配偶者は相続税の控除あり!税制優遇の条件とは?
土地や建物の所有者が亡くなったときには、通常は法定相続人でそれぞれ遺産分与を行い相続税が発生します 。法定相続人は被相続人の家族が主ですが、配偶者は必ず法定相続人になります。そのため、相続税には配偶者控除が設けられており、税制上手厚く優遇されています。ただし、配偶者控除を受けるには条件があるので注意 しなければなりません。一次相続で配偶者控除を受けられないケースが稀にあります。ここでは、遺産相続の際に受けられる配偶者控除の条件や税務署への申告期限、相続税の節税対策などについて解説します。
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1億6千万円と法定相続分
相続税の申告には期限があります。税務署に相続税の申告をする期限は被相続人が亡くなった日の翌日から10カ月以内です。たとえば1月10日に亡くなったときは、11月10日が期限になるので忘れないようにしましょう。申告期限を過ぎて申告をした場合や相続財産を隠蔽して申告した場合には、延滞税や加算税、重加算税が相続税に上乗せされる可能性があります。
しかし、被相続人が多くの資産を持っていた場合や家族でも把握できていない資産が見込まれる場合などは、総額を出すのに大変な時間がかかることも考えられます。相続する遺産の総額を正確に出すには、すべての資産を拾い出してから土地や建物などの評価額を出さなければなりません。建物の築年数や土地の形状、そして立地条件などさまざまな要素が絡んできます。それらを出していくには期限内で終わらないこともあるでしょう。
遺産分割協議が長引いて10カ月以内に終わらなかったときは、申告期限を延長してもらえる方法があります。期限内に申告できないようなやむを得ない事情がある場合には「申告期限後3年以内の分割見込書」を税務署に提出しましょう。相続税の申告が3年以内まで延長できます。その後も何らかの事情で申告が無理なときには、ふたたび税務署にその旨を説明して相談しましょう。
配偶者控除の落とし穴
相続税の配偶者控除を間違えて理解していると、2次相続などで思わぬ落とし穴におちいることがあります。「相続税をタダにするために配偶者控除を目いっぱい活用しよう」といった目先の利益最優先の節税対策をする場合です。こうしたケースでは、配偶者の相続税は非課税になるものの、本来利用できる基礎控除のメリットをムダにしているといえるでしょう。
配偶者が亡くなったときには、残された子どもだけで遺産分与を行います。これを二次相続といいます。当然ながら二次相続には配偶者控除は使えません。配偶者が非課税で相続した遺産から、子どもなどの 基礎控除額の合計を 引いた額が相続税の課税対象となります。最初の相続のときに、基礎控除と配偶者控除の両方をうまく活用していれば、二次相続のときの子どもの負担はかなり軽減されていたでしょう。配偶者控除で相続した遺産が大きいほど、子どもに継承される遺産も大きくなり、その結果子どもが支払う相続税も大きくなるからです。
配偶者控除を考える前に、まず遺産総額を正確に算出し、そこから子どもなどの基礎 控除額を引いてみましょう。残った金額を100%配偶者控除にするのかしないのかは、二次相続も念頭に置きながら判断することが大切です。
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重要なのは家族構成
二次相続の相続税をできるだけ抑えて得な納税をするには、一次相続のときに配偶者控除をどう活用するかで変わってきます。配偶者は遺産の半分を相続するということに変わりはありません。そのため、二次相続では子どもなどの家族構成も重要なポイントになります。
二次相続での相続税を少しでも抑えるために、一次相続の後で少しずつ資産を分割しておく方法もあります。生前贈与を利用すれば、年間1人当たり110万円までなら非課税での贈与が可能です。一次相続で配偶者控除を使った後は、配偶者が子どもに対してこの生前贈与を活用して少しずつ資産を分与しておけば相続税の節税ができます。また、子どもの住居購入費を負担してあげるという方法もあります。住居購入費などの贈与には金額の上限のほか住居の種類など、要件はいくつか設けられていますが、父母や祖父母などから住居購入費として贈与された金額に対しては課税されない場合があります。こうした制度を上手に活用することで、二次相続も相続税を抑えることは十分可能です。
わからないことは専門家に相談を
相続税はやり方によって得をすることも損をすることもあります。一次相続の段階で二次相続までを念頭に置きながら準備しておくことが、失敗しないためには何よりも必要です。生前贈与や住居購入費の贈与のほかにも、相続税の節税方法はいくつか考えられます。活用できる土地がある場合には特例が受けられるように、賃貸住宅や駐車場などに分割して持つのもいい方法です。しかし、一番注意したいのは制度や仕組みを間違って理解し、誤用してしまうことです。遺産相続をうまく乗り切るために、専門家に相談して早めに節税対策をとっておくといいでしょう。
よくあるご質問
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