インターンシッププログラム 2024
1階フリースペースの活用提案
「100年先を見据えた街づくり」

~これからのライフスタイルを考慮した暮らし方の提案~
2024.8.19〜8.30

生和コーポレーションでは8月、10日間にわたるインターンシップを実施しました。後半の5日間に行われたコンペ形式のグループワークでは、学生たちは8チームにわかれ、SDGsにも配慮しながら、神保町に建築中の賃貸マンションの1階フリースペースを活用する提案に取り組みました。
スケジューリングや納期といった様々な条件の下で、コンセプト考案から、業態設定、間取り、外装・内装デザインまで、実際の仕事を想定したワークショップを体験。最終日にはプレゼンテーションを行いました。学校で学んでいる専門知識やスキルを活用しながら、チームでのコミュニケーションの大切さを知り、プレゼンテーション力や課題解決力などを学び取った充実のインターンシップとなりました。

満足度が高いポイント! 成長支援の充実

インターンシップで学べる「力」

成長を促す行動サイクル

インターンシップでは、常に自分と向き合い、新しい気付きや課題を発見するために、「目標設定」「振り返り」「先輩社員からのフィードバック」を実施。就職活動はもちろん、仕事で活躍する上で不可欠な素養やスキルを身につけていきます。

SDGs

参加した学生の声

  • 大学での学びを
    実践

    今まで大学で勉強してきたことをアウトプットする良い機会になった。また、仲間と一緒に一つの作品を作り、勝負することの楽しさと難しさを再確認することができた。

  • プロの視点を知る
    ことができた

    みんなで意見を出しあいながら、新しいアイデアを生みだし、一つのものを作っていく楽しさを体感。また、プロの建築家がどういった目線で設計を捉えているのかを知ることができた。

  • 仕事を踏まえた
    実践的な作業

    実際の仕事を想定し、街の特性や住民、SDGsなどについて深く考えられたことがとてもよかった。普段、学校で行っている設計とは違う雰囲気を体験できた。

  • 人との協働作業が
    自分を成長させた

    初対面の人とのグループワークを通じて、協調性や計画力など自分の成長を実感。作業を進める上で、チーム内の仲の良さや話し合いの活発さが大切だと気づいた。

  • サポートしてくれた
    社員に感謝

    コンセプトや資料づくりなど、なかなかまとまらない時には社員の方が親身にアドバイスしてくださったおかげで、短期間で自分が納得のいくコンペにすることができた。

  • 将来やりたい仕事を
    疑似体験

    将来は複数人で設計を行っていくような仕事をしたいと考えているので、様々な意見をぶつけ合い、より良いものを作り上げていく今回のグループワークはとても貴重な体験だった。

  • 課題内容

    ・神保町に建築中の賃貸マンションの1階フリースペースの活用提案
    ・周辺環境に合わせて、フリースペースのコンセプト(事業内容・外装・内装・間取り・インテリアなど)を考え、提案する
    ・フリースペースの名称を提案する
    ・SDGsにも配慮する

    提出物

    ●コンセプトシート
    エリアマーケティングやターゲット分析を元に、コンセプトや間取りを決め、資料にまとめる。

    ●1階フリースペース 提案プレゼン資料
    考えたコンセプトに基づき、間取りや設備、インテリアのイメージを表現する模型やパース図を制作する。

  • インターンシップの流れ

    DAY 1

    • 1.エリアマーケティング

      チームごとに課題となる物件周辺を見学し、環境や立地条件などを調査しました。周辺の雰囲気や人の流れ、街の歴史など、様々な視点でエリアの特性をつかみ、テナントの業態やデザインイメージを膨らませていきます。

    DAY 2&3

    • 2.ターゲットの設定

      実際に現場を歩き、目で見て感じた地域特性を踏まえ、チームごとにターゲットを想定。年齢や学生・社会人といった属性、ライフスタイルなど細かく設定していきます。

    • 3.コンセプトの考案

      企画の軸となるのがコンセプト。現地調査を基に、ターゲットや活用方法、収益性、地域との調和、社会への貢献など、様々な角度からチーム内でアイデアを出し合い、議論しながらコンセプトシートを作成します。

    • 4.プラン作成

      コンセプトを具現化する業態やデザインなどを細かく決めていきます。間取り、動線、壁材や床の色、インテリアなどを考え、図面に落とし込みます。

    • 5.プレゼン資料作成

      提案するコンセプト、ターゲット層、図面や3Dパースなどをまとめた発表用のスライド資料を作成。どんな言葉が伝わるか、どのような見せ方が効果的かなど、試行錯誤しながらまとめていきます。

    • 6.イメージ模型作成

      アイデアやデザインをより具体的にイメージできるよう、インテリアや設備、床のレベルや壁の色など細かい部分まで模型を作成。各チームのこだわりと個性が詰まった模型を仕上げていきます。

    DAY 4

    • 7.プレゼンリハーサル

      本番と同じ制限時間でリハーサルを実施。資料の見映え、話す速度、説明のメリハリ、時間配分などについて先輩社員からアドバイスを受け、本番に向けてブラッシュアップしていきます。

