賃貸併用住宅の青色確定申告の方法と必要書類
賃貸併用住宅で得られる家賃収入から経費を除いた所得が年間20万円以上ある場合は、不動産所得として確定申告をしなければなりません。確定申告には青色と白色の2種類ありますが、不動産所得は事前に申請することで青色申告にすることができます。青色申告の主なメリットは3つあり、所得金額から65万円が特別控除を受けることができること、所得損失が生じた場合も翌年以降3年に渡って、各年の所得から損失額を控除できること、専従者給与を全額経費にできることなどがあります。
今回はメリットの大きな青色申告に絞って、確定申告に必要な書類や方法について説明します。
青色確定申告にはどんな書類が必要なの?
青色確定申告を行う場合に、不動産所得以外の給与所得がある人であれば、会社から発行される源泉徴収票が必要です。また、確定申告書B、収支内訳書(不動産所得用)、所得税青色申告決算書(不動産所得用)も必要です。これらの書類は、国税庁のホームページからダウンロードすることもできます。さらに、住宅ローン控除を受ける場合は、住宅借入金等特別控除額の計算明細書、住民票の写し、借入金の年末残高等証明書、家屋の登記事項証明書、工事請負契約書の写し、売買契約書の写しが必要です。
自宅のみの場合、住宅ローン控除を受けるために初年度だけ確定申告を行えば、2年目以降は年末調整だけで済みますが、賃貸併用住宅では前述の通り、一定の不動産収益がある場合は、毎年確定申告する必要があります。また、賃貸併用住宅を始めるにあたり住宅ローンを利用した場合は、要件があえば住宅ローン控除を受けることができます。住宅ローン控除を受けるためには、自宅部分の延床面積が建物の総床面積の半分以上なければいけないなど、他にもいくつかの要件があるので、あらかじめ専門家に相談することをおすすめします。
青色確定申告書はどのように作成するの?
賃貸併用住宅の場合は、不動産所得の項目がある確定申告書Bを作成します。住宅ローン控除を受ける場合は、住宅借入金等特別控除額の計算明細書に、居住開始日、取得金額、床面積、住宅ローンの年末残高など必要項目を記入し控除額を計算します。住宅ローン控除は自宅部分にしか適用されないので、総床面積と居住用部分の面積を記入し、居住用部分の割合も計算します。計算した割合を元に、確定申告書Bに居住部分に占める、住宅ローンの年末残高を記入します。
また、所有する不動産物件が賃貸のみの場合は、建物の維持・管理にかかった費用はすべて経費として計上することができますが、賃貸併用住宅では自宅部分については経費として認められません。修繕費、固定資産税、ローンの利息などは、自宅部分と賃貸部分を面積で按分して、賃貸部分については経費として計上する必要があります。
青色確定申告を行うときの注意点は?
確定申告は、毎年2月15日から3月15日まで管轄の税務署で行います。たいてい、外部に確定申告会場が設置されるので、必要書類を直接持参し提出します。職員がチェックして、不備がなければ受付印を押して控えが返却されます。書類不備があると提出期限に間に合わなくなる可能性があるので、自分でもしっかりチェックしておくようにしましょう。郵送で提出する場合は、直接税務署へ出向いて確定申告を行うよりも、確認が済むまでに時間がかかってしまうため、より慎重さが求められます。
申告書の作成は、国税庁のホームページで手順に沿って数値を入力するだけで行うことができます。作成した書類を印刷して提出することも、e-Taxを使ってWeb上で提出することもできます。e-Taxを利用する場合は、「電子申告・納税等開始届出書」を事前に提出するなど手続きが必要です。
賃貸併用住宅の確定申告は、賃貸のみや自宅のみの場合とは違いがあります。初めての確定申告では、何をどうすればよいのか戸惑うものです。国税庁のホームページに必要書類や記入例も載せられているので参考にしてみましょう。また、税務署に相談したり税理士などによる相談会を利用するのも良い方法です。期限内に提出できるよう早めに確定申告の準備を始めるようにしましょう。