アパート経営の年収・収入はいくら?収入と支出の内訳やキャッシュフローを増やすコツ
土地活用のためにアパート経営を検討するなかで、「どのくらいの収入が見込めるのか?」「収入を増やすには具体的にどうすれば良いのか?」など、収入について気になっている