタリア南部のカプリ島にあるこの建物は、作家・ジャーナリストのクルツィオ・マラパルテの別荘として建てられたもの。高さ30m余りの断崖絶壁の上に建ち、サレルノ湾をまさに一望することができます。イタリアの建築家アダルベルト・リベラが1937年ごろに設計したとされていますが、図面と建物には大きな違いがあり、マラパルテ自身の意向を取り入れた建物というのが妥当でしょう。上に行くに従って広がる階段の先には屋上(ソラリウム=日光浴場)があり、ジャン=リュック・ゴダール監督の映画『軽蔑』(1963年)で、主演のブリジット・バルドーが横たわるシーンなどが撮影されました。

生和コーポレーション編集部

「すべてはオーナー様のために」をテーマに、土地をお持ちの方の目線で、不動産の有効活用に関連する情報を発信しています。当社の豊富な実績をもとに、税理士や建築士、宅地建物取引士などの有資格者が監修した記事も多数掲載。賃貸マンションの建設・管理から相続や税金の話まで、幅広いコンテンツを公開中。

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会社名
生和コーポレーション株式会社
所在地

西日本本社
大阪府大阪市福島区福島5丁目8番1号

東日本本社
東京都千代田区神田淡路町1丁目3番

会社設立
1971年(昭和46年)4月16日
お問い合わせ・ご連絡先
0120-800-312

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