インターンシッププログラム 2022
「未来へつながる家」
生和コーポレーションでは、8月後半から10日間のインターンシップを実施しました。後半の5日間に行われたコンペ形式のグループワークでは、学生たちは5チームにわかれ、SDGs
にも配慮しながら、神田に実在する生和の賃貸マンション最上階の部屋づくりに挑みました。
仕事の納期を意図した制限時間など与えられた条件の中で、学校で学んでいる専門知識やスキルを応用しながら、コンセプト考案から間取り設定・デザイン制作など実際の仕事を想定したワークショップを体験。コロナ禍で通学の制限やオンライン授業を余儀なくされた参加者たちも、チームワークでのコミュニケーションの大切さを知り、プレゼンテーション力、課題解決力などを学び取った充実の5日間となりました。
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満足度が高いポイント! 成長支援の充実
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インターンシップで学べる「力」
成長を促す行動サイクル
インターンシップでは、常に自分と向き合い、新しい気付きや課題を発見するために、「目標設定」「振り返り」「先輩社員からのフィードバック」を実施。就職活動はもちろん、仕事で活躍する上で不可欠な素養やスキルを身につけていきます。
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参加した学生の声
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自分に向き合う場
インターンシップの中で、就職活動に不可欠な自己分析ができたことがよかった。自分の強みや足りないことが明確になり、目標に向かって前向きに取り組むことができた。
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きめ細かなアドバイス
いろいろな立場の方から様々な視点でアドバイスをいただき、とても勉強になった。もっと積極的に社員の方とコミュニケーションを取り、質問する時間をつくればよかった。
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細部のこだわりに感動!
実際のモデルルームを見学した時、細部までこだわっているデザインに刺激を受け、こうしたデザイン力を持つ会社で働きたいと思った。いつかこんな物件に住んでみたい!
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実務を踏まえた学び
設計のコンセプトを考える上で、実際の物件や周辺地域を見ることができ、とても参考になった。また、マンションにはどんな設備が必要なのか知ることができた。
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幅広い考え方を発見
大学とは違う緊張感の中で、グループワークの難しさと楽しさを実感。他大学の人たちと協力して取り組むことで、自分とは違う考え方を知ることができ、とても貴重な体験だった。
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大きな成長を実感
自分の成長を促してくれる実りの多いインターンシップだった。会社に対する理解や、仕事に対して自分が何を求めたいのかを深く考える機会になり、将来の選択肢の幅が広がったと思う。
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課題内容
・神田に実在する生和の賃貸マンション最上階の部屋づくり。
・ターゲット層に合わせて間取りのコンセプト(設備・家具を含む)を考え、提案する。
・物件名を提案する。
・SDGs にも配慮する。ターゲット層
①単身者 ②DINKS ③ファミリー ④シニア夫婦から自由に選ぶ。
提出物
●コンセプトシート
エリアマーケティングやターゲット分析を元に、コンセプトや間取りを決め、資料にまとめる。●間取り提案プレゼン資料
考えたコンセプトに基づき、間取りや設備、インテリアのイメージを表現する模型やパース図を制作する。 -
インターンシップの流れ
DAY 1
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1.現場見学
生和が建築した高層賃貸マンションのオーナー様向けモデルルームを見学し、立地や広さなどをチェックしました。実際の物件を体感することで、住む人やデザインするイメージを膨らませていきます。
DAY 2
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2.ターゲットへのヒアリング
チームごとに4つのターゲット層(単身者・DINKS・ファミリー・シニア)の社員へインタビュー。日頃の生活の様子、趣味、仕事、住まいへの要望など、ターゲットごとの住まいに対するニーズや想いを拾い上げました。
