土地活用の方法20選《2024年最新》運用のメリット・デメリットや進め方も解説!
ひとくちに「土地活用」といっても、土地に詳しくない人が急に思い立ってできるものではありません。
土地を活用するには、土地の広さや立地によって、それに見合う活用方法を考える必要があります。また、短期で多額の収入を得るか、長期にわたって継続的に安定した収入を得るか、肝心の利益の出し方も違ってくるでしょう。
「土地活用」の方法には「アパート・マンション経営」「駐車場経営」「等価交換」「借地」「土地売却」など様々な方法があります。それぞれメリットやデメリットがあり、「相続税対策」「収益性重視」「安定性重視」といった土地活用の目的に適した活用方法を見極めることが重要です。
そこでこの記事では、土地を有効活用する方法について、目的や種類別にメリット・デメリットを解説します。併せて、土地活用で失敗しないための注意点についても紹介するので、参考にしてください。
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土地活用のメリット・デメリット
土地の有効活用方法を目的別にまとめたものが、以下の表です。
目的例 |
土地活用例 |
|
相続税の節税対策 |
相続税を節税したい |
アパート・マンション経営 等価交換 高齢者施設 戸建賃貸 |
収益性 |
初期費用の返済を加味したうえで、大きなリターンを得たい |
アパート・マンション経営 商業施設 |
安定性 |
初期費用と固定資産税の支払いをカバーできる程度の収益を、毎月安定して得たい |
アパート・マンション経営 駐車場経営 高齢者施設 戸建賃貸 |
転用性 |
将来的には別の活用目的(土地の値上がりを待って売却するなど)があるため、一時的に活用しておきたい |
駐車場経営 |
固定資産税の 節税対策 |
固定資産税を節税したい |
アパート・マンション経営 等価交換 高齢者施設 戸建賃貸 |
遊休地の管理 |
遊休地の管理に手間がかかるため、その手間を減らしたい |
等価交換 借地 土地売却 太陽光発電 |
この表を参考に、次の見出しでは、土地活用の方法を目的別にチェックしてみましょう。
土地の有効活用方法を目的別にまとめたものが、以下の表です。
相続税対策 |
収益性 |
安定性 |
転用性 |
固定資産税 |
遊休地管理 |
|
アパート・ |
◎ |
◎ |
○ |
× |
◎ |
○ |
駐車場経営 |
× |
△ |
○ |
◎ |
× |
○ |
等価交換 |
◎ |
○ |
△ |
× |
◎ |
◎ |
借地 |
△ |
× |
○ |
△ |
△ |
◎ |
土地売却 |
‐ |
○ |
‐ |
‐ |
‐ |
◎ |
商業施設 |
○ |
◎ |
○ |
× |
○ |
○ |
高齢者施設 |
◎ |
○ |
○ |
× |
◎ |
○ |
トランクルーム |
× |
△ |
○ |
○ |
× |
○ |
戸建賃貸 |
◎ |
○ |
△ |
△ |
◎ |
○ |
太陽光発電 |
× |
△ |
△ |
△ |
× |
○ |
「将来のために相続税の負担を減らしたい」と考えている場合、相続税対策「◎」の、アパート・マンション経営、等価交換が候補に挙がります。
また、「狭小地や変形地を活用したい」のであれば、土地適応性「◎」の、駐車場経営、借地、土地売却が候補となるでしょう。
ただし、例えば、相続税対策としてアパート・マンション経営を選んだ場合、あとから「別の目的で使いたい」と思っても、転用は難しいのでご注意ください。
したがって、1つの項目だけで判断するのではなく、総合的に検討することが大切です。
ここから、土地活用方法の種類別に、メリットとデメリットをそれぞれ解説していきます。前述した表と照らし合わせながら、ご確認ください。
関連記事はこちら:商業施設で土地活用を成功させるには?施設の具体例や建設費用の調達方法も紹介
関連記事はこちら:土地活用で介護施設を経営するメリット・デメリットは?流れや費用も解説!
