ARTIO DOMANI

2021年度 グッドデザイン賞を受賞

生和コーポレーションは 2021年度 GOOD DESIGN 賞を受賞しました。
[テナント/集合住宅 ARTIO DOMANI:アルティオ ドマーニ]

グランドレベルとペントハウス
「個」と「社会(環境)」の積極的な関係に向かって

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introduction

我々は、これまで無意識に自分以外の人やモノとの距離を保ちながら生活してきたが、コロナ禍において
社会的距離と称して数値を示され、ものさしをあてるようにしながらぎこちない生活を強いられている。

このような状況下で、社会インフラである建築に何が求められるか。
変化する生活様式への対応はもちろん、生活の多様化から生じる「個の孤立」への不安に対し
「社会や環境に対する帰属意識を保持する媒体」としての役割でないかと考えられる。

社会や環境と個人をつなぐ関係性は、本来距離で測られるべきものではなく
「社会から個をみる視点(客観)」と、「個から社会をみる視点(主観)」の関わりによって形成される。

各階名称

各階名称
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グランドレベル

GRAND LEVEL [1F]

コロナ禍での個の孤立や不安などから、グランドレベル(1階)は外部と地続きに連続し、イベントや店舗、貸出スペースなど、周囲を巻き込み、社会と経済的(客観的)関係をつくることができる。

  • 1階(グランドレベル)は外部に対してオープンな空間となっており、地域や社会との関係構築に活用できる
    1階(グランドレベル)は外部に対してオープンな空間となっており、地域や社会との関係構築に活用できる
  • 入居者や地域住民が利用できるテナントスペース
    入居者や地域住民が利用できるテナントスペース
  • テナントスペース(50㎡)は様々な目的に合わせてカスタマイズできるようシンプルな空間に
    テナントスペース(50㎡)は様々な目的に合わせてカスタマイズできるよう
    シンプルな空間に
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ライフフロア

LIFE FLOOR [2-13F]

ライフフロア(2階〜13階)は多様な生活様式に対応する機能的なプランで構成され、階ごとに異なる角度が組み合わされた手摺ルーバーによって、光や風、音といった環境因子を物理的に制御している。

  • ライフフロア(2階〜13階)は多様な生活様式に対応できる間取り・仕様を目指した
    ライフフロア(2階〜13階)は多様な生活様式に対応できる間取り・仕様を目指した

ルーバーのパターン

ルーバーの特徴

Light

光の角度によって室内への影響が大きいため、階によってルーバーの角度をコントロールしながら日射しの影響を調整する。夜間は室内からの光を拡散し、ファサードに彩りを与える。

眺望View

視線の抜けと外からの見え方を調整し、生活の目線の高さを想定しながら、階ごとに適切な「外」と「内」の繋がりをもたらす。

Wind

ルーバーが整流板の役割をもつため、ダイレクトな風の吹込みを防ぎ、湿気がたまりやすいバルコニーの足元には空気が循環、室内との連続利用を促すとともに、維持管理にも貢献する。

Sound

道路に面した建物は、上階へいくほど音が回り込む特性があり、下層階では人の話し声や車の音がダイレクトに届く。音はルーバーを通過するときに拡散されるので、室内に対しても外部に対しても反響・共鳴を防ぐことができる。

エントランス木ルーバーRelax

エントランスにのみ木製ルーバーを使用。柔らかな光が、日中様々な外部環境に晒された身体を柔らかく迎えてくれる。ルーバーはランダムに凹凸しているため、単調になりがちなルーバー面にリズム感を演出する。

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ペントハウス

PENTHOUSE [14F]

最上階は高い賃料で事業を牽引することも大切であるが、建築を使う(暮らす)人々やモデルルームに使われることによって、グランドフロアと対照的に社会(風景)を俯瞰(主観的)する視点を与え、生活に豊かさを与える。

  • 社会(風景)を俯瞰(主観的)する視点を与え、生活に豊かさを与える
    社会(風景)を俯瞰(主観的)する視点を与え、生活に豊かさを与える
  • 一定の距離を保ちながらもコミュニケーションを取ることができる、ひらけたリビングルーム
    一定の距離を保ちながらもコミュニケーションを取ることができる、ひらけたリビングルーム

このグランドレベルとペントハウスは、コロナ禍においてキョリの尺度によって制御された世界から、
主観・客観が共存することによって成立していた「個と社会の関わり」を取り戻す、
新たな媒体となるきっかけになるはずである。

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PLAN

ARTIO DOMANI
物件名/アルティオドマーニ
構造/RC造 14階建
総戸数/40戸(1K・31戸、1LDK・1戸、2LDK・8戸)+店舗1区画
敷地面積/289.97㎡(87.71坪)
施工面積/2509.44㎡(759.10坪)
建ぺい率/65.26%(80%)
容積率/599.89%(600%)
用途地域/商業地域

個と社会(環境)を結ぶプラットフォームとして

建築の役割が変わりつつある。
求められる機能を満たすためでなく、人・社会・環境がボーダーレスに繋がるために、
積極的にその機会を提供することが建築の存在意義となっていくはずである。

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