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3.ターゲットの設定
物件のある神田のエリア調査や、社員へのヒアリングを元に、部屋づくりの軸となるターゲット層を決定。年齢、家族構成、仕事、趣味などペルソナを細かく設定します。
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4.コンセプトの考案
間取りづくりの要となるのがコンセプト。設定したターゲットの好みやライフスタイル、地域との調和、社会への貢献などをディスカッションし、コンセプトシートにまとめました。
DAY 3&4
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5.間取りづくり
コンセプトを具現化する間取りを細かく決めていきます。部屋数、室内のイメージ、水回りの位置、インテリア、動線など、ターゲットにあった使い勝手を意識し、アイデアを図面に落とし込みます。
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6.プレゼン資料作成
まとめたコンセプトシートをもとに、発表用のスライド資料や3Dパースなどを作成。どんな言葉が伝わるか、どのような見せ方が効果的かなど、試行錯誤しながらまとめていきます。
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7.イメージ模型作成
アイデアやデザインをより具体的にイメージできるよう、壁紙や床材、家具、設備など細かい部分まで模型を作成。各チームのこだわりと個性が詰まった模型が仕上がっていきます。
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8.プレゼンリハーサル
実際のプレゼンを想定したリハーサルを実施。資料の見映え、声の大きさや時間配分などについてアドバイスを受け、本番に向けてブラッシュアップしていきます。
DAY 5
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9.プレゼンテーション
生和の役員やクリエイティブディレクター、坂倉建築研究所の建築家を審査員に、プレゼンテーションを行いました。10分間の持ち時間をフルに活かし、5日間かけてチームで作り上げた成果を発表。それぞれ斬新なアイデアや工夫が盛り込まれ、プレゼン方法にもチームの個性が際立ちました。
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最優秀賞発表&講評
最優秀賞:Team A
「アートでまわる暮らし」
夫が画家という想定で、アートを中心としたライフスタイルの多様な変化に対応できる住まいを提案した。アトリエを中心に置き、全体の間取りを曲線で構成。各部屋を自由につなぐ可動式の壁、子どもの動線に配慮した壁の穴、和室から外へつながるウッドデッキなど、使いやすさの中にも遊び心を取り入れた。
アイデア賞:Team B
「人生劇場~幕が創り出す多様な空間~」
ライフスタイルに合わせ、「カーテン= 幕」で仕切る自在な空間をコンセプトに設定。夫婦二人での生活から家族が増えた時までを想定し、カーテンによって変えられる部屋の使い方を提案した。また、人の気配を感じる、外からの風や光を室内に通すといったカーテンのメリットも訴求した。
- 講評
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外を取り込んだ空間設計をした唯一のチーム。一生という時間軸を意識し、カーテンを使ってコンセプトを具現化したアイデアがおもしろい。また、スカイツリーが見える窓からの眺望など、箱以外の魅力を伝えた提案がとてもよかった。グリットの形を変えるなどプラスαの提案があるともっとよかった。
- 学生の感想
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神田の街に多い居酒屋の暖簾をヒントに、「カーテン= 幕」を使った「人生劇場」というコンセプトをうまく落としこむことができました。作業担当を決め、各自に任せることで、作業がスムーズに進められたと思います。チームで取り組んだワークショップはとても楽しかったです。
生和賞:Team C
「移りゆく時と視線」
「視線」と「時」を軸に、移りゆくライフスタイルの変化に合わせて、収納にもアレンジできる木の間仕切りと、可変性のある間取りを提案。積み上げた木のすき間を開閉することで、家族の気配を感じる、プライバシーを守るなど、家族のほどよい距離感をコントロールできる住まいを表現した。
- 講評
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木を使いながら視線を操作するというコンセプトがとてもよかった。すき間や穴という、一見デメリットに感じられそうな部分をメリットに置き換え、用途によってすき間を埋めるといったアイデアが新しい。環境にも配慮し、デザイン性が加わることでさらにいい物件になっていると思う。