土地活用の種類
(1)賃貸マンション経営
賃貸マンション経営は、入居者がいれば長期的に安定した家賃収入を得られます。また、居住用の建物を他人に貸すことで土地の相続税評価額が下がるため、相続税の節税効果があります。
一般的には、賃貸マンションのほうがアパートよりも戸数が多く、収入総額も高くなるでしょう。
加えて、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造といった耐久性が高い構造で建てれば、建物の寿命が長くなるため、賃貸経営を家族で受け継いでいくことも可能です。
具体的には、木造の住宅用物件の法定耐用年数が22年なのに対し、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の住宅用物件の法定耐用年数は、倍以上の47年です。
法定耐用年数は、減価償却費を計算するために定められた年数のため、実際の寿命はより長くなることも珍しくありません。鉄筋コンクリート造のマンションの場合、メンテナンスをしっかり行えば100年以上使用可能です。
なお、賃貸マンションも、高さがある建物を建てられる用途地域の土地なら50坪程度から活用できます。
(2)アパート経営
アパート経営は、賃貸マンション経営と同様に、入居者がいる限り長期的に安定した家賃収入を得られます。加えて、居住用の建物を他人に貸すことになるため、土地の相続税の節税効果もあります。
ただし、家賃収入の額は入居者がいる戸数で決まります。空室が多いほど収入がゼロに近づくため、アパート経営を成功させるには、空室率をできるだけ下げなければなりません。入居者が増えるよう、エリアニーズに合った間取り・設備のアパートを建てる必要があります。
アパート経営に向いているのは、駅から徒歩10分圏内の土地や、近くに商業施設がある土地などで、少なくとも50坪程度あると望ましいでしょう。仮に100坪を超える広さの土地があれば、十分な規模のアパートを建てられます。
関連記事はこちら:アパート経営とマンション経営の仕組みの違い~メリットやリスク対策とは?~
関連記事はこちら:アパート・マンション経営のメリット・デメリットとは?失敗しやすい理由と対策もご紹介
(3)駐車場経営
駐車場経営には、大きく分けて「月極駐車場経営」と「コインパーキング経営」の2つのパターンがあります。
月極駐車場は希望者と月単位で賃貸契約する駐車場、コインパーキングは不特定多数の人が利用できる時間貸し駐車場のことです。いずれの駐車場も、需要があれば狭小地や変形地でも活用でき、賃貸住宅経営よりも少ない初期費用で始められる点が人気の理由でしょう。
月極駐車場経営では、毎月「契約台数×賃料」の安定した収入を得られます。一方、コインパーキングは機械の導入を要するものの、稼働率を高めれば月極駐車場よりも高い収益を期待できるのが特徴です。
また、駐車場経営は他の土地活用方法へ切り替えやすいため、将来的に別の土地活用方法への移行を検討している方にも向いているでしょう。
関連記事はこちら:遊休地の活用|駐車場経営を成功させるには?メリット・デメリット、始め方も解説
関連ページ:駐車場経営をするメリットとは?他の土地活用との比較や注意点についても解説
(4)コンビニエンスストア経営
ドラッグストア経営と同様に、賃料単価が高い土地活用方法が、コンビニエンスストア経営です。
コンビニエンスストア経営なら、郊外の土地でも活用可能です。コンビニエンスストアの多くは24時間営業で、日用品から食料品まで幅広くそろっており、地域活性化に貢献できるでしょう。
また、コンビニエンスストアは軽量鉄骨造で建てられるため、鉄筋コンクリート造などと比べると建築費を抑えられるメリットがあります。
オーナー様が店舗を建て、コンビニチェーンに貸し出す経営方法が主流ですが、周辺に競合店舗ができ売上が減少した場合などは、退去リスクが高くなる点に注意しましょう。コンビニチェーンが撤退すると、後継のテナントが決まりにくいかもしれません。
なお、立地によっては、賃貸マンションの1階にコンビニを誘致することも可能です。
(5)サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)経営
サ高住は「サービス付き高齢者向け住宅」の略称で、比較的介護度の低い高齢者を対象にしたバリアフリー賃貸住宅のことです。入居者は比較的自由に生活を送りながら、安否確認・生活相談サービスを受けられます。
老人ホームやデイサービスと並び、サ高住も需要が高い状態が続くと考えられます。土地の広さが200坪以上あれば、デイサービス施設やクリニックを併設可能で、ニーズに合った経営がしやすくなるでしょう。
