マンション・アパート経営で失敗する理由10選 | 成功のための対策も解説
土地活用一筋54年。累計着工戸数120,000戸超の実績。
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この記事の目次
- 1 マンション・アパートの賃貸経営に失敗するとどうなる?
- 2 マンション・アパート経営の失敗例や失敗談を参考にする
- 3 マンション・アパート経営に関する知識不足による失敗
- 4 情報量の不足による失敗
- 5 資金繰りの甘さによる失敗
- 6 目先の収益にとらわれての失敗
- 7 融資(借金)による失敗
- 8 入居者トラブルによる失敗
- 9 サブリースによる失敗
- 10 地震などの災害による失敗
- 11 マンション・アパート経営の失敗例や失敗談を参考にする
- 12 マンション・アパート経営の失敗例や失敗談を参考にする
- 13 マンション・アパート経営の失敗例や失敗談を参考にする
- 14 マンション・アパート経営の失敗例や失敗談を参考にする
- 15 マンション・アパート経営の失敗例や失敗談を参考にする
マンション・アパートの賃貸経営に失敗するとどうなる?
マンション・アパートの賃貸経営が成功すれば、オーナー様は安定した家賃収入を得られるようになります。しかし、賃貸経営に失敗すると、空室がなかなか埋まらなかったり、融資の返済が滞ったりする可能性があることも事実です。
万が一、融資を組んでいて返済分の支払いができなくなった場合は、「物件を売却して返済する」という選択肢があります。収拾がつかなくなる前に物件を売却すれば、その時点で損切り(損失額の確定)も可能です。
ただ、物件を売却しても融資の残債を返済できないと考えられる場合は、次の3つのパターンのように、一般的な売却以外で処理するケースもあります。
競売にかけられてしまう
競売は、債権者である金融機関が、債務者の保有する不動産の売却を裁判所へ申し立て、認められた際に強制的に売却することをいいます。
競売の場合は債務者の意思とは関係なく、明け渡しの時期なども勝手に決められてしまいます。また、後述する任意売却のほうが競売より実勢価格に近く、高い価格での売却が見込めるため、競売は避けたいところです。
任意売却する
任意売却とは、物件の売却金額で全額返済できなかったり、不足金額を自己資金でも支払えなかったりする場合に、抵当権の解除を金融機関に承諾してもらい、売却することをいいます。
抵当権とは、万が一融資を返済できない状況に陥った際、金融機関が物件を差し押さえられる権利のことです。投資物件だけではなく、オーナー様の自宅も差し押さえられる可能性があります。
自己破産の可能性も出てくる
競売や任意売却によって物件を売却しても借金が残ってしまい、かつ返済が不可能な場合、自己破産も検討することになります。
裁判所で自己破産の手続きを済ませると、税金を除く債務の支払いはすべて免除されます。その代わり、今後5~10年は借入れができなくなったり、自宅や自動車といった財産を処分されたりするなどデメリットも存在するため、あくまで最終手段と考えるべきでしょう。
なお、物件を売却しても大きな借金が残るような条件で購入または建築する・借入比率が高い・事業計画が甘い・余剰資金(現金)が少ないなどの条件が重ならない限りは、自己破産といった極端な状況には陥りません。
マンション・アパート経営の失敗例や失敗談を参考にする
初めてマンション・アパート経営をする方は、それほど難しいものだとは感じていないかもしれませんが、「経営を始めれば必ず成功する」わけではありません。
そのため、過去の失敗例や失敗談を参考に、あらかじめマンション・アパート経営について学んでおくことが大切です。
マンション・アパート経営に関する知識不足による失敗
マンション・アパート経営は、建物を新規に建築、または物件を購入しさえすれば収入が得られるという単純なものではありません。また、棟単位のマンション・アパート経営は、サラリーマンの方のワンルームマンション購入による不動産投資とも趣が異なります。
物件を取得する際に融資を組んだ場合も考慮すれば、最終的に家賃収入が支出(諸経費や融資の返済)を上回ることを目指す必要があります。相続・贈与が関係する場合は、さらに検討項目が増えます。
経営の基礎知識を身につける