- 学生の感想
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木で積層をつくるというアイデアと、そこから導き出したコンセプトを具現化し、しっかり伝えるために模型づくりと3D制作に時間をかけました。普段は個人作業が多いので、チームで意見を共有しながら作り上げる難しさと醍醐味を実感できたことは良い経験になりました。
設計賞:Team D
「健康な暮らし~病気になりにくい環境づくり~」
夫が医者、妻が小説家という想定で、DINKS からファミリー、シニアまで世代を超えて健康な暮らしをサポートする家をコンセプトに設定。通風、採光に考慮した4 つの天窓や、ウイルスを室内に持ち込まない間取り、老後の暮らしやすさを考えた工夫など、コロナ禍ならではの発想から、生涯健やかに暮らせる住まいを提案した。
- 講評
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コロナ禍の中で健康というテーマを掘り下げ、通風や採光などを考えてしっかり計画されていた点が評価できた。間取りを細かく区切っているため、開放感が少なくなってしまっている。天窓など、より気持ちのよい空間にする工夫はよかったので、さらに伸びしろがあると感じた。
- 学生の感想
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光と風の通り道や、ウイルス対策として玄関近くに集めた水回り、植栽などで健康な暮らし方を表現しました。また、すべての世代にわたって日本文化やワビサビを感じて暮らせるよう、和室に特にこだわりました。チームで議論する中で、自分と異なる視点や考えを知ることができ、とても勉強になりました。
坂倉賞:Team E
「子供と一緒に成長する家」
綿密なエリア考察から子育て世代にフォーカスし、子供の成長とともに変化する住まいをコンセプトに設定。シンボリックに置かれた植栽が、子供と一緒に成長しながら部屋をゆるやかに仕切り、共働き夫婦のプライベートスペースも確保しながら、家族の気配が感じられる空間を創出した。
- 講評
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オフィス街だが公園や学校が多いなど、千代田区の特性を吟味して計画できていた。都市型物件は無機質なものが多いが、緑を取り込み、子供と成長する植栽を置くというコンセプトがとてもよかった。また、天井の横長のスリットからの採光もいいアイデア。間取りの構成にもう少し工夫があるとさらに良くなると感じた。
- 学生の感想
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木材や植栽に重点を置いていたので、床や家具、室内の植栽など細かい見せ方にこだわりました。限られた時間の中で、作業の優先順位の重要性を痛感。グループワークは初めてでしたが、みんなで意見を出し合って1つの形に創り上げることができ、達成感でいっぱいです。
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人事部担当者コメント
多くの交流と学びを、将来の礎に
まずは、開催できたことが本当にありがたかったです。今年のインターン生は、受験シーズンからコロナ禍のため描いていたような学生生活を送れずに苦労した方が多かったです。その為、弊社のインターンが学生生活の良い思い出になる事も大切だと考えました。インターンシップはあくまで学生のための学びの場です。初めて顔を合わせる他校生と協力し合って課題に取り組んでいくのは苦労もありますが、その分達成感があります。例年以上に学生同士や社員から毎日、良かったところや改善ポイントをもらってイキイキしながら自分の成長を楽しむ様子が印象的でした。また、今年もマスクをしながらの参加になる為、表情が見えません。そのため例年以上にお互いの考えを理解出来るようプログラムに手を加えました。マスク越しではどうしても反応がわかりにくい分、コミュニケーションに遠慮が生まれてしまいます。これから、オンライン上での仕事のやり取りは当たり前になっていきます。そうした中でも人と協力する事で、自分もお客様も期待以上の成果を上げていく、仕事の進め方の基本を学んで頂ける機会に出来たらと考えております。
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下記よりエントリーしてください。
間仕切りを曲線でつくるのは難しい設計だが、構成がとてもしっかりしており、バランス良く仕上げられていた。リビングの壁に子どもの通り道をあけるアイデアなども斬新で、プレゼンもとてもわかりやすかった。人を呼びたくなるような住まいなので、プライバシーをしっかり確保できるとさらに良いと思った。
「アート」というコンセプトを具現化するために、曲線を使った平面計画にいちばん注力しました。初めて会ったメンバーの中で分担を決めるのに時間がかかりましたが、それぞれが出したいろいろなアイデアを練り上げ、深めていけるグループワークの良さを体験できました。