なお、構造や設備、サービス・契約内容などに関して一定の要件を満たせば、サ高住施設を建てる際に補助金を活用できる可能性があります。
関連ページ:土地活用で社会貢献!福祉に役立てるという選択肢
(6)事業用定期借地
事業用定期借地とは、オフィスビルや店舗など、事業の用途に限定して期間を決めて土地を貸し出す契約のことです。契約期間は10年以上50年未満で、期間満了後は、土地を更地にして返還してもらえます。
事業者に土地を貸し出し、毎月の賃料をもらうだけのシンプルな土地活用方法なので、建物への投資や修繕対応は必要ありません。収益性の高さよりも、長期にわたり安定した収入を得ることを重視したい方に適した土地活用方法でしょう。
なお、事業用定期借地に向く土地は、事業目的によって異なります。「駅から徒歩○分以内」「交通量の多い道路沿い」など、それぞれの事業に適した土地でなければ、事業者からオファーを得られないため注意しましょう。
関連ページ:定期借地権とは?土地活用におけるメリット・デメリットを解説
(7)賃貸併用住宅経営
賃貸併用住宅とは、同じ建物のなかで自宅用スペースと賃貸用スペースが分かれている住宅のことです。
「1階が自宅用・2階が賃貸用」のように上下に分ける方法や、「自宅用・賃貸用ともに2階建て」になるように縦に分ける方法などがあります。
土地の広さや家族構成、ライフスタイルなどにより最適な間取りで建てることができます。
賃貸併用住宅経営は、賃貸住宅として家賃収入を得たり、相続税対策をしたりしながら、自分や家族が住む場所を確保したいと考える方に向いているでしょう。
ただし、建物全体が収益対象となる戸建て賃貸住宅経営と比べ、節税効果は低くなります。賃貸併用住宅経営に適しているのは、70~80坪以上の広さがある土地です。中高層マンションの最上階をオーナー様の自宅にする形式も多くあります。
(8)保育園経営
昨今の待機児童問題を背景に、注目が集まっているのが保育園経営です。保育園経営は退去リスクが低いため、長期的な土地活用に向いているでしょう。
所有する土地に建物を建てて、事業者に貸し出す方法で土地を活用できます。また、自治体によっては、保育園に使用される土地は一定期間固定資産税などの免除や、補助金を受けることもできます。
保育園経営を検討する際は、そもそも保育園の開設が可能な土地なのか、あらかじめ自治体に確認してください。
なお、保育園は賃貸マンションに併設可能です。収益性の向上と地域貢献の両方を実現したい方は、保育園併設型の賃貸マンションによる土地活用方法を検討してみてください。
(9)戸建て賃貸経営
戸建て賃貸住宅は、多くの場所で建てられるのが特徴です。土地の広さは、40坪以上あれば十分でしょう。
入居者はファミリー層が中心なので、単身層と比べて入居期間が長くなる傾向があります。
土地が広ければ、庭や駐車場のスペースを確保し、家賃をファミリー向けマンションより少し高めに設定することも可能です。加えて、固定資産税などはマンションやアパート同様、軽減措置があります。
また、戸建て賃貸住宅は一棟貸しであり、賃貸マンションのように多くの入居者を集める必要がありません。共用部分の清掃をはじめとする管理も不要で、負担を減らせます。
戸建て賃貸経営は、賃貸が終わったら自分や家族が住む、または中古戸建て住宅として売却するなど、柔軟な選択肢がある点がメリットです。
(10)老人ホーム経営
老人ホーム経営は、郊外の住宅地や駅から離れた場所にある土地でも、十分な広さを確保できれば活用しやすい方法です。具体的には、土地の広さが300坪以上あると望ましいでしょう。
高齢化社会のなか、老人ホームの需要は今後も高い状態が続くと考えられるため、安定した収入が期待できます。また、公共性や福祉性が高く、地域貢献としてやりがいを得られます。
老人ホーム経営を成功させるには、運営実績があり、経営状況が良好な事業者を選定しましょう。適切な事業者に経営を任せれば、トラブルを回避しやすくなります。
(11)コインランドリー経営
最近では、カフェが併設されたものや内装にこだわったものなど、付加価値があるコインランドリーが増えています。また、コインランドリーが併設された賃貸マンションの人気も高まっています。
一人暮らしの学生や主婦など、コインランドリーの利用者はリピーターになることが多く、安定的な経営がしやすい点がメリットです。
例えば、賃貸マンション併設のコインランドリーなら、賃貸マンションの居住者の利用が想定されるため、より良い収益が期待できるでしょう。
さらに、無人のコインランドリーは人件費がかからず、維持管理も定期的な見回りや清掃だけで済みます。
ただし、周辺の居住者にとってどのようなコインランドリーが魅力的かを考え、新規顧客やリピーターを獲得する努力は必要です。
