路線価上昇で、節税対策は必要?土地活用のタイミングは?

土地や建物に関するコンサルティングカンパニーSEIWAから土地オーナーの皆様の今後をサポートする情報を毎月お届けする「生和ジャーナル」vol71

SPECIAL FEATURE
2018年度・路線価を発表!都市部の上昇トレンドは継続

路線価上昇で、節税対策は必要?土地活用のタイミングは?

今なら路線価上昇による土地の担保力アップで好条件の融資が可能に!?

都市部を中心に3年連続で路線価が上昇

昨年の0.4%を上回る0.7%の上昇率

今年も7月初め(2日)に国税庁が路線価を発表しました。路線価は道路に面した標準的な宅地1平方メートルあたりの評価額を示す指標で、課税価格を計算する基準となります。

全国32万4000地点の平均変動率は前年比で0.7%プラスとなり、3年連続で上昇しました(昨年の上げ幅は0.4%)。

18都道府県で上昇し、沖縄が上昇率のトップに

都道府県別では、大阪、京都など大都市圏を中心に、前年比で5県増の18都道府県が上昇しています。中でも上昇率が最も高かったのが沖縄県で、現在の統計方法となった2010年以降で、上昇率が初の5%台を記録しました。訪日客の増加によるホテル需要の高まりやリゾート開発が要因と考えられています。

東日本大震災の被災地では宮城県が昨年と同じ3.7%、福島県が1.3%の上昇。2016年に熊本地震が起きた熊本県は2017年に0.5%下落しましたが、2018年は0.7%の上昇に転じています。滋賀、岡山、佐賀、長崎は、下落または横ばいだったのが今年は上昇に転じました。

大都市圏と地方で明暗が分かれる

上昇しているのは18都道府県。上昇率が高い沖縄のほか、宮城や東京などの大都市圏における上昇が目立ち、それ以外の地域の上昇率は小幅です。残りの29県では下落となり、青森、兵庫、宮崎など7県は下落幅も拡大。大都市圏と地方の路線価の二極化という傾向は今年も変わっていません。

大都市ではマンション需要やオフィス市況が好調で、中心部で地価が高止まりしており、それが周辺地域にも波及。活発化する不動産売買が、全体の路線価を押し上げる結果となっています。

上昇が続く東京は最高路線価を更新

路線価のトップは今年も銀座5丁目の鳩居堂前で、1平方メートルあたり4432万円。これで33年連続の日本一で、過去最高だった昨年の4032万円を更新しました。

なお上昇率でみると、税務署別で最も高かったのは、4年連続で北海道倶知安町山田の道道ニセコ高原比羅夫線通り。前年比88.2%と上昇率も拡大しました。スキーリゾートとして人気の場所とあって、外国人を中心とする不動産取引が盛んに行われており、外国資本によるホテルの建設ラッシュも上昇の要因とみられます。

路線価が上昇したら、考えるべきは節税対策

3年に1度発表される固定資産税路線価

実は路線価には「固定資産税路線価」と「相続税路線価」の2つがあり、単に路線価と言う場合には通常、相続税路線価を指します。

毎年発表される相続税路線価に対し、固定資産税路線価の発表は3年に1度で、今年(2018年)は発表の年にあたります。各市区町村のHPなどで4月初旬に公開されています。この機会に、ご自身が所有されている物件の固定資産税路線価をチェックしてみてはいかがでしょうか?

固定資産税路線価とは

固定資産税や都市計画税・不動産取得税・登録免許税の基となる。3年に1回、前年の1月1日を基準日として計算される。地価公示価格の7割が、固定資産税評価額になる。なお、土地の価格が下落した場合には、見直しの年を待たずに下落修正が行われることもある。

相続税路線価とは

相続税や贈与税の算定基準となる土地評価額。毎年1月1日時点で評価したものを国税庁が発表する。国土交通省が毎年3月に出す地価公示価格の8割程度を目安に、売買実例や不動産鑑定士の意見なども参考に算出している。

相続税や固定資産税、融資条件にも影響する路線価

路線価の上昇は相続評価のアップ、すなわち相続税のアップにつながります。土地にかかる固定資産税評価額も上昇しますので、適切な節税対策が求められます。

一方、評価額のアップにより土地の担保力が高まるという側面もあります。路線価による担保評価を重視する金融機関の場合、融資額の増大や融資条件の改善も期待できるでしょう。

当社では、節税につながる土地活用のノウハウを長年蓄積してまいりました。2018年度の税制改正なども踏まえたアドバイスをさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

路線価の調べ方

路線価はこのサイトで調べるのが
簡単で効率的です。

全国地価マップ
http://www.chikamap.jp/
1

トップ画面で「固定資産税路線価等」か「相続税路線価等」かを選び、下記の画面に移動します。
※2018年度の固定資産税路線価は7月末、相続税路線価は11月末に掲載予定

