資産家を苦しめる大増税時代がやってくる
相続が3代続くと財産はなくなる
「相続が3代続くと財産はなくなる」という言葉を聞き流してはいけない
税制において、時代は「相続から贈与へ」と向かっています。日本の個人金融資産は1400兆円とも1500兆円とも言われていますが、実はその大半を65歳以上の世代が保有しているとされます。
そのような状況下で、贈与税の制度を利用しやすい制度にして、あまりお金を使わない祖父母・親世代から、子育てや住宅購入ローンなどでお金が必要な30?40代に、生前に資産を移転させて経済を活性化したいというのが国の政策的な意図です。住宅取得資金の贈与制度の限度額を拡大したり、相続時精算課税制度を導入したりと、近年において贈与税の制度は確実に拡充されてきています。
一方、相続税はどうかというと、増税の方向一色。税制は明らかに相続から贈与へと流れています。しかし、多くの土地持ち資産家の方々は、将来相続税が増税されそうなことを薄々感じていながらも、なかなか相続税対策を始められないという現状があります。その理由はさまざまですが、傾向としてよくある理由が、次の二つです。一つめは、自分の「死」を前提とした相続や贈与について検討することを嫌うこと。二つめは、苦労を伴わない相続や贈与によいイメージがないことです。
高まる相続税対策の必要性
財産を持っている親世代の多くは、戦後の混乱と困窮を乗り越えて今の財産を築いてきたわけですから、子どもに同様の苦労をしてもらいたいと考えるのは当然かもしれません。
「子どもが苦労せず、財産を取得するのは教育上よくないのでは…」というお言葉を頂くこともあります。お気持ちはよく理解できるのですが、そのまま何もしない場合にどの程度相続税の負担が生じるのか考えておく必要があるのではないでしょうか。これから財産を引き継ぎ、税を負担するのは相続人である子どもたちですので、何も検討せずにいることは彼らにとって非常に不安なことだと思います。
何も対策を講じない場合、先祖代々築いてきた大切な財産を、相続税という税金ですべて失ってしまう危険があることを覚悟しなければなりません。相続税の税率は、亡くなった方の財産が多いほど税率が上がっていく累進課税で、最高税率は現行50%です。昔からよく言われている「相続が3代続くと財産はなくなる」というこの言葉は、根拠なく出てきたわけではありません。
※本記事は、書籍出版時の情報を基に作成しております。マーケットの変化や、法律・制度の変更により状況が異なる場合があります。個別の案件につきましては、お気軽にお問い合わせください。
他の不動産の相続税対策のポイントを見る
-
- 不動産こそが、相続税を減らすカギとなる
-
土地や建物などの不動産は、有効に活用しなければなりません。ただ持っているだけで有効な活用がされていないのであれば、毎年固定資産税がかかり、土地持ち資産家にとって頭を抱えるタネになってしまいます。 詳しく見る
-
- 相続税は土地の評価で大きく減らす
-
相続税の土地評価は、10件に1件は時価よりも高くなる そこで税理士等の専門家の腕の見せどころ。それは、財産評価の際に減額要素を見逃さず、評価額に落とし込み節税を実現することです。 詳しく見る
-
- 生前の不動産対策でさらに相続税を減らす
-
財産の規模が大きい土地持ち資産家ほど相続対策を生前から行う傾向にあります。しかし、全体的には、生前対策を行っている土地持ち資産家はそれほど多いとは言えません。 詳しく見る
-
- ココだけは押さえておきたい不動産相続の落とし穴
-
相続税対策には無数の落とし穴が存在します。現在、さまざまな書籍やインターネットにおいて、相続税対策が取り上げられています。それは、多くの資産家が、増税に向かう相続税に対して危機感を募らせていることを示しています。 詳しく見る
-
- おわりに
-
相続税対策では、ご自身が賃貸経営に向いているか、最後までやり切れるかをしっかり見極めることが大事です。そういった部分での詳細な助言やお手伝いができるのは、やはり土地・不動産の専門家であればこそです。 詳しく見る