(12)トランクルーム経営
トランクルームとは、自宅に置ききれない荷物を収納できるよう、区分けされたスペースを提供する場所を指します。従来は、輸送用コンテナを屋外に置くだけでトランクルーム経営が成立しましたが、現在は建築基準法などの条件を満たす建物を自ら建てなければならない点に注意してください。
トランクルーム経営のメリットは、車で利用しやすい立地なら、日当たりの悪い土地や周辺の騒音がひどい土地でも活用できる点です。
また、トランクルームには、賃貸マンションやアパートのようなポータルサイトが少ないため、認知度を上げる工夫が求められます。
(13)デイサービス施設
デイサービスとは、介護サービスを受ける目的で、自宅から日帰りで通う施設のことです。同じ高齢者福祉施設でも、「住まい」を提供する老人ホームとは異なります。
デイサービスで提供する介護サービスは、利用者の送迎や健康状態のチェック、食事・入浴の支援、レクリエーションの実施などさまざまです。
デイサービス経営は、40坪程度の土地の広さがあれば始められるでしょう。継続してサービスを提供できれば、安定した利用料収入を期待できます。
ただし、老人ホーム経営と同様に、デイサービス経営を成功させるには事業者選びが重要です。
(14)ビジネスホテル経営
ビジネスホテルを建て、利用者から宿泊料収入を得る土地活用方法がビジネスホテル経営です。地方でも、主要な駅の周辺はビジネスホテルの賃貸需要が高いでしょう。
基本的には、賃貸マンション経営よりも収益性が高くなりやすいと考えられますが、経営方法によっても変わります。経営方法は、次の3パターンです。
・すべて自分で経営する(直営方式)
・フランチャイズとして指導を受けながら経営する(フランチャイズ方式)
・建てたホテルを事業者に貸して経営を委託する(サブリース方式)
フランチャイズ方式の場合は、宿泊料から経営指導料やロイヤリティ料などを差し引いた分が収益となり、サブリース方式の場合は、事業者からの毎月の賃料が収益となります。
(15)ドラッグストア経営
物販店舗であるドラッグストアは賃料単価が高く、高い収益を期待できます。
郊外でドラッグストアを経営する場合、土地の広さは300坪以上あると理想的です。一方、都市部では土地の面積が限られていても、都市型薬局として活用可能です。
周辺に大きな病院がある場合は、ドラッグストアに調剤薬局を併設すると退去リスクを減らせるでしょう。また、立地によっては賃貸マンションの1階にドラッグストアを誘致することもできます。
(16)コワーキングスペース施設
コワーキングスペースとは、リモートワークが可能な会社員や個人事業主などを対象にした、仕事ができる共有型のオープンスペースのことです。利用者は、好きな時間にコワーキングスペースを訪れ、仕事をします。
コワーキングスペース経営では、賃貸オフィス経営のような「1つのスペースに1つのテナント」という制限がありません。基本は会員制で、会員が増えるほど収益が上がっていくのがメリットです。
リモートワークの普及をきっかけに、コワーキングスペースは急速に利用者が増加しているため、経営を成功させるには、サービス内容を工夫し差別化を図りましょう。
(17)オフィスビル経営
一般的に、オフィス(事務所)の賃料単価は賃貸住宅よりも高い傾向にあることから、オフィスビル経営は賃貸住宅経営よりも収益性が高くなりやすいでしょう。
ただし、全国的に見るとオフィスの賃貸需要は減少傾向にあり、オフィスビル経営を成功させるのは容易ではありません。オフィスビル一棟当たりの契約社数は限られるため、1社でも退去すると大幅に賃料収入が減ってしまいます。
オフィスビル経営に向いているのは、都市部にある・駅から近い・アクセスが良いなど条件が良く、面積が広い土地です。
(18)貸倉庫経営
貸倉庫経営は、個人や企業に倉庫を貸し出す土地活用方法です。管理の手間が少ないという点では、初心者でも経営しやすいかもしれません。
特に企業向けの倉庫の賃貸需要は、インターネットショッピングの普及により高まっています。なかでも、高速道路のインターチェンジに近く、非常に広い土地にある倉庫は、需要が高いでしょう。
先述したトランクルーム経営では、倉庫業法に基づき利用者と契約を結びます。一方貸倉庫経営では、賃貸住宅経営のように利用者と不動産の賃貸借契約を結ぶため、倉庫内の荷物の保管に関して責任を負わなくて良いという違いがあります。
(19)太陽光発電
太陽光発電は、太陽光パネルで発電した電気を電力会社に売る土地活用方法です。
賃貸住宅経営のように、利用者を集めなくて良い点が人気の理由でしょう。また、日当たりが良く一定の広さがある土地なら、たとえ立地が悪くても活用できます。
