コインランドリー経営で儲かるポイントや初期費用・メリット・デメリットについて解説
コインランドリー経営を検討するうえで、「実際に儲かるのか」「どのようなメリット・デメリットがあるのか」という疑問をお持ちのオーナー様も多いのではないでしょうか。コインランドリー経営はランニングコストが低いため、利回りが比較的高く、運営次第では儲かる土地活用といえます。
また、人件費が基本的にかからないなどメリットは複数あり、デメリットと併せて把握することで、スムーズなコインランドリー経営を実現しやすくなるでしょう。
今回は、コインランドリー経営の特徴や4つの経営方法、メリット・デメリット、失敗を防ぐポイントを解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
なお、本記事では、人通りが多い立地の賃貸マンションなどを所有しているオーナー様向けに、1階のテナントスペースでコインランドリーを経営する参考として解説します。そのため、初期費用には「コインランドリーの店舗を建てる建設費用」が含まれておりません。
この記事の目次
コインランドリー経営のメリットとは?
土地活用のなかでも、コインランドリーは儲かる経営手法の一つといえます。理由として、以下3つの特徴が関係します。
・ランニングコストが低い
・10~15%程度の高利回り
・節税効果が期待できる
ここからは、コインランドリー経営の3つの特徴を紹介するので、土地活用を検討しているオーナー様はぜひ参考にしてください。
ランニングコストが低い
そもそもコインランドリー経営とは、コインランドリー業者へのテナント提供による家賃収入、もしくは洗濯機や乾燥機などの機器の利用料で収入を得る経営手法です。
機器の利用料で収入を得る方法の場合は、ランニングコストを抑えやすいという特徴があります。なぜなら、コインランドリーのランニングコストは、水道光熱費や洗剤代などがメインのためです。
また、洗剤や柔軟剤などの消耗品の在庫は、1~2ヵ月分抱えておくだけでよいことも、ランニングコストを抑えるポイントといえるでしょう。
10~15%程度の高利回り
建物の建設費用を含まない場合、コインランドリー経営の利回りは、10~15%程度と高い傾向です。というのも、ランニングコストが低いことで事業継続にかかるコスト全体の削減にもつながり、利回りを得やすいためです。
住宅街に不動産を所有しているなど、コインランドリー経営の需要が高い立地の場合は、15%以上の利回りを得られる可能性もあります。
節税効果が期待できる
中小事業者で一定の条件に当てはまれば、税制優遇措置を適用できることもコインランドリー経営の特徴です。節税効果のある措置としては、おもに以下が挙げられます。
措置項目 | 内容 |
---|---|
小規模宅地等の特例 | 特定事業用宅地等に該当する場合、相続した土地の400平方メートルを限度面積に、相続税を算出するもととなる土地の評価額が最大80%減額される |
中小企業投資促進税制 | 資本金3,000万円以下の中小企業が一定の設備投資を行なった際、30%の特別償却、もしくは7%の税額控除(※)が選べる ※資本金が3,000万円を超える場合、税額控除は適用不可 |
中小企業経営強化税制 | 中小企業等経営強化法に規定される「経営力向上計画」に基づき、新たな設備を取得し指定事業に利用することで、即時償却、もしくは最大10%の税額控除が選べる |
上表の措置をうまく適用すれば、節税効果を最大化させながらコインランドリー経営ができるでしょう。
コインランドリー経営で土地活用!メリットは4つ
コインランドリー経営で土地活用を行なうメリットを、以下に4つ挙げます。
・人件費がかからない
・人的トラブルが少ない
・景気の影響を受けにくい
・在庫リスクがない
人件費がかからない、景気の影響を受けにくいなどは、土地活用を検討しているオーナー様にとって特に大きなメリットといえます。さっそく詳しく確認していきましょう。
人件費がかからない
コインランドリーでは、基本的に利用者がセルフサービスで設備を使うため、常駐スタッフの人件費がかかりません。仮に人件費がかかるとすれば、店舗の床や設備を定期的に掃除する清掃スタッフを雇用した場合です。