マンション・アパート経営を成功に導くためには、経営に関するセミナーに参加する、書籍を購読する、体験者のブログを読むなど、さまざまな手段があります。
どれが正解で近道ということはなく、個々の事情・条件は違うため、経営されるご本人が最も共感できる方法でキャッシュフローや利回り、税金の計算などの基礎知識を身につけましょう。基礎知識が身につけば、さらに必要な知識が見えてくるため、その分野での情報を積極的に蓄積していけます。
空室率を下げる経営を心がける
初期に黒字になったからといって、経営はそれで完結ではありません。空室が出てそれが続くと、収支は簡単に赤字になってしまいます。したがって、空室率をできる限り下げる経営が重要です。
空室率とは、物件全体の部屋数に対して空室が占める割合を指し、以下の式で算出できます。
空室率(%)= (空室数×空室期間) ÷ (全室数×365日) × 100
空室が出にくい物件を建築・購入することは大前提です。さらに、物件の取得後も需要に合わせたリフォームなどを含め、空室が出ない対策を継続することが必要です。そのための知識も常にアップデートする必要があるでしょう。
情報量の不足による失敗
馴染みのない地域での賃貸経営を考えている場合、周辺の情報収集が不足していると、マンション・アパート経営の失敗につながります。
例えば、その地域のとある物件が立地条件も良く、購入時には満室だったとします。これなら手残りはかなり出ると信じて購入に踏み切る、というケースも少なくありません。しかし、購入時に満室だからといって、ずっと満室が続くかといえばそうではありません。
また、その地域に大学などのキャンパスがあり、想定される入居者が学生の場合、学校の在籍期間は限られているため、長期的に居住する可能性は低いといえます。卒業のシーズンになると、一気に空室が出ることがあるため、入居者募集に力を入れる必要があるでしょう。
情報収集は量と質を高める
前述のように経営開始当初は収支が黒字でも、途中から満室が維持できず経営状態が悪化してしまうのは、物件の管理ができていないことが問題です。しかしそれ以前に、周辺の人気物件と何が違うのか、入居者が不満に思っていることは何かなど、情報収集の質と量に問題がある可能性があります。
すでに所有している土地にマンション・アパートを建てる場合は、固定資産税・都市計画税の負担が減るというメリットはありますが、立地を変更することはできません。したがって、その土地の特徴や利点、周辺環境を徹底的にリサーチして土地に合った建物の構造・設計・間取りを考えることが、空室対策につながる最初のポイントとなります。
建築済みのマンション・アパートを購入する場合は、新築物件か中古物件かでも経営の着眼点は大きく異なります。比較的すぐに借り手が見つかるような、即戦力ともいうべき新築物件で経営する場合と、比較的安価で入手した中古物件をしっかりリノベーションして経営する場合、または満室で安定経営している物件を購入する場合では、資金繰りも含めて経営のアプローチはかなり違うものになるでしょう。この場合、想定される入居者の属性にもかなりの違いがあるため、それぞれの属性についてしっかりとした情報収集とマーケティングが求められます。
このように、土地がある地域に賃貸住宅の需要が存在しているのかどうかだけでなく、借り手となりうる人の職業・年齢・家族構成の傾向や、人気のある間取り・設備・内装、周辺の家賃相場など、多岐にわたって情報を集めることで、魅力的な物件を提供できるようになります。
さらに、物件の取得後も、入居者の不満・ニーズを取りこぼすことのないよう、維持管理・リフォームなどで、魅力的な物件の状態を維持し続けることが大切です。
このように、マンション・アパート経営では、立地環境に合わせて戦略を立てることが必要です。
資金繰りの甘さによる失敗
近くに新しいマンションが建築されると、入居者がそちらへ流れていってしまうことがあります。また、以前は交通の便が良く、移動に手間のかからないエリアの物件が人気を博していたのにも関わらず、現在はたとえ郊外でもより広い物件の人気が高まっているというケースもあります。
これらは通勤通学の利便性よりも、休日を過ごすための大きな商業施設や街の雰囲気などの周辺環境を重要視する人が増えるなど、ライフスタイルの変化によって価値観が変化することが一因です。このように、建物の価値ではなく、社会の風潮から急激に物件の価値が変化することがあります。