ただし、電気の売電価格は年々下がっており、ケースによっては採算が取れないかもしれません。また、太陽光がなければ発電できないため、天気が悪い日が続いた場合や、周辺に高さがある建物が建った場合は、発電量に大きな影響をおよぼす可能性があります。
さらに、反射光などによる近隣住民とのトラブルが発生するリスクがあることから、土地活用として太陽光発電を始める際は、慎重な検討が必要です。
(20)ロードサイド型店舗(郊外型店舗)経営
ロードサイド型店舗(郊外型店舗)とは、郊外の交通量が多い幹線道路沿いに立地し、広大な建物・駐車場を備えた店舗を指します。
したがって、ロードサイド型店舗を経営するには、幹線道路沿い、かつ500~1,000坪以上の広さがある土地が求められるでしょう。
賃料単価は高いものの、売上が落ちると賃料の減額を要求されるかもしれません。また、事業者が撤退すると収入が途絶えるうえ、後継テナントも決まりにくく、比較的大きなリスクをともなう土地活用方法といえるでしょう。
リスクを避けるためには、契約方法を工夫したり、先述した事業用定期借地を検討したりすることが大切です。
なお、最近では、食品スーパーやホームセンターを中心に、複数のロードサイド型店舗を集めた「コンプレックス型」と呼ばれる出店形態が増えています。
土地活用一筋54年。累計着工戸数120,000戸超の実績。
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土地活用で失敗しないための注意点
土地活用で失敗しないためには、自分の所有する土地に合った活用方法を選ぶことと、土地活用を始める前に、赤字経営のリスクを理解しておくことが重要です。
ここでは、それぞれの注意点について解説します。
関連記事はこちら:土地活用は失敗例から学ぶ!失敗しないコツと成功へのポイント
その土地に合った活用方法を選ぶ
土地によって、都市計画法にもとづく規制や、周辺環境が異なります。そのため、土地活用の「目的」と土地の「ポテンシャル」が、必ずしもマッチするわけではないことにも留意しなければなりません。
目的とポテンシャルの両方を加味し、その土地に合った活用方法を総合的に判断するのが望ましいでしょう。
用途地域
土地には「用途地域」が定められているため、何でも自由に活用できるわけではありません。
用途地域とは、建築可能な建物の種類や、用途の制限を定めた13の地域に分けられます。具体的には、用途地域は都市計画法に定められた以下の区域に適用されます。
それぞれの都市計画区域の説明は以下の通りです。
分類 |
特徴 |
用途区域 |
市街化区域 |
市街地としてすでに栄えていたり、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図る区域 |
必ず定められる |
市街化調整区域 |
市街化を抑制すべき区域。そのため開発行為には開発許可が必要 |
例外的に定められる場合がある |
非線引都市計画区域 |
市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない区域 |
定めることができる |
準都市計画区域 |
市街化が進むと予想される場合に、土地利用の規制のために設けられる区域 |
定めることができる |
また、用途地域は、住居系・商業系・工業系の3つに分かれ、以下の特徴があります。
・住居系:住みやすい環境を維持するための地域
・商業系:テナントビルやオフィスなど、商業施設を建てやすい地域
・工業系:工場や倉庫を建てやすく、住むのには適していない地域
このように、用途地域によって、制限される活用方法や、適している活用方法はさまざまです。あらかじめ用途地域を調べたうえで、可能な選択肢のなかから活用方法を選ぶようにしましょう。
立地条件や地形
用途地域以外にも、立地条件や地形によって、活用方法に向き不向きがあります。例えば、都心部の土地の場合、人口密度が高く、収益性を狙ったマンション・アパート経営などが向いているでしょう。
一方で、郊外の土地の場合、入居率を正確に見積もらないと、賃貸経営は失敗する可能性もあります。このように、周辺環境を把握し、ニーズに合った活用方法を選ぶことが大切です。
また、地形の悪い土地は、活用方法が制限されますが、駐車場や駐輪場などでは問題なく活用できる可能性も高いでしょう。
赤字経営のリスクを理解しておく
どの土地活用方法でも、事前準備をしっかりと行なわなければ、想定していた利用を見込めない・収益があまり得られないなど、経営はうまくいかないでしょう。
ただし、事前準備を行なっていても、絶対に赤字経営にならないという保証もありません。
