京都でおすすめの土地活用方法とは?注意点と地域の特徴も紹介
京都府内、特に京都市内で土地活用する場合、どのような活用方法が向いているか、どのような点に注意するべきかを、あらかじめ押さえておきたいオーナー様も多いのではないでしょうか。
京都府は南北に長く、京都市と京都府北部・南部では人口も風土も異なるため、土地活用したい場所の地域性を考慮することが重要です。
京都は国内有数の観光都市で、古都の景観を守るために、高さ制限など独自の建築基準があります。
また、市内に38もの大学を抱え、人口の1割を大学生が占める「学生の街」としても知られており、賃貸の需要に独特の背景を抱えています。このように、土地活用では注意すべきポイントの多い地域といえるでしょう。
この記事では京都市を中心に、京都の特徴を解説しながら、おすすめの土地活用方法と、注意すべきポイントを紹介します。
土地活用の前にチェックしたい京都の特徴
初めに、土地活用を検討する際にチェックしておきたい、京都の特徴について紹介しましょう。
京都府の概要
日本のほぼ中心に位置する京都府は、南部が奈良県や大阪府、北部が日本海に接する、南北に細長い形をしています。南部は、大阪をはじめとした周辺都市と交通の便が良いことから、人の動きが激しい地域で、特に京都市は人流が集中しやすくなっています。
人口分布にも同様の特徴がみられます。府全体の人口は約255万人で、そのうち約57%(約145万人)が京都市に密集(※)しており、京都市と周辺地域の人口密度の差が開いています。
参考:
京都府 政策企画部 企画統計課のサイト 京都府推計人口
令和4年9月1日現在の市区町村別推計人口(エクセルファイル25KB)
このように京都府では、京都市と周辺地域、京都府北部と南部などで、異なった環境や人口分布を持っているため、土地活用の際には地域性を考慮する必要があります。
土地活用に生かしたい京都市の特徴
京都での土地活用を考える場合、現在の京都市の特徴を把握しておくことで、土地活用の成功につながります。
コロナ禍の影響で人口減?
京都府の人口の約57%が集まる京都市では、2022年(令和4年)1月時点の人口が、前年より1万1,900人あまり減少しました。
これは、コロナ禍が大きな原因の一つになっているといわれています。というのも、京都市は京都大学や同志社大学など、38もの大学を抱え、本来は人口の1割を大学生が占める「学生の街」という側面を持つ都市です。
しかし、コロナ禍で通学の機会が減少し、下宿せずに実家から通学する学生が増えたことや、入国制限で留学生が激減したことが、大幅な人口減少の要因となっていると考えられます。
今後、対面授業が本格的に復活し入国制限も緩和されれば、学生・留学生が京都市に戻ることが期待できるでしょう。
なお、新型コロナウイルスとの直接的な関連はありませんが、他の大都市と比較すると、京都市は高齢化が顕著な都市で、人口減につながりやすい背景があります。さらに、大学卒業後の受け皿になる企業の少なさや地価の高騰などから、若者世代の流出も顕著です。
景観を守るための規制が厳しい京都市の特徴
京都市は三方を山に囲まれた盆地で、自然の景色や歴史資産、風情ある市街地に配慮した「新景観政策」が行なわれています。建物の高さ・建物などのデザイン・眺望景観や借景・歴史的な町並み・屋外広告物といった5つのポイントが規制の対象です。
特に建物の高さに関する規制が細かく、地区によって10メートルから31メートルまで6段階の高さ制限が設けられています。
このような規制により、もともと京都市では市街地に高層マンションが建設しにくい背景があります。
また近年、京都市ではホテル建設が相次いでいます。さらに京都市が上質で魅力ある宿泊施設を積極的に誘致する「京都市上質宿泊施設誘致制度」を創設したことから、インバウンド復活を見越した土地活用としては、高層マンションよりもホテル建設が注目されているのが現状です。
京都市以外で土地活用はできる?
