商業施設で土地活用を成功させるには?施設の具体例や建設費用の調達方法も紹介

世の中にはさまざまな土地活用法があり、そのうちの一つが「商業施設」の経営です。

商業施設は立地次第で大きな収益が期待でき、地域活性化にもつながる土地活用法です。しかし、どのような土地が向いているのか、資金調達をどうするのかなど、疑問を感じているオーナー様は多いでしょう。

この記事では、商業施設向きの土地の特徴、活用の具体例、成功のポイント、建設費用の調達方法を解説します。商業施設での土地活用の失敗を防ぐために、事前に知っておいたほうが良い知識をまとめたので、ぜひ参考にしてください。

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商業施設の経営に向いている土地の特徴

そもそも、どのような土地が商業施設の経営に向いているのでしょうか。

特に重要な条件は、商業施設をオープンしたあと、十分な集客が見込める立地であることです。集客が難しい土地では、出店を希望する企業やテナントがなかなか現れず、仮にオープンまでこぎつけても早期撤退されるおそれがあります。

そのため、商業施設向きの土地の具体的な特徴として、下記が挙げられるでしょう。

・商業地域・繁華街:エリア全体の人流が多いため、集客しやすい
・幹線道路沿い:車を使った買い物客や遠方客が見込めるため、事業者からの需要が高い
・郊外:住宅の多い地域に、ショッピングセンターなどニーズの高い施設を建てれば、多くの集客が可能

また、地域に商業施設の需要があることも大切です。いくら立地条件が良くても、需要がなければなかなか集客できません。

「立地条件」と「地域需要」の両方を満たす土地をお持ちの方は、商業施設での活用を検討してみるとよいでしょう。

商業施設の具体例5選

商業施設には、さまざまな種類があります。土地活用のイメージが湧きやすいよう、具体例として、商業ビル・ロードサイド店舗・ショッピングセンター・オフィスビル・ビジネスホテルの5つをご紹介します。

1.商業ビル

服飾店や飲食店など、複数の商業用施設が入居するビルを「商業ビル」といいます。多様なジャンルの施設をビルに集め、あらゆるニーズに応えられるようにして、集客を狙います。駅ビルやファッションビルを想像するとわかりやすいでしょう。

商業ビルを建てて土地活用する場合、地域の需要を考慮しつつ、さまざまなジャンルの事業者を誘致する必要があります。また、集客の面から、駅前など公共交通機関を利用しやすい場所に向いている施設です。

駅から近い場所にある土地を商業ビルとして活用すれば、周辺住民だけでなく駅の利用者の利便性も向上するため、地域活性化にも貢献できるでしょう。

2.ロードサイド店舗

幹線道路沿いにある土地は、ロードサイド店舗での活用に向いています。コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ファミリーレストランなど、車での来店客が多いテナントを中心に、さまざまな業態に対応可能です。ただし、居酒屋などアルコールの提供をともなう業態は、飲酒運転防止の観点から、ロードサイド店舗の業態としては不向きといえます。

車でのアクセスの良い立地は、集客力の高い大手チェーンにとって特にメリットが大きく、誘致しやすい点も見逃せません。大手チェーンを誘致できれば、長期間の安定した収益が期待できるでしょう。

また、ロードサイド店舗の場合、コンビニや小規模店舗なら120坪程度から事業者の需要を見込めます。逆に、広い土地であれば、家電量販店やホームセンターなどの大型店舗を誘致しやすいでしょう。

3.ショッピングセンター

ショッピングセンターとは、小売店を中心に複数のテナントが入居する複合型商業施設のことです。

ショッピングセンターは数千坪規模の広い土地に向く活用方法で、特に幹線道路沿いの立地なら、車での来店客を呼び込めるでしょう。

ショッピングセンターの特徴は、商業ビルよりもさらに規模が大きく、テナントの種類も多岐にわたる点です。小売店や飲食店のほか、旅行代理店や美容室、習い事教室などサービス業のテナントも多数入居するため、幅広いニーズに対応できます。

テナント誘致はショッピングセンターの要ですが、規模が大きく、とても個人で対応できるものではありません。そのため、不動産会社や建設会社などの開発事業者と協力して進めることになります。

4.オフィスビル

オフィスビルは、企業の支店・営業所などの営業拠点として事業者が入居する商業施設です。施設内でモノやサービスを売ることが目的ではないため、集客の必要がなく、人流の少ない土地でもオフィスビルとしてなら活用できるでしょう。