この場合、入居者を確保するために家賃を低めに設定したり、敷金・礼金をゼロにしたりするなどの対策が必要です。しかし、これらの対策を取ることで、当初予定していた収入を得られなくなってしまいます。
収入が減る一方で、修繕費などの出費は変わらないため、資金繰りが厳しくなってくるのです。経営を始める前の調査の内容だけでは、このような失敗が起こることがあります。
周辺環境の変化を想定したシミュレーションを行なう
時間が経つにつれて周辺の状況や環境に変化が起こることを想定し、その場合の経営シミュレーションを綿密に行なっておくことも、失敗を防ぐ手立てとなります。
日本全体で見れば人口は減少し、若年齢層の構成比も増加はしません。しかし、そのような状況でも、都心や地方の開発・再開発は積極的に進められています。
このような状況下では、賃貸物件の需要がどのように変化していくかを正確に見極めるのは容易ではありません。
悲観的になりすぎる必要もありませんが、楽観的になるのは危険です。所有している土地にマンション・アパートを新築する場合や物件を購入する場合には、建物周辺の土地の将来的な展望をしっかり確認し、資金計画をできるだけ厳しく立てて、万が一の事態に備えておくのが得策でしょう。
目先の収益にとらわれての失敗
売り主である管理会社や不動産会社は、購入を考えている方に満室状態の物件を見せることがありますが、「その物件はどうして満室なのか」をきちんと調査することが大切です。
例えば、家賃が格安なために入居者が集まっているものの、家賃を下げている分メンテナンスがきちんと行なわれていない物件かもしれません。満室状態だからといってすぐに購入に踏み切ってしまうと、購入からまもなくして修繕費などの出費が増えてしまい、困難な経営を強いられる、といった事態が起こります。突然家賃を値上げするわけにもいかないため、経営が苦しくなってしまうでしょう。
専門家からアドバイスをもらう
こういった失敗を防ぐためには、マンション・アパート経営に詳しい専門家をパートナーとして付ける必要があります。
不動産取得にはそれなりの資金が必要なため、判断に迷ったときに適切なアドバイスをくれる専門家の存在は心強く、ストレスから解放されて精神衛生上もよいでしょう。
パートナーとして専門家を選ぶ際は、土地活用の実績が豊富で収支計画や修繕計画の立案などもしてくれる、信頼性の高い会社を選ぶことが大切です。
融資(借金)による失敗
不動産投資に関して多くの方が恐れるのは「融資返済ができなくなってしまい、該当物件を売却しても融資が完済できず借金が残ってしまう」という状況でしょう。
このような状況を回避するための注意点をお伝えします。
物件の評価額の妥当性を調べる
融資で物件を購入する場合、物件の立地・間取り・設備などをトータルで見て、将来的にも不動産価値が低下せず、高い金額で売却できる物件か否かを慎重に調査しましょう。
不動産価値が低下するリスクが高い物件を選んでしまうと、融資の返済計画が頓挫してしまいます。
経費を見込んだ収支計画を立てる
不動産は経年劣化が避けられません。計画どおりの収支を維持するためには、修繕や設備改善のための資金が必要です。
物件の状態を正確に把握し、修繕費を含めて収支計画を立てましょう。中古物件の場合は、新築物件と比べて、より多くの修繕費が必要になることを想定する必要があります。
収支計画は、物件の取得価格と家賃収入をもとに、実質的な利回り(家賃収入から管理費・修繕積立金・税金などの経費を差し引いて計算した利回り)をふまえて作成することが重要です。この点をおろそかにしてしまうと空室が発生しやすくなり、その結果、収支は一気に転落します。
借入れ過多に注意する
基本的に、空室が増えるほどマンション・アパート経営は苦しくなりますが、どのくらい苦しくなるかは借入金の金額によって変わります。借入金を利用する場合、家賃収入から返済分を工面しなければならないためです。
借入金がなくても、固定資産税や都市計画税などの税金は毎年、建物の保険料や管理費といったランニングコストは毎月発生します。さらに借入金がある場合は、毎月のランニングコストに返済分も加わります。空室率の増加によって家賃収入が減っていると、収支のバランスも崩れかねません。