京都市の土地活用では、人口減少や「新景観政策」など特有の背景を考慮する必要があります。では、京都市以外の京都府北部・南部で、土地活用の可能性はあるのでしょうか。
京都府北部
京都府北部は、山間部や高原、海岸など、自然に恵まれた地域です。一方で、過疎化や人口減少、高齢化問題を抱えており、土地活用の可能性としては、介護施設や移住者への定期借地などが挙げられます。
京都府南部
京都府南部は、京都市の周辺地域として、賃貸住宅などの需要があるでしょう。今後も新名神高速道路の開通にともない、エリアによっては交流人口(居住者以外でその地域に訪れる人々のこと)の増加が見込まれます。マンションやアパートだけでなく、商業施設などでの土地活用は、十分に考えられるでしょう。
京都でおすすめの土地活用方法7選
京都では、次のような7つの土地活用がおすすめです。
①ホテル・民泊などの宿泊施設
②学生向け賃貸アパート・寮
③賃貸マンション・アパート
④介護施設・介護サービス事業所
⑤商業施設
⑥定期借地
⑦駐車場・駐輪場
ここからは、京都府でおすすめの土地活用を紹介します。
ホテル・民泊などの宿泊施設
京都市は「観光立国」の中心になる観光都市です。アフターコロナの観光需要に対応する事業として、ホテルや民泊など、宿泊施設としての土地活用が注目されています。入国制限の緩和によるインバウンドの回復や、国内での需要も期待できるでしょう。
近年、京都市では高級ホテルの開業が続いているため、リーズナブルな宿泊施設が少ないエリアなら、空き家などを活用した民泊もおすすめです。観光地に近い立地であれば、高い需要が見込めます。
学生向け賃貸アパート・寮
アフターコロナを見据えた、「学生の街・京都」ならではの土地活用です。大学での対面授業が本格的に復活し、入国制限も緩和されつつあるため、今後は大学生や留学生の人口が以前の水準に戻ることが期待されます。
学生向けの賃貸アパートや寮は「家賃滞納の可能性が低い」「ワンルームの間取りで部屋数を増やせる」などのメリットが多い土地活用です。一度入居すると、在学中は入居が見込めるほか、退去の時期もはっきりしているため、毎年新入生向けに入居者募集がしやすい点も魅力的でしょう。
賃貸マンション・アパート
京都市は建築物の高さ規制により、高層マンションが立てにくい背景がありますが、賃貸マンション・アパートの需要がないわけではありません。
例えば、近年のホテル建設ラッシュにより、そこで働く従業員向けの単身者用マンションなどは、需要が高まっていると考えられます。
また、インバウンドの回復にともない、観光業の分野で働く外国人居住者も増加するとみられており、賃貸住宅の需要拡大が期待されています。
介護施設・介護サービス事業所
高齢化が著しい京都市で、民間施設として介護施設を建てる場合は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)がおすすめです。「新景観政策」で大規模な施設が作りにくい地域なら、介護サービス事業所として活用する方法もあります。
介護施設や介護サービス事業所などの土地活用は、社会貢献度が高く、介護事業者に一括で借上げしてもらう方式となり、安定した運営が見込めるでしょう。
有料老人ホームでは一定規模以上の土地・建物が必要ですが、サ高住ではやや小規模の土地・建物でも活用できます。これらは住居系の建築物に該当し、相続税の軽減措置の対象となるため節税対策としても有効です。また、介護サービス事業所なら、一般住宅程度の規模でも活用できます。
商業施設
観光都市としてアフターコロナの観光客増加に期待するなら、コンビニやドラッグストア、飲食チェーン店などの出店や、複数のテナントが入居できる「テナントビル」の建設も考えられます。
商業施設の賃料相場は、住居系賃貸よりも高めに設定されているのが特徴です。事業形態も、建物ごと一括で貸し付けたり、土地だけを定期借地にしたりするなどの方法があります。
商業施設は地域の活性化につながり、社会貢献にもなりますが、人通りの多い道路沿いなど、商売に適した立地でないと高収益は見込めないかもしれません。商業施設が建設可能な土地かどうかなども、あらかじめチェックしておきましょう。
定期借地
