賃貸経営に「どちらが有利か」を判断の基準に
建物を維持するのに欠かせない修繕
木造はもちろん、鉄筋コンクリート造の建物といえども、老朽化を免れることはできません。集合住宅の場合、築後10年くらいから水まわり設備の機器の部品交換などが必要になり、15年以上経過すると機器本体の交換も必要になってくることでしょう。建物自体もメンテナンスを行わなければ劣化の進行が早くなります。
劣化を防ぐためには日々の細かな修繕が重要ですが、建物が古くなってくるとそのコストも上がってきます。さらに、10年、20年といったスパンで防水工事や塗装工事などの大規模修繕を行う必要もあります(図1参照)。
強固な鉄筋コンクリート造でも数十年で取り壊される日本
修繕費を注ぎ込めば、鉄筋コンクリート造の建物を100年、200年と保たせることは可能です。とはいえ、1981年以前の旧耐震基準で建てられたマンションを延命させるのは現実的ではありません。
そのため日本では長い寿命を誇ったマンションでも60〜70年で取り壊されています。エレベーターなしの古いマンションが次々に取り壊されたこともあり、平均すると寿命が45年前後という調査もあります。現在、築40年超の分譲マンションは70万戸以上ありますが、10年後には約180万戸となり、その中の多くが建替えを余儀なくされることでしょう(図2参照)。
新耐震基準のマンションで適切なメンテナンスやリフォームを実施しているのなら、多少古い建物でも資産価値を維持することは可能でしょう。そうした古い賃貸マンションで、立地によっては実際に高い入居率を実現している例もあります。
建物規模を拡大できるなら建替えを検討する価値あり
では、建替えを検討すべきなのはどのような場合でしょうか?
まず考えられるのは、今建っているものよりも大きな建物・高い建物を建てることが可能なケース。周囲の建物を見るだけで、それが感じ取れることがあります。具体的には建ぺい率や容積率などの問題になりますが、より大きな賃貸マンションに建替えることによって家賃収入のアップが期待できるのなら、検討の意味があると言えます。
大規模修繕を行うか建替えに踏み切るか
定期的に行う外壁工事などの大規模修繕が迫っている時も、建替えを検討するタイミングです。外壁工事は約12年おきに必要ですし、給・排水管や給水ポンプは20~30年で更新しなければなりません。エレベーターも通常は30年ぐらいが更新時期となります(図1参照)。
こうした大規模修繕は安全性や快適性を確保するために必須ですが、大きな出費となります。出費を覚悟で建物の寿命を延ばすか、修繕費を建替え費用に回すかは、賃貸経営の市場性も含めて判断しなければいけません。
収益率アップや相続税対策の面からも考える
収益率の低下は新たな決断のサイン
あわせて考えたいのが、賃貸物件としての価値を維持できているかどうか。老朽化した賃貸住宅はメンテナンス費用がかさむだけでなく、空室率も高くなりがちです。長期間空き室が埋まらず、収益性が低下しているようであれば、建替えを決断すべき時期かもしれません。
相続対策としても建替えは有効
近い将来に相続が予想される場合、相続税対策を視野に入れて建替えるという選択肢もあります。平成18年度の物納制度の大改正により物納は難しくなったので、老朽化した賃貸住宅は相続税の延納財源としては不向きです。一方、現金(借金を含む)を使って建物を建てれば、建物の相続税評価額が約6割引きになることもあり、有効な相続税対策となります。
修繕、建替えのいずれもプロのノウハウが必要
修繕、建替えのどちらにしても、プロのパートナーが必要なのは言うまでもありません。当社は建替えと修繕のいずれにも豊富な実績を有しております。修繕をお考えの場合、当社にご相談いただければ、当社施工物件以外でもすぐに建物の無料診断とアドバイスをさせていただきます。
建替えの場合、建築工事以外にも様々な業務が発生します(図3参照)。建物プランや収支計画の作成に始まり、入居者様への退去の交渉、建物解体、入居者様募集といったステップがあり、どれもおろそかにはできません。都会の賃貸マンションではトップクラスの施工実績を持つ当社に、ぜひおまかせください。