このようなリスクを理解したうえで、収益が上がらず赤字になった場合は、自己資金から費用を捻出することも想定しておく必要があります。
土地活用において想定すべきリスク
土地活用におけるリスクは、未然に回避できるよう対策することで収益の確保に繋がります。土地活用を行う上で想定するべきリスクについて見ていきましょう。
・空室リスク
賃貸アパート・マンション経営などにおいて、重視するべきリスクです。事前の市場調査からその土地における需要を把握し、空室リスクの低い建物を建築することが大切です。
関連記事はこちら:アパート経営・マンション経営の空室対策・入居率を上げる方法
・賃料下落リスク
経年により使用感の増加や設備の老朽化が進むと、建物の価値が落ちることから家賃設定も低くなっていきます。収支計画を立てる際は、経年による家賃収入の低下を視野に入れ、家賃が下がることによるリスクをシミュレーションしておくことが大切です。
・金利上昇リスク
巨額な投資が必要な土地活用においては、借入れが必要となるケースもあります。借入れ金額が大きくなるほど金利の変動による損失リスクが高まるため、借入れを伴う土地活用では、金利変動によるリスクを想定した資金計画を立てましょう。金利は、1%前後であれば変動する可能性があります。
・修繕リスク
建物の性能や品質向上のために修繕の必要がある場合、管理維持費や修繕費用がかかります。特に、長期間にわたり建物を維持するには修繕リスクは避けられません。
建築計画を立てる際は「どのくらいのタイミング」で「どのような修繕」が必要になるのか想定し、毎年の家賃収入から修繕費用を積み立てておくと安心です。
ただし、想定外のタイミングで修繕の必要があると資金計画に狂いが生じるため、修繕を行わなくて済むよう、建物の構造や部材を定期的に点検することも欠かせません。
・税金リスク
土地を更地のまま保有する期間が長引くほど、固定資産税や都市計画税の負担が大きくなります。相続などにより土地の取得費がほとんど発生していないとしても、土地を活用しない期間が長引くだけで損失が増加するリスクを念頭に置き、計画的な土地活用を行うことが大切です。
・管理リスク
土地を更地のまま保有している間は、草木の繁茂やゴミの不法投棄を避けるため、定期的な管理が必要です。個人で土地を管理する場合、草刈りやゴミの処分にかかる費用と手間は避けられないリスクと言えます。管理の手間を省いて土地を適切に所有するには、土地管理の専門業者へ管理を依頼することも可能です。
・相続リスク
相続発生時、財産となる土地が更地だった場合は、建物が建てられている場合に比べて、相続人に課せられる相続税が上がってしまいます。相続対策も視野に入れた土地活用では、土地を更地で保有する期間がなるべく短くなるよう、賃貸アパート・マンション経営を計画できると安心です。
・市場変動リスク
長期的な土地活用においては、周辺環境の変化や人口の増減などから、その土地を取り巻く市場が変化するリスクがあります。計画されている開発事業や人口の推移などから市場のニーズに予測を立て、より長期的な活用が見込める方法を見出すことが大切です。
・自然災害リスク
地震や水災など、予知できない自然災害のリスクがあります。土地や建物が壊滅的な被害を受ける前に、被害の規模を想定した対策を講じることが大切です。同時に、加入している保険内容についても見直しましょう。
関連ページ:アパート経営・マンション経営の災害リスク(地震・火事)と保険
まとめ
土地活用を成功させるには、目的を明確にし、土地活用方法を総合的に判断することが大切です。また、メリットだけでなく、デメリットやリスクも理解したうえで、それぞれの土地活用方法を選択しましょう。
できるだけ失敗せずに土地活用をしたい場合は、安心できる業者に相談し、任せることがおすすめです。
生和コーポレーションでは、豊富な経験や知識をもとに、お客様のご要望に応じて、最適な提案をいたします。土地活用について、悩みや不安がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
よくあるご質問
- 土地活用の方法はどのように決めればよいでしょうか?
- 土地活用は土地の立地や状況によって適切な方法は変わってきます。また、市場や土地の規制など、専門的な内容の精査も必要になるため、信頼できる専門家にご相談することをお勧めします。
- 土地活用・不動産経営は初心者なのですが、どのように相談をおこなえばよいでしょうか?
- 弊社HPの電話もしくはお問い合わせフォーム・資料請求フォームから、お気軽にお問い合わせください。ご要望に応じて、オンライン面談・電話・メール等での対応が可能です。
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