ただし、オフィスビル利用者の通勤や取引先来訪などの都合を考えると、交通の利便性は必要です。

オフィスビルのメリットは、長期入居が一般的なため、収益が安定しやすい点です。一度入居する企業が見つかれば、長期の賃料収入が見込めるのは、かなり魅力的ではないでしょうか。

しかし、オフィスビル経営には、景気の影響を受けやすいデメリットもあります。業績悪化から企業が退去する可能性もあるため、注意が必要です。

5.ビジネスホテル

ビジネスホテルは、駅近立地の土地活用に向く商業施設です。駅から徒歩5分圏内が望ましいですが、都市部の主要駅などビジネスホテル需要の高いエリアなら、徒歩10分圏内でも十分に検討できます。

ビジネスホテルの場合、立地条件さえ良ければ、60坪程度の狭い土地でも活用可能です。ただし、室数が少ないと、それだけ期待できる収益も小さくなってしまいます。収益性の高い、100室前後の規模のビジネスホテルを建てるには、目安として延べ床面積(各階の床面積の合計)が500坪以上必要です。

商業施設として土地活用する3つのメリット

土地活用の方法は、商業施設以外にもマンション・アパート経営など、さまざまな選択肢が考えられます。では、あえて土地活用の方法として商業施設を選んだ場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、収益性・トラブルのリスク・初期費用の3つの観点から、商業施設として土地活用するメリットを解説します。

1.立地によっては大きな収益を見込める

一般的に、商業施設の賃料は、マンション・アパートよりも高く設定できます。居住用の物件は、賃料が相場よりも高ければ入居者が集まりにくくなりますが、商業施設は集客が見込める立地にあれば、居住用よりも高い賃料で借主が見つかりやすいためです。

人流の多い繁華街周辺、車の来店客が期待できる幹線道路沿い、多くの人が住む住宅地付近の土地なら高い賃料を設定でき、収益を大きくできるでしょう。

公共交通機関の利便性が悪いなどの理由でマンション・アパート経営が難しい土地は、商業施設として活用できないか検討してみてください。

2.トラブルの発生リスクが低い

商業施設に入居するのは、法人や個人事業主などビジネス目的のテナントのため、マンション・アパート経営にありがちな、入居者同士によるトラブルの発生リスクも低いでしょう。

もちろん、商業施設に入居しているテナントと来店客の間で、トラブルが発生する可能性はあります。しかし、その場合にトラブル対応をするのは、土地のオーナー様ではなくテナントです。

トラブル対応に追われる心配が少なく、管理が容易な点は、商業施設として土地活用する大きなメリットといえます。

3.やり方次第で初期費用を抑えられる

商業施設として土地活用する場合、「リースバック方式」や「事業用定期借地権方式」を採用することで、施設の建設に必要な初期費用を抑えられます。

リースバック方式とは、入居を希望するテナントから集めた建設協力金で建物を建て、その建物を使ってテナントが事業を行なう方法です。土地のオーナー様が建設費用を負担する必要はありません。ただし、建設協力金は賃料と相殺するかたちで返済する必要があります。

事業用定期借地権方式とは、商業施設を建てずに土地のまま貸し出し、借主から地代や保証金を受け取る方法です。初期費用の負担が不要となる一方、中途解約ができないため、短期での活用には向きません。逆に、長期での活用をしたい方には検討の余地があります。

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商業施設で土地活用を成功させるための3つのポイント

商業施設で土地活用する場合、どのようなポイントに気を付ければよいのでしょうか。成功の秘訣として、地域の需要・テナントの質・専門業者の3つの観点から解説します。

1.地域の需要にマッチする施設を建てる

先述のとおり、商業施設にはショッピングセンターやオフィスビルなど、さまざまな種類があります。土地活用を成功させるには、周辺の環境や競合施設を調査したうえで、地域の需要に合う施設を建てることが大切です。

例えば、駅近の立地なら商業ビルやビジネスホテル、幹線道路沿いの土地ならロードサイド店舗やショッピングセンターが適しています。

地域の需要に対し、競合する施設の数が少ないようであれば、さらにチャンスをつかみやすいはずです。

地域の需要を見極める際は、市場調査の結果だけでなく、過去の成功事例に照らし合わせて判断すると精度を高められます。そのため、豊富な土地活用の事例を持つ専門業者の協力を得ることは、成功への近道となるでしょう。

また、商業施設以外の土地活用法を検討してみることも大事です。商業施設にこだわらず、自身の意向や土地の特性にマッチする活用方法を探してみましょう。

2.質の良いテナントを確保する

商業施設で土地活用する場合、どのようなテナントを入居させるかによって結果が大きく左右されます。入居したテナントの経営がうまくいかない場合、早期での撤退も考えられるでしょう。