清掃業務は、アルバイト雇用やパート雇用で問題ないため、月々の人件費をしっかり抑えながら運営が可能です。
人的トラブルが少ない
常駐スタッフが不要なコインランドリー経営では、接客対応などで利用者とトラブルが発生するリスクがありません。利用者同士も一時的な滞在のため、トラブルに発展する可能性は低いといえるでしょう。
人的なトラブルが少ない一方、洗濯機や両替機の故障など、機器のトラブルが発生した場合は対処が必要です。ただし、運営を専門業者に任せる「委託運営」の場合は、機器トラブルに関する対応も業者に任せられます。
景気の影響を受けにくい
洗濯は日常生活に不可欠な行為のため、コインランドリーは景気の影響を受けにくいというメリットがあります。また、コインランドリー利用者はリピート率が高い傾向にあることもポイントです。
リピート率が高い理由は、共働き世帯が増えたことなどを背景に、週末にまとめて衣類の洗濯・乾燥を終わらせたいというニーズがあるためです。家庭用の洗濯機よりも、コインランドリーの大型の洗濯機のほうがまとめて洗えることから、一定の固定客が見込めるでしょう。
在庫リスクがない
コインランドリーは、利用者が衣類の洗濯・乾燥をセルフで行なうため、一般的な小売業のように商品を仕入れる必要がありません。在庫を抱えすぎることで経営状況が悪化するというリスクがない点は、メリットといえます。
初期設備を自身で導入する場合は、基本的な設備に関する初期費用がかかりますが、開業後は在庫リスクがなく、収益の安定性が期待できます。
コインランドリー経営にはデメリットもある
メリットが豊富にある一方、コインランドリー経営には以下のようなデメリットもあります。
・初期費用が高め
・ライバル店舗が増えやすい
・セキュリティ対策が必要
コインランドリーを経営するうえで、デメリットの詳しい内容について把握しておきましょう。
初期費用が高め
コインランドリー経営にかかる初期費用は2,300万~3,400万円程度で、建物の建築費用を含まない場合も高めの傾向です。初期費用の内訳として、以下に目安金額を示します。
・洗濯機や乾燥機などの購入費:1,500万~2,200万円
・内装工事費:600万~900万円
・外装工事費:200万~300万円
コインランドリーの規模によって金額は異なりますが、初期費用が多くかかる点は留意しておかなければなりません。
ライバル店舗が増えやすい
コインランドリー経営は、開業にあたって専門資格が必要ないため、参入障壁が低いのが特徴です。そのため、自身が所有するコインランドリー店舗の周辺エリアに、ライバル店舗が出店した場合は、売上が落ちるおそれもあります。
一般的に、コインランドリーの商圏は半径2キロメートル圏内とされているため、ライバル店舗に既存顧客を取られないよう、差別化の工夫は必須といえるでしょう。
セキュリティ対策が必要
コインランドリー経営では、基本的に常駐スタッフを配置しないため、両替機の窃盗や洗濯物の盗難が発生するリスクがあります。それらの犯罪行為を防ぐためにも、防犯カメラの設置などのセキュリティ対策は不可欠でしょう。
しかし、防犯カメラの設置による利点も複数あります。例えば、防犯目的で定期的に巡回する必要がなくなるうえ、利用者同士でトラブルが発生した場合も、客観的な証拠として映像を問題解決に利用できます。
コインランドリー経営の方法はおもに4種類
コインランドリーの経営方法は、大きく4つに分かれています。
・賃貸経営
・委託運営
・フランチャイズ運営
・自社運営
コインランドリー経営としておすすめなのは、初期費用などをオーナー様が負担せずに済む賃貸経営です。併せて、その他3つの経営方法の特徴についても、以下で詳しく見ていきましょう。
賃貸経営
賃貸経営とは、賃貸マンションなどの1階テナントスペースを提供して、コインランドリー業者に出店してもらう方法です。テナントが一度出店すれば、長期間の賃貸契約になりやすいため、家賃収入を安定的に確保できることがポイントといえるでしょう。
また、その他の経営方法のように、設備導入にかかる初期費用の負担や、店舗の管理をオーナー様が行なわずに済むという利点もあります。