そこで大切なのが、自己資金の割合を増やし、代わりに借入金の割合を減らすことです。物件の取得価格やオーナー様の経済状況にもよりますが、一般的には、物件の取得価格の1~2割程度にあたる自己資金を用意すべきといわれています。
また、借入金とキャッシュフローのバランスも重要です。キャッシュフローとは、直訳すると現金(キャッシュ)の流れ(フロー)を指しますが、投資の世界では「収入から支出を差し引いたあと、手元に残った現金」という意味で使われることが多いです。
キャッシュフローの計算方法としては、以下の「DCR法」があります。
年間の営業純利益(※)÷ 年間の融資返済額 = 債務返済倍率
※家賃収入から融資返済額を除くランニングコストを差し引いたもの
債務返済倍率については、一般的に1.3以上であることが望ましいといわれています。
手元にある現金が多いほど、健全な賃貸経営ができるため、いくら利回りが良くてもキャッシュフローが出ない経営は危険です。現金が尽きると融資返済もできなくなるため、賃貸経営自体が失敗してしまいます。
また、家賃滞納や突発的な修繕費によって、急に現金が必要となるケースも考えられるため、キャッシュフローがあるに越したことはありません。
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入居者トラブルによる失敗
オーナー様の経営手腕に問題がなかったとしても、入居者トラブルには注意しなければなりません。入居者トラブルが起きると、ほかの入居者が退去してしまったり、空室リスクが高まったりして、マンション・アパート経営の失敗につながる可能性があります。
入居者トラブルにおける代表的な事例は以下のとおりです。
・ 騒音
・ 上階からの水漏れ
・ 入居者からのクレーム
・ 共有部分の侵害・破損
・ ペットの飼育問題
上記のなかでも特に多く見られる事例は、騒音に関するトラブルです。寝ている時間帯に大きな音を立てて掃除をしたり、日頃から大音量で音楽を流したりするなど、さまざまなケースがあります。
入居者から騒音トラブルの訴えがあった場合、適切に対応できないと入居者が引越して空室になったり、裁判にまで発展したりする可能性があるため、速やかに対応・改善することが大切です。
特に多い騒音トラブルの対策を検討しておく
騒音トラブルの対策としては、以下のような方法が挙げられます。
・ 施工時に各部屋の防音性を高める
・ 家電や楽器に関する使用ルールを定める
・ 騒音注意の貼り紙を掲示する
・ 騒音元の入居者に直接連絡を入れる
上記のうち「騒音元の入居者に直接連絡を入れる」については、公平な目線を持つことが大切です。被害を訴えた入居者が神経質すぎるというケースも考えられるため、それぞれの話をしっかり聞いて判断しましょう。
管理会社に任せる
管理会社と委託契約を結べば、騒音を含む入居者トラブルが起こったとき、対応を代行してもらえます。
ただし、管理会社の選定には注意しなければなりません。信頼できる管理会社かどうか見極めるためには、事前にマンション・アパート管理の実績や、トラブルへの対応力などを確認することが大切です。
サブリースによる失敗
マンション・アパート経営に関する業務を管理会社に任せる場合、管理委託とサブリース(一括借上げ)というまったく異なる2つの契約形態があります。管理委託はあくまで業務の代行依頼ですが、サブリースは管理会社がオーナー様の物件を丸ごと借上げたうえで、管理会社側で賃貸経営を行なうというものです。
特にサブリースの場合は空室が発生していても、管理会社から毎月一定の家賃収入が支払われます。手数料は管理会社によって変動しますが、物件が満室になったときの想定賃料の10~20%程度に設定されるのが一般的です。家賃収入から手数料を差し引いた金額が、オーナー様の手元に入ってきます。
サブリース契約を結べば、オーナー様は賃貸経営をすべて任せられるうえ、安定した家賃収入も得られるため、いいことずくめに見えます。ただし、実際に契約上で「家賃保証」や「空室保証」と謳われていても、免責期間などの条件によっては家賃も空室も保証されない可能性があるのです。また、空室が増えてくると、管理会社からオーナー様に対して家賃減額請求が行なわれることがあります。
家賃保証なのに家賃減額を求められることは、オーナー様の立場から見れば厳しい請求内容かもしれません。しかし、日本の法律では、借り主(オーナー様から見たサブリース会社)の権利が手厚いのが特徴です。実際に、サブリースにおける家賃減額請求は、最高裁判例(※)でも認められているため、減額せざるを得ない状況になる可能性が高いでしょう。