空室が増えるほど、オーナー様が得られる賃料は少なくなってしまうため、質の良いテナントを確保しなければなりません。

優良テナントを見極めるには、テナントの事業内容や資本金、調査会社の評点などを必ず確認します。そのうえで、契約期間中にきちんと賃料を払い続けられるのかを判断しましょう。

集客力のあるチェーン店や、事業計画に見込みのあるテナントの誘致を徹底することが大切です。また、テナント撤退のリスクに備え、契約を中途解約された場合のペナルティも定めたほうがよいでしょう。

当然ながら、優良テナントの見極め以前に、テナント候補を自力で集めることが最初のハードルとなります。実績豊富な専門業者に協力してもらうことで、優良テナントをスムーズに誘致できるため、土地活用は成功しやすくなるはずです。

3.実績豊富な専門業者に協力してもらう

ここまで説明してきたとおり、土地活用は奥が深く、確認すべき点や判断すべき点が多くあるため、すべてを自身の力だけで進めるのは非常に困難です。

特に、施設の種類やテナントの選定は、複数の要素が絡み合うため難度が高いうえに、土地活用の結果に大きく影響します。

土地活用を成功させるためには、実績やネットワークが豊富な専門業者を選んでサポートしてもらいましょう。専門業者に相談すれば、商業施設以外の最適な土地活用法を提案してもらえる可能性もあります。

土地活用が初めての方は、活用方法の提案だけでなく、建物の設計・施工や入居者募集、経営サポートまで行なってくれる専門業者を選ぶとよいでしょう。

商業施設の建設資金の調達方法は3種類

商業施設で土地活用する場合、気になるのは資金の調達方法でしょう。

資金のおもな調達方法は、全額自己負担、建設協力金、事業用定期借地権方式の3種類です。この3種類について、それぞれ概要を解説します。

1.全額自己負担する(一般的な建物賃貸借)

建設費用を土地のオーナー様が、金融機関から融資を受けるなどして、全額自己負担して商業施設を建て、入居したテナントから賃料をもらう方法です。

各テナントと個別に建物賃貸借契約を結び、賃料や共益費、敷金、中途解約などの条項を定めます。商業施設の場合、建設費用は数千万円から数十億円規模になるのが一般的です。

この方法では建設後にテナントを募るため、どのようなテナントを入れたいのかを考慮した設計にしなければ、誘致が難しくなってしまいます。そのため、店舗区画の配置や間取り、広さ、設備を含めた、最適な事業・建築計画を練る必要があるでしょう。

2.テナントから建設協力金をもらう(リースバック)

土地の利用を希望するテナントから建設協力金を集め、それをもとにテナントの希望どおりの建物を建てる方法を「リースバック」といいます。

リースバックなら、土地のオーナー様が建物の名義を持てるうえに、建設費用のために金融機関から融資を受ける必要もありません。また、テナントの入居が確定したうえで建設を進められる点もメリットです。

ただし、賃貸契約の開始後、集めた建設協力金は保証金という名目に変更され、月々の賃料と相殺されるかたちで返済することになります。

3.土地の借主に建築費を負担してもらう(事業用定期借地権方式)

事業用定期借地権方式とは、商業施設の建設を行なわず、土地のまま事業者に貸し出す方法です。土地のオーナー様は、借主から受け取る地代や保証金を収益にできます。

事業用定期借地権方式の場合、建物は借主負担で建設するため、初期費用がかからない点がメリットです。また、契約期間満了後は土地を更地の状態で返してもらえます。

デメリットは、建設費用を負担できるだけの資金力のある借主を探すのが難しい点です。なお、事業用定期借地権の契約期間は10年以上50年未満と定められており、契約期間中の土地の転用・売却はできません。

まとめ

商業施設で土地活用を成功させるには、綿密な市場調査を行ない、地域の需要にマッチする施設を建てる必要があります。

また、空室リスクを最小限にするため、質の良いテナントを誘致することも重要なポイントです。商業施設の建設費用は、オーナー様の自己負担か、リースバック、事業用定期借地権方式によってまかなうことになるでしょう。

ただし、商業施設による土地活用は規模が大きく複雑なため、オーナー様のみの力で行なうには難しい局面もあります。

また、オーナー様のご意向や土地の特性によっては、1階か低層階に商業テナントを誘致し、上層階には住居とする複合ビルにするなど、様々な活用方法が考えられるでしょう。

そのため、あらゆる視点から総合的に判断し、どのような活用が適しているかを見極められる専門業者のサポートが必要です。

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