    DAY 5

    • 8.プレゼンテーション本番

      生和の社長やクリエイティブディレクター、外部の建築家を審査員に、チーム一丸となって作り上げた成果をプレゼンテーションしました。8分間の持ち時間の中で、それぞれがこだわり抜いたアイデアやデザインを披露。話し方や伝え方にも練習の成果が見られました。

  • 最優秀賞発表&講評

    最優秀賞:Team C

    「5Rから生み出す新たなR」

    名称:Remember

    ゴミを減らす5Rと「Remember」をキーワードに、地域の伝統や思い出をつなぐ場をコンセプトに設定。床の高低差と色で斜めに仕切った空間に、クラフト工房・お茶専門店・本の修理屋の3業態を展開し、店舗の境界にはフリースペースを設置して、訪れる人の交流を促すコミュニティ空間を創出した。

    講評

    ビル群の裏路地という立地において、エリアを意識した3業態と入りたくなるデザインで集客までしっかり考えられていた。模型もすばらしく、斜めの線を取り入れた空間づくりなど他と違うものを創ろうという意欲が感じられた。複数店舗の運営方法を考えられると、よりリアリティのある提案になったと思う。

    学生コメント

    コンセプトからネーミングまで一貫性のある発表ができたこと、また資料の分かりやすさや模型の細部へのこだわりが受賞の決め手だったと思います。グループワークを進める中で、自分の考えをお互いに伝えられるようになりました。また計画を立て、優先順位をつけて取り組む大切さを体験することができました。

    優秀賞:Team D

    「ニーズに合わせた空間」

    名称:日常の彩り

    一日を4つの時間枠に分け、それぞれの時間帯で異なるターゲットを想定した活用法を提案。高低差を設けたゾーニングに、キッチン兼バーカウンター、ワーキングスペース、学童スペース、交流スペースを設置し、弁当販売やバーで収益を確保すると同時に、地域の活性化や社会貢献にも配慮した。

    講評

    時間帯によって人の動きが違うことを捉え、ターゲットの住み分けをしたことが大きなポイント。一人世帯から子育て世帯まで、マンションの住人にとってもメリットの大きい良いアイデアだと思う。夜のバーの収益を昼間の社会活動に活用するなど、より深掘りした提案ができるとさらによかった。

    学生コメント

    すべての世代の人が快適に過ごせるよう、時間帯にどのような役割を持たせるかというところにいちばん力を入れました。期限が迫る中、タイムスケジュールと作業計画を見直し、それぞれの得意を活かすことで作業効率がアップ。メンバーの仲の良さも結果に結びついたと実感しています。

    審査員賞:Team E

    「MEMO ~一目で分かる地域の様子~」

    名称:COCOROOM

    作品を展示するギャラリーに、スペースそのものが掲示板となる機能を持たせ、マンションの住人や地域住民のコミュニケーションを生み出す場を創出。コメントを書ける白壁、外に面した窓際の展示台、光や風を取り込む設計など、シンプルな中にも個性あふれる空間を提案した。

    講評

    模型がとてもかわいくて、子どもや地域の方の活気が伝わってくるようなプレゼンだった。平面や天井に様々な工夫を施し、シンプルなハコながらも効果的な空間に仕上がっていた。また採光や風通しを考えたり、唯一、屋外まで使ったアイデアを提案したことも評価できた。

    学生コメント

    個々の考えを形にするためにとことん話し合い、一つのコンセプトに落とし込むことができ、とても達成感がありました。時間をかけて楽しんで作った模型も評価いただけたことが嬉しかったです。ものづくりの楽しさや、初対面の人とどうコミュニケーションするかなどを学べた良い機会でした。

    アイデア賞:Team A

    「あいまいな境界に混在する個性」

    名称:渾然一体

    “あいまいさ”をコンセプトに、本・楽器といったエリア特性を象徴する文化や要素を融合したカフェ&バーを提案。視線を遮る本棚、鏡を貼った柱、床のレベル差などによって曖昧に仕切られた空間に、読書スペースや雑貨屋などを設け、様々な目的で集まる人々の交流の場とした。

    講評

    生活様式が多様化していく中で、境界をあいまいにした自由な空間の創出というアイデアはとてもよいと思った。雑貨販売もされている施主様の業態を取り入れながら、音楽や本という街の特性がうまく融合されており、そうした文化が発展していく拠点になると感じた。

    学生コメント

    地域の文化や個性をコンセプトに落としこむために、計画地周辺の情報をしっかり調べました。グループワークを通して、仲間と一緒に一つの作品を完成させていく楽しさを改めて実感。また、大きな目標に対して小さな目標を達成していくことの大切さを学びました。

