老朽化したビルの建替えを機会に本堂を再建

建替えのきっかけを教えてください

大阪の都心部に2022年8月に竣工した「アローム梅田｣は､寺院(浄土宗 自香寺)の本堂と賃貸マンションとが融合した物件。「以前の本堂を老朽化などにより取り壊した後、20年近く、別の賃貸マンション内の大広間を仮本堂として使用していました。江戸時代の元文年間からおよそ300年続く寺の歴史を後世につなぎ、檀家の皆様にご安心いただくためにも本堂の再建は長年の念願だったんです」とおっしゃるのは16世住職の友宗文武様。
計画が動き始めたのは2020年の春､既存ビルに入居していた会社の引越しがきっかけでした。「古くなったビルを建替えて本堂を建てることだけは決まっていたものの､何の具体案もないとき、最初に声を掛けてくださったのが生和さんでした｣と奥様のさゆり様｡それからご相談や打ち合わせを繰り返し、生和が提案したのが本堂に賃貸マンションをプラスするというアイデア｡「この辺りは防火地域のため木造建築が不可能で､木造以外の方法で本堂だけを建てるとコスト面の負担が大きくなるというお話を聞いて､また融資が有利になることや今後の収益性などを考え、生和さんの提案を受け入れることにしました」

生和の良さはどんなところ？

「対応のスピードも質も生和さんが群を抜いていましたね｣と文武様。「生和さんはお寺の建築の専門ではないので､不利な点があったと思います｡それでも寺院建築とマンションを融合させる力は素晴らしく、仏具屋さんと力を合わせ、こちらの要望にどこよりも早くしっかり応えてくださいました｡わたしがこだわったのは本堂の構造と造作ですが､仮本堂では本尊の阿弥陀仏座像を須弥壇の上に安置できなかったため､今回はそれを改善して本尊の位置を高くしたいとお願いしたら､シミュレーションを重ねた上で本尊の見栄えが最も良くなる高さをいち早く提案してくださったんです」。須弥壇の上に本尊をゆとりを持って安置できる本堂の天井高は3m40cmもあり､檀家の皆様も｢この高さはスゴい｣と驚かれるそうです。
さゆり様はチームワークの良さを褒めてくださいました。「他社さんは営業の方だけが打ち合わせに来られることが多かったのですが､生和さんは設計の方がいつも同席してくださいました。デザインや仕様を詰めていくのは設計の方なので、こちらの思いをダイレクトに伝えられたのはうれしかったですね。また全然違う部署に関する相談をしても､それをすぐにつないでくださるので安心でした｡社内コミュニケーションがスムーズというか､きっと皆さん仲がいいんだと思います(笑）」。