坪数・家賃の目安として、東京都内のコインランドリー店舗を例に挙げると、坪数は8~15坪程度、家賃は8,000円~1万2,000円/坪程度です。ただし、周辺地域の家賃相場やコインランドリーの市場性などのバランスで変動する可能性はあります。
委託運営
委託運営とは、コインランドリー経営で必要な設備を用意したうえで、運営を専門業者へ任せる方法のことです。運営に関するオーナー様自身の負担を減らせるため、不動産投資の対象として、コインランドリー経営をスタートしたい場合に適しているといえます。
委託運営であれば、施設内のゴミ捨てや乾燥機の清掃などの日常業務、利用者からの問い合わせ対応なども業者へ委託可能です。運営に関わる時間と手間を抑えられるため、本業やプライベートの時間をしっかりと確保できるでしょう。
フランチャイズ運営
フランチャイズ運営とは、専門業者からノウハウを教えてもらえるフランチャイズサービスに加盟して運営する方法を指します。加盟料が発生する一方、以下のようなメリットが見込めます。
・すでに知名度のある業者の看板を使える
・導入設備の仕入れ先を紹介してもらえる
・立地調査をしてもらえる
ただし、フランチャイズサービスに加盟する際は、のちのトラブルを防ぐためにも、契約期間や違約金の内容を事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
自社運営
自社運営とは、コインランドリー経営で必要となる設備導入の手続きを、自身で行なって運営をスタートさせる方法です。コインランドリー店舗のコンセプトやレイアウトなどを、自身でトータルコーディネートできる点が特徴です。
ただし、初期費用をオーナー様が自己負担しなければならないうえ、赤字になった場合のリスクが大きい点には注意しましょう。また、自社運営では、利用者を増やすためにターゲット層に向けた効果的な宣伝も必要です。
フランチャイズ加盟料などが発生しない分、ほかの経営方法に比べると収益性は高い一方、経営ノウハウなしでは難度が高めでしょう。
コインランドリー経営の始め方
土地活用としてコインランドリー経営を始めるには、以下3つのステップで行動する必要があります。
1.専門業者へ相談する
2.経営方法を選択
3.行政へ届け出て経営スタート
ここからは、コインランドリー経営を実現させるまでの流れについて解説します。
1.専門業者へ相談する
まずは、コインランドリー経営のノウハウを持つ業者へ相談することから始めましょう。コインランドリーの出店を検討している地域の市場調査や、経営プランの作成などを専門業者が実施してくれます。
その際、人通りの多い好立地の不動産を所有しており、なおかつ家賃で収益を得たいというオーナー様はステップ2へ進まずに、出店テナントを募集するとよいでしょう。
2.経営方法を選択
次に、賃貸経営や委託運営などから、オーナー様に適した経営方法を選びましょう。経営方法を選んだあとは、業者が作成した費用見積もりを確認し、内容に問題がなければ契約を結びます。
契約を締結後、コインランドリー店舗の内装工事や設備導入が開始されます。
3.行政へ届け出て経営スタート
コインランドリー経営を始める際は、地域を管轄する保健所へ以下2点の届け出をしなければなりません。
・コインオペレーションクリーニング営業施設開設届
・コインオペレーション営業施設概要
管轄の保健所によっては、営業施設概要の提出が不要なケースもあります。ただし、構造設備の寸法や配置などが細かく記入された「平面図」の提出は必須です。
オーナー様自身で届け出るのが難しい場合は、専門業者に代行してもらえるのが一般的です。
コインランドリー経営をする際の2つのポイント
コインランドリー経営で安定的な収益を生むためには、失敗を防ぐポイントである以下2点を押さえておきましょう。
・経営に向いている土地か事前にチェックする
・サービス内容を差別化する
ここでは、コインランドリー経営の失敗を防ぐ2つのポイントについて紹介します。
経営に向いている土地か事前にチェックする
コインランドリー経営に向いている土地か、以下の条件を目安として、事前にチェックしておくことが大切です。