    コンセプト賞:Team G

    「第3の居場所をつくる」

    名称:庭縁

    時代によって変わっていくニーズに対応できるよう、多様な人が利用できるレンタルスペースを考案。高低差や植栽で自然の道をイメージした動線をつくり、スタディ・アクティブ・フレキシブルの3つのエリアを緩やかにゾーニング。それぞれのテーマに合わせた古本を置くことで地域性にも配慮した。

    講評

    リモートワークが増えている今、多くの人が多様な用途で活用できる居場所という発想がトレンドにマッチしていると思った。パブリック性も高く、通りから入ってみたくなるデザインになっており、こうした場所があったらいいなと思わせるよいアイデアだった。

    学生コメント

    好奇心を刺激するために植物をたくさん取り入れたり、車椅子の人のために段差ではなく坂道にするなど、多くの人に利用してもらうためのプランニングに注力しました。模型づくりに苦労しましたが、話し合いながら作業を分担することで乗り越えることができました。

    模型賞:Team B

    「本を遊びに取り入れる」

    名称:あそぶっく

    当該エリアの特徴である古本文化を子供たちに継承する場を目指し、「本と遊びの融合」をコンセプトに設定。高低差をつけることで5つにゾーニングし、籠もったり、登ったり、探したり、お絵描きしたりと、子供たちの遊び心をくすぐる仕掛けを作ることで、本と楽しく触れ合える遊び場を創出した。

    講評

    ネーミングがとてもわかりやすくて秀逸。秘密基地やジャングルジムなど子供たちが喜ぶ仕掛けが詰め込まれていて、エンターテイメント性の高いアイデアだった。用途や機能だけでなく、他者と接するということを大事に考えられていた点もよかった。

    学生コメント

    コンセプトが図面や模型に落とし込めているか、「行ってみたい・やってみたい」と思わせるものになっているか、ということに重点を置きました。コンセプトシートの作成は、コンセプトを深掘りする上でとても役立ちました。それを模型で立体的に表現できたことが受賞の決め手だと思います。

    プレゼン賞:Team F

    「寛ぎ×和の空間」

    名称:和 ~竹の創造工房~

    日本の自然や文化を象徴する「竹」を軸に、寛ぎスペース・カフェ・竹のワークショップや物販など、和の魅力を伝える業態を提案した。植栽でつくった動線で各スペースをゆるやかにつなぎ、利用者の自由な交流を創出。竹の持つ様々な機能や効果まで深掘りし、SDGsにも配慮した。

    講評

    神保町には多くのインバウンドが訪れることに注目し、竹を象徴的に用いたよいプレゼンだった。またファミリー層を意識し、小上がりで家族が寛いだり、本と出会うきっかけとなる場所になると感じた。ターゲットをもう少し絞った方がより尖った提案になったと思う。

    学生コメント

    模型やスライドでも「和」を表現し、なぜ竹を採用したかというコンセプトやアイデアをしっかり伝えられたことが賞につながったと思います。それぞれが出した案をまとめるために、考えを書き出し、真剣に話し合うことで、全員が納得するいいものに仕上げることができました。

    SDGs賞:Team H

    「SDGsのゴミ問題を考慮した親子が集まる空間」

    名称:Re child

    子どものための施設が少ないという地域特性から、子ども服や絵本を中心としたリサイクルショップと、マンションから出る段ボールなどを再利用した体験工房をコンセプトに設定。床材を変えることで店舗と工房のスペースを区分け、木をふんだんに使うことで入りやすく優しい空間を演出した。

    講評

    リサイクルを軸にしたリアリティのあるアイデアで、プランニングや素材の使い方がとてもよかった。建築にSDGsを取り入れるのは重要だが、スペースを運営していく上で集客や経済性などは不可欠なので、そのあたりをもう少しプレゼンできるとさらによかった。

    学生コメント

    子どもの成長期とゴミ問題というコンセプトをしっかり伝えるため、原稿づくりに1日以上時間をかけ、模型の色合いや空間などのデザインも工夫しました。ワークショップを通して、プレゼンテーションの作り方やチームワークの大切さを学びとった貴重な時間でした。

  • 人事部担当者コメント

    生和コーポレーション 人事部 内田

    自分自身に向けた探究による、自己理解と多方面の学びを

    10日間もの長期インターンシップに41名もの学生が参加してくださり、誠にありがとうございました。
    弊社のインターンシップテーマは「探究」です。社会に出た際に求められる実務的な知識や体験もさることながら、参加学生が自らの長所や短所、興味・本心に今一度目を向けるプログラムを実施しました。業界・企業・職種など、進路に関する膨大な情報や選択肢が得られる時代ですが、自己への探究によって改めて自分の才能や強みに気付き、「なぜ建築の道に進みたいのか」に向き合う時間は、将来の指針や熱意の源泉を認識してもらう機会になったのではないでしょうか。
    また、今年のコンペ課題はフリースペース提案とし、幅広い創造力や、形にする実行力を投げかけました。時間制限がある中で、どの学生も最後まで仲間と悩み、工夫し、取り組んでくれました。グループワークを通じて学んだ仲間との協力や前向きな姿勢は、社会に出た時にきっと役に立つと考えております。

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