※2003年(平成15年)10月21日第3小法廷判決
契約内容の確認を徹底する
サブリース契約を結ぶ場合、少しでも疑問や不安を感じたら、質問と回答を文書化しておきましょう。また、契約書は小さな文字で書かれた内容を含めて、一言一句しっかり確認することも絶対条件です。
特にサブリース賃料の見直し時期、敷金・礼金・更新料の分配、管理会社の変更などは必ず確認しておきましょう。
契約しないという選択肢もある
サブリースのメリットとリスクを考慮し、そもそも契約自体を結ばないという選択も可能です。サブリースに頼らず賃貸経営をする場合は、良い条件がそろった物件を探したり、十分な自己資金を用意したりする必要があります。
地震などの災害による失敗
マンション・アパートを経営するにあたって、軽視してはいけないものが災害リスクです。地震・台風・洪水といった自然災害はもちろん、入居者が自室で起こしてしまった火災・放火による火災も想定する必要があります。被害が大きくなると、数千万円もの修繕費がかかることも珍しくないため、オーナー様にとって大きな痛手になるでしょう。
災害への対策としては、火災保険や地震保険に入ることがおすすめです。保険会社や契約内容によって補償範囲は異なるため、どこまで適用されるのか事前にしっかり確認しましょう。
火災保険を検討する
火災保険に加入すると、火災だけではなく落雷・爆発・破裂・水災・風災・雪災・雹災・水漏れ・盗難など、さまざまな災害・損害に対する補償を受けることが可能です。
ただし、地震および地震に付随する災害・損害は補償範囲に含まれていないため、後述する地震保険に別途加入する必要があります。
地震保険も検討する
地震保険は火災保険の特約としてセットで提供されており、単独契約はできません。地震保険に加入すると、地震・噴火・津波によって発生した火災・損壊・埋没・流失などの損害に対して、補償が適用されます。ただし、門・塀・エレベーター・給排水設備だけの損害は補償範囲外です。
その他、共用部分の老朽化によって入居者が負傷してしまったときに、地震保険を適用できるケースもあります。
マンション・アパート経営の失敗例や失敗談を参考にする
0同じ物件でも、管理会社によって空室率が変わることがあります。物件の共用エリアの清掃が不十分である、クレーム対応をしてもらえないなど、管理が甘いと退去につながりやすいでしょう。
また、例えば次のような状況の場合は、管理会社選びに失敗しているかもしれません。
・ 空室が半年以上続いているなど空室率が改善しない、悪化している
・ 空室率が高い状態なのに管理会社からの改善提案がない
管理の甘さによる失敗を回避するためには、管理会社の選び方が重要です。
管理会社は慎重に選ぶ
管理会社は、業務内容によって次の3つに大きく分けられることを知っておきましょう。
・ 仲介専門会社(入居者募集など仲介業務のみを行なう)
・ 仲介管理会社(仲介業務に加え、入居者対応や建物の管理も行なう)
・ 管理専門会社(入居者対応や建物の管理のみを行なう)
そのうえで管理会社を選ぶ際には、その会社が管理している物件の空室率を調べたり、実際の管理状態を見て回ったりするのがおすすめです。空室率や管理状態から、入居者を集めるノウハウを持っている・細やかな管理が見込めると判断できる管理会社を選びましょう。
また、安定した経営には、管理会社とサブリース契約をするのも有効です。ただし、サブリース契約の際は「サブリースによる失敗」の章で解説した内容をふまえ、思わぬ失敗に陥らないようにしてください。
マンション・アパート経営の失敗例や失敗談を参考にする
1マンション・アパートは、こまめなメンテナンスを継続しないと老朽化が進行しやすくなります。建物が老朽化すると入居者が集まりにくくなり、空室の増加や家賃の下落といったリスクが大きくなるでしょう。
また、老朽化が進行してから修繕の対応をしようとすると、コストが割高になります。収支が悪化することで、建物を修繕したくてもできない状態に陥る可能性があるため、注意が必要です。
こまめなメンテナンスと修繕計画の策定を行なう
メンテナンス不足・建物の老朽化による失敗を防ぐためには、物件の状態を定期的に点検し、老朽化しそうな部分を早期発見・早期対処することがポイントです。
