土地活用に必要な資金と自分にあったローンの選び方
土地活用をする際、オーナー様が第一に心がけなければいけないのは収支と支出のバランスを考えた収支計画です。しかし、必ずしも借入金が少なければ少ないほど良い、というわけではありません。土地活用の目的によっては、借入金が多い方が有利だったり、自己資金が多い方が有利だったりすることもあるのです。そして、それらのバランスと活用目的の組み合わせによって、お得に土地活用ができる方法はいくつか存在します。
自己資金と借入金のバランスは目的によって異なる
例えば「相続税対策目的で賃貸経営をする」場合は「自己資金は少なく、借入金は多い」方が有利と言われています。その理由は、元利均等返済の場合、元金が長期にわたって残る為、財産を相続した際に多額の債務控除ができるからです。また生活資金を目的として賃貸経営をする場合は、自己資金を多く、借入金は少なくすることで効果的な節税をすることができます。返済が長引かず、家賃を収入源にする事が可能になるからです。借入金の返済期間が長期か短期かによって、節税のプランは大きく変わってきます。
以前は25年~30年といった長期にわたる事業計画が一般的でしたが、土地活用のニーズが多様化した現在では、返済期間を短めに設定するプランも増えてきています。自己資金と借入金のバランスをきちんと計算し、土地活用の目的との相性を吟味した上での計画が必要となります。
アパートローンという選択肢
また、土地活用をするにあたり、土地はあっても自己資金はないという人は多く存在します。そんな人におすすめなのは、アパートやマンション経営などで土地活用をする人に向いている「アパートローン」という種類のローンです。
アパートローンとは、マンションやアパートの所有を考えている人を対象に金融機関などが用意しているローン商品のことです。所有する土地や建物を担保として貸し付けるローンのため、土地を活用してアパート経営を始める人はもちろんのこと、それ以外に新築、中古のアパート物件を購入する人や、所有するアパートのリフォームや補修をする人など、幅広いケースが対象に含まれています。
アパートローンの大きなメリットは、自分のペースにあった返済プランを立てる事ができるということです。具体的には「固定金利」か「変動金利」を選択できたり、団体信用保険に無料で加入できたりします。また、金融機関によって対応も様々なので、大抵の場合は、自分に合ったプランで応対してくれる金融機関があります。アパートローンは一般銀行、信託銀行、信用金庫、農協などの「民間金融機関」をはじめ、日本政策金融公庫、住宅金融支援機構、商工組合中央金庫などの「公的金融機関」でも取り扱っています。
アパートローンの審査について
アパートローンを利用する為には、金融機関からその土地の担保評価や建物から生み出す収益性、管理体制などの審査が必要となります。公的金融機関は制約が多いため、民間金融機関の方が融資に積極的と言われていますが、民間でも条件が厳しくないかと言われれば、必ずしもそうではありません。場合によっては収益性が高く、安定性が見込める物件でなければ融資が受けられない、ということもあるので注意が必要です。
土地活用は自分のライフプランに大きく関わる「お金の話」です。一気に大きなお金が動くため、慎重に動くことが大事です。時には不動産の専門家の意見を聞くことも大切です。しっかりと自分のライフプランを考えながら損のない運用が大切です。