不動産こそが、相続税を減らすカギとなる
特に更地の状態で持っている場合には要注意
土地や建物などの不動産は、有効に活用しなければなりません。ただ持っているだけで有効な活用がされていないのであれば、毎年固定資産税がかかり、土地持ち資産家にとって頭を抱えるタネになってしまいます。余談ですが、土地にかかる固定資産税は、更地の状態が最も高く課税されることになっています。
相続税を支払うために更地の状態で常に売却できるようにしている土地持ち資産家の方が多くいらっしゃいますが、有効な相続税対策を講じれば、その土地を手放さずにすむどころか、立派なマンションを建築できるというケースは、よく見受けられます。
国税庁発表の資料(平成23年度)によると、相続財産の内訳は、土地が46%、家屋5.7%、有価証券13%、現金預金が24.2%、その他11%となっており、相続財産の約半分は土地です。
ですから、この土地などの不動産こそが、相続税を減らす”最大のカギ”なのです。そして、結果的に相続税が軽減すれば、財産を引き継ぐ次世代の負担が軽くなり、次世代にとって心理的にも経済的にも大きな余裕を生む資産として生まれ変わることになります。
資産家の方々が重い腰を上げるきっかけ
そうは言っても、相続税対策など気軽に始められるものではないでしょう。面倒な手続きがある、いろいろと手間がかかる。そんな気持ちから、なかなか重い腰を上げられないのが一般的です。
しかし、傾向としてよく見られる”資産家の方々が重い腰を上げるきっかけ”があります。
それは、友人や知り合いからの話を聞いたときです。相続で何も対策をしておかなかったことによって親族が骨肉の争いになってしまったり、遺産が思ってもみない形で処理されてしまったりという失敗談や悲劇を聞いて初めて、「同じ轍を踏んではいけない」と思い、行動に移すようです。
ただ、このように失敗談を聞く機会があった方はよいのですが、聞く機会がなかった方は、ご自身がその失敗を作り出す危険性を孕んでいます。
土地持ち資産家の方には、「不動産に対して何も対策を講じなければ、場合によっては相続税が高額になり財産を失う」「しかし事前に対策を講じておけば、思った以上の効果を生じさせることがある」ということを覚えていただきたいと思います。
※本記事は、書籍出版時の情報を基に作成しております。マーケットの変化や、法律・制度の変更により状況が異なる場合があります。個別の案件につきましては、お気軽にお問い合わせください。
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