建物の管理を管理会社に任せている場合は、必要なタイミングで修繕について提案してもらえます。しかし、修繕提案が一切なかったり、メンテナンスが行き届いていないと感じたりしたら、前章「管理の甘さによる失敗」の内容も参考にして管理会社を見直しましょう。
また、建物の経年劣化は避けられないため、マンション・アパート経営を始める際には、あらかじめ大規模修繕の計画を立てておく必要があります。修繕費の概算を出し、家賃収入の5%程度を積み立てるとよいでしょう。
マンション・アパート経営の失敗例や失敗談を参考にする
2ここまで紹介してきた失敗例をふまえ、マンション・アパート経営で成功するためのポイントを紹介します。
事前調査を怠らない
どのような物件にするか、どのような管理会社を選ぶかといった段階で失敗してしまう方は、伝えられた良い情報だけを鵜呑みにし、事前調査を怠っているのかもしれません。
マンション・アパート経営を成功させるには、人任せではなく、自分でデータを集めて検討することが大切です。例えば、物件に関してはエリアのニーズや借り手となり得る人の傾向などを、管理会社に関してはその会社が管理している物件の空室率や管理状態などを、幅広く調査しましょう。
リスクを見越して対策を行なう
マンション・アパート経営には、空室、周辺環境の変化、老朽化、入居者トラブル、自然災害などのリスクがあります。
マンション・アパート経営を成功させる方は「空室が増えてから」「周辺環境が変わってから」対策を考えて行動するのではなく、リスクを見越して事前に対策を行なっているのが特徴です。物件を取得する際の資金計画や、物件を維持管理する際の収支計画についても、事前にさまざまなリスクをふまえたうえで作成しましょう。
マンション・アパート経営の失敗例や失敗談を参考にする
3マンション・アパート経営を始める際の流れは、次のとおりです。
① 経営の目的を明確にする
② 周辺環境や業者について調べる
③ プランを相談する/資金計画を策定する/業者を選定する
④ 資金調達する/契約する
ここでは、マンション・アパート経営を始める際の理想的な進め方とポイントについて、表形式で紹介します。
① 経営の目的を明確にする | マンション・アパート経営を行なう目的や手残りの目標を明確にしましょう。「明確にした目的・目標に近づいているか」という観点で経営状態をチェックすれば、大きな失敗を回避しやすくなります。 |
② 周辺環境や建築会社・管理会社について調べる | マンション・アパート経営を行なう土地の周辺環境や、建築会社・管理会社などについて事前調査をします。その際は、本記事で紹介した失敗例やポイントを参考にしてください。 |
③ プランを相談する/資金計画を策定する/建築会社を選定する | 資金計画を含めたマンション・アパートのプランについて建築会社に相談し、その内容をふまえて信頼できる建築会社を選定します。「入居者が集まらない」といった状況を防ぐために、建築だけでなく入居者募集まで行なっている建築会社を選ぶのがポイントです。 |
④ 資金調達する/契約する | ③で選定した建築会社から提示されたプランを比較検討し、納得のうえで契約します。ケースによっては、融資を組んで資金調達する必要があるでしょう。無事に資金調達ができ、契約が済んだら着工です。 |
マンション・アパート経営の失敗例や失敗談を参考にする
4マンション・アパート経営を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。経営に関する知識の習得、十分な情報収集、計画的で無理のない資金計画、物件を見極める知識の蓄積、パートナーとなる専門家の存在、融資返済計画、経費やリスクを見据えた収支計画などです。
一見難しそうに見えますが、それぞれ密接に関連しているため、基本的な部分から知識を蓄積していけば、そこまでハードルの高いものではありません。
棟単位のマンション・アパート経営の成功の秘訣は、経営する方の的確な判断力にかかっており、その判断力は知識の蓄積でしっかり培われます。
なお、マンション・アパート経営に求められる知識・資格などについて、詳細は以下の記事で解説しております。ぜひこちらもご覧ください。
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