相続した土地の不動産登記手続きの流れと必要書類、費用の相場について
家族が亡くなった場合などで土地の相続をした人には、土地所有者の名義変更登記が必要になります。
ここでは、土地の相続登記が必要な理由や、手続きの流れと費用、そして手続きの注意点などについてご紹介します。
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この記事の目次
なぜ土地を相続したら登記が必要なのか
家族などが亡くなり土地を相続したときには、「相続登記」が必要になります。この相続登記とは、土地や建物などの不動産を相続したときに、登記簿の所有者名義を被相続人から相続人に変更する手続きのことです。
相続登記をする時期については、特別な期限が設けられておらず、罰則などがないためか、相続が発生しても、後回しにしている人がいるかもしれません。しかし、相続登記をしないまま放置すると、あとで支障が出てくることがあります。
相続登記をしないままでいると、後でその不動産を売買したいときなどに、名義人が存在していないということになってしまいます。そうなると、亡くなった被相続人の実印や権利証などがあやふやになり、手続きに非常に長い時間がかかってしまう恐れがあるのです。
また、長く放置したことで本来は相続人となっていた人も亡くなってしまった場合、新たな相続人が生まれ、複雑になりかねません。
たしかに相続登記は手間のかかることですが、後から過去の相続時に遡ることのほうが大きな手間になるでしょう。そのため相続登記は、相続が発生したときに速やかに手続きを進めることをおすすめします。
相続登記は、自分で申請書類を作成し提出することができますが、一般的には司法書士に依頼することが多いでしょう。司法書士に依頼した場合の費用は、司法書士の依頼料は5万円~10万円程度が目安となりますが、その他に登録免許税や各種手数料なども必要となります。
司法書士への依頼料が必要になる分、自分で相続登記を行うよりも費用が高くなりますが、自分で行うよりもスムーズに手続きが進められるため、まずは司法書士へ相談することから始めましょう。
土地を相続した場合の相続登記手続きの流れ
土地の相続登記手続きの主な流れとしては、次のようになります。
1.相続の発生
2.遺言書の有無
3.遺言書ありなら内容に沿って相続
4.遺言書なしなら法定相続、または遺産分割協議
5.相続登記に必要な書類を揃えて法務局に提出
6.相続登記完了
相続が発生したときには、まず、遺言書が存在しているかどうかを確定させます。なぜなら、遺言書がある場合とない場合では、進め方が変わるためです。
遺言書ありの場合
亡くなった人の遺言書がある場合は、遺言書の通りに相続が進められます。相続を受けた人は、遺言書の内容で相続手続きを進めましょう。
遺言書なしで法定相続
遺言書がない場合、法律で定められている持分の割合で相続を進めます。
一般的には配偶者や子、直系親族などが相続人になり、複数人で土地を共有するため、この場合は相続人全員が相続登記することになります。
遺言書なしで遺産分割協議
遺言書がない場合に、全ての法定相続人の中で誰が土地を相続するかを話し合うのが「遺産分割協議」です。土地を相続人全員で共有するのではなく、特定の相続人名義にすることができます。
土地の相続はどの方法を選択するか、相続登記を進める前に、相続人同士でしっかりと確認して進めるとよいでしょう。曖昧に進めると後々トラブルにつながる可能性がありますので、意思を確実に確かめておくことが重要です。
関連ページ:土地相続の流れとは?相続分割や土地売却の方法も併せて紹介!
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相続登記に必要な書類とかかる費用
相続の方法が決まったら、書類の作成をします。土地の相続登記手続きをする上で、必要になる書類とかかる費用は次の通りです。
・戸籍謄本…亡くなった人の死亡時の戸籍謄本(死亡の記載があるものが有効)、手数料は1通450円前後
・住民票の除票、または戸籍の附票…死亡時の住所が確認できるもの、手数料は1通300円前後
・遺言書…ある場合
・遺言執行者の選任審判書謄本…執行者が選任されている場合
・相続人が誰なのか証明できるもの…遺言書がない場合
・遺産分割協議書…遺言書がない場合
・相続人全員の印鑑証明書…手数料は1通300円前後
・土地の登記簿謄本…手数料は1通500円前後
・固定資産評価証明書…手数料は市町村役場によって計算方法が変わるが、土地1筆または家屋1棟につき300円前後の場合が多い
・土地の相続人の住民票…手数料は1通300円前後
そして、法務局で相続登記の申請をする際には、上記費用の他に登録免許税がかかります。
登録免許税の金額は、固定資産評価証明書に記載の評価額に、相続の場合の税率1000分の4(0.004)をかけて算出します。
司法書士に手続きを依頼する場合には、上記費用に追加して依頼料が必要になりますが、必要書類の取得なども代行してくれるため、「用意する時間がない」「取得方法はわからない」という場合は司法書士に依頼するほうがよいでしょう。
土地の相続についての注意点
土地を相続した場合、財産を所有できるというメリットがありますが、所有するということは「税金などの費用もかかる」ということです。名義変更を行えば、その翌年から固定資産税も毎年かかりますので注意しましょう。
また、相続登記は期限が設けられていないため、ついつい後回しになり時間が過ぎてしまうものです。しかし、相続登記を放置したままでは、土地の所有者が亡くなった被相続人となるため、他の相続人が所有者を名乗って勝手に売却してしまう恐れがあります。
その他にも、相続登記を放置している間に新たな相続が発生し、登記手続きや土地の売却がスムーズにいかないことがありますので、相続が発生した場合には登記手続きを忘れないように気を付けましょう。
土地を相続したら、速やかに登記手続きを進めることが重要
家族が高齢になると、相続は身近なものになるでしょう。相続財産となるものは現預金ばかりではなく、土地などの不動産の場合もあります。相続が発生したら、まずは遺言書の存在を確かめ、次に法定相続、遺産分割協議のどちらかを選択し、できるだけスムーズに次のステップに進みましょう。
また、相続登記は自分でも申請が可能ですが、慣れない書類を揃えることは手間がかかります。「どうしても費用を節約したい」という訳でなければ、司法書士などの専門家に相談するのが安心です。
※写真はイメージです
※本記事は、2019年4月以前時点の情報をもとに執筆しています。 マーケットの変化や、法律・制度の変更により状況が異なる場合があります
※記事中では一般的な事例や試算を取り上げています。個別の案件については、お気軽にお問い合わせください。
よくあるご質問
- 土地活用の方法はどのように決めればよいでしょうか?
- 土地活用は土地の立地や状況によって適切な方法は変わってきます。また、市場や土地の規制など、専門的な内容の精査も必要になるため、信頼できる専門家にご相談することをお勧めします。
- 土地活用・不動産経営は初心者なのですが、どのように相談をおこなえばよいでしょうか?
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