定期借地とは、店舗や賃貸住宅などの運営事業者に、土地を長期貸し出しする方法です。契約期間があらかじめ決まっているため、契約満了後に土地が返ってこないなどの心配がありません。
また、土地を未活用のまま相続するよりも、宅地として定期借地するほうが相続税対策になる場合があります。先祖代々の土地を売却しにくいという場合でも、契約満了時に土地を確実に残せる定期借地なら、安心して土地活用を始められるでしょう。
土地を貸すだけなので、建築費用などの初期投資なしで収益化できる点もメリットです。ただし、事業用では最低10年、住居系建物では30~50年の長期契約になり、その間は土地を他用途に転用できないデメリットがあります。
駐車場・駐輪場
京都市は観光都市ゆえに駐車場の需要が大きいため、コインパーキングや月極駐車場、自転車やバイク専用の駐輪場としての活用方法もおすすめです。
初期投資にかかる費用を抑えられるほか、狭小地・変形地でも設置できる可能性があります。また、一度駐車場にしたあとに、ほかの土地活用法に転用しやすい点もメリットの一つです。
経営方式として、コインパーキングでは、土地賃貸方式(業者に土地だけ貸す)や自己経営方式(オーナー様が駐車場を整備し、運営や管理を業者に委託)があります。
また、月極駐車場では管理委託方式(業者に管理・募集を委託)や一括借上げ方式(駐車場すべてを一括して業者に貸す)といった方式があります。
収益性が低く、大規模な土地には向かないなどのデメリットはありますが、観光地に近いなどニーズが見込める立地であれば、十分、土地活用の選択肢になるでしょう。
京都で土地活用を検討する際の3つのポイント
京都での土地活用は、以下3つのポイントに注意しましょう。
①土地の用途地域や建築制限を調べる
②周辺地域のニーズを押さえる
③経験豊富な複数の業者に相談する
ここからは、京都で土地活用を考える際に注意しておきたいポイントを、それぞれ解説します。
所有地の用途地域や建築制限など調べておく
所有している土地だからといって、どのような建物でも好きなように建てられるわけではありません。活用予定地の用途地域や建築上の制限などについて、あらかじめ調査しておきましょう。
用途地域とは、エリアごとに建築できる建物の種類などが定められている制度のことで、大きく分けると「住居系」「商業系」「工業系」に分類されます。
特に京都市で土地活用を考える場合は、「新景観政策」などさまざまな規制があるため、注意が必要です。
周辺地域のニーズを押さえる
土地活用を考える場合は、自身の意向だけで安易に決めるのは避け、周辺地域のニーズを考慮しましょう。ニーズに合っていない土地活用を行なうと、思うような利益につながりにくいためです。
観光地が近い狭小地ならコインパーキング、高齢化が進む地域では介護福祉施設というように、地域環境や特性を把握し、その土地に適した活用方法を選択することが大切です。
経験豊富な複数の業者に相談する
土地活用を成功させるには、活用予定地の事情に詳しい、信頼できる土地活用専門の業者との二人三脚が必要になります。信頼できる業者を選ぶためには、まず複数の業者に相談することが大切です。複数の業者からの提案を比較することで、最適なプランを見つけられるでしょう。
また、複数の業者に相談することで、土地活用の相場がわかるようになるため、安値で買い叩こうとする悪質な業者にも気付きやすくなり、トラブルを防げます。
経験豊富かどうかは、ホームページや資料請求などで、事業内容や過去の事例、事業年数などをチェックするとよいでしょう。
まとめ
京都は日本の中心的な観光都市で、アフターコロナではインバウンドの回復や国内旅行の増加が見込まれるほか、学生の街としての側面もあります。京都での土地活用を成功させるには、これらの地域性を考慮することが重要です。
生和コーポレーションは土地活用一筋52年、多くの実績・ノウハウを持つ土地活用の専門企業です。賃貸マンションから商業ビル、駐車場など、幅広い土地活用に関わってきた実績から、活用予定地にどのような方法が向いているか、地域の特性やニーズを見据えてご提案します。
土地活用のご相談やプランニングは無料で行なっておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。