2

左上に、郵便番号・住所で探せる検索ボックスがあるので、知りたい場所を入れて検索します。
※住所一覧や地図から探すこともできます

3

知りたい場所の地図を表示させる ※「中央区銀座5丁目」で検索した例

路線価は千円/㎡で表示されている。丸の形は地区区分を表す(地区区分の凡例は左のボタンをクリックすれば表示される)。
表示されている価格×面積=積算評価額。ただし、この積算評価額は実勢価格とは異なります。実際には用途地域や土地の形状を考慮して算出する必要があります。

税金関連 オススメの記事

ONE POINT!

八重樫 巧

辻・本郷税理士法人
審理室長
税理士 八重樫 巧

路線価と税金

路線価とは、国税庁が定めた土地の1平米あたりの価額です。
納税者は、相続や贈与で土地を取得した時に、その土地の面積にこの路線価を乗じて課税価格を算出します。
税務署は、土地を相続等で取得したときの価額、いわゆる「時価」による価額に課税することを原則としていますが、土地の場合はその土地の路線価を時価と考えています。
路線価による課税価格の算出は広く用いられており、例えば不動産鑑定評価額が路線価による課税価格より高い場合でも路線価で評価した課税価格での申告が認められています。ただし、実際の時価が路線価による評価額より低すぎるようなケースは、路線価ではなく国税庁長官の指示で時価による課税が行われる場合もあります。

土地の評価について
知るための一冊

路線価による土地評価の実務

『路線価による土地評価の実務』
名和道紀・小野山匠海・長井庸子著

2017年の改訂版。路線価図・評価倍率表の見方、計算方法をはじめ、土地の評価全般を初心者にもわかるように解説。豊富な具体例で正しく理解できる。(2376円)

▸問合せ 清文社
http://www.skattsei.co.jp/

市街地近郊土地の評価

『市街地近郊土地の評価』
松本好正著

土地評価の中でも特に判断に迷うとされる市街地農地や宅地化困難な市街地山林、地積規模の大きな宅地や雑種地等について、図表や判例を織り交ぜながらQ&A形式で分かりやすく解説。(3700円)

▸問合せ 大蔵財務協会
http://www.zaikyo.or.jp/

世界の有名な建築物をご紹介します!

TOYAMAキラリ(日本)

TOYAMAキラリ(日本)

富山市ガラス美術館や富山市立図書館本館、富山第一銀行本店などが入っている複合施設で、2015年に全館オープン。立山の氷の岩壁のような、あるいは富山の名物であるガラスのアートをイメージさせる、キラキラと輝くファサードが印象的です。設計を手がけたのは隈研吾氏。特徴的な外壁はガラスとアルミ、御影石の細長いパネル約1000枚で構成されており、それぞれが様々な角度で光を反射します。2階から6階まで斜めに開いた吹き抜け空間も、この建物の大きな特徴。6階の天窓から差し込む光が、木材を多用した空間を照らし出します。

生和コーポレーション編集部

「すべてはオーナー様のために」をテーマに、土地をお持ちの方の目線で、不動産の有効活用に関連する情報を発信しています。当社の豊富な実績をもとに、税理士や建築士、宅地建物取引士などの有資格者が監修した記事も多数掲載。賃貸マンションの建設・管理から相続や税金の話まで、幅広いコンテンツを公開中。

編集部へのご意見・情報提供などございましたらお問い合わせからお願いします

会社名
生和コーポレーション株式会社
所在地

西日本本社
大阪府大阪市福島区福島5丁目8番1号

東日本本社
東京都千代田区神田淡路町1丁目3番

会社設立
1971年(昭和46年)4月16日
お問い合わせ・ご連絡先
0120-800-312

他の生和ジャーナル記事を見る

  • vol80 なぜマンション経営が相続税対策になるのか?
  • vol77 確定申告シーズン到来!改めて経費を見直す機会に
  • vol75 消費税10%が現実に!土地活用のベストタイミングは?
  • vol67 消費増税に向け、建築の検討をスタート
  • vol66 今さら聞けない!? 確定申告の基礎知識
  • vol65 2018年度の税制改正による賃貸経営への影響は?

【無料小冊子プレゼント】お客様の声が詰まった「建築事例集」プレゼント 建築までの資金繰りは?どんなサポートが必要?経営は順調?手がけてきた建築事例をお客様の声を交えてご紹介する一冊。あなたのオーナー生活に是非ご活用ください。

5分でわかる生和コーポレーション。土地活用一筋50年の生和の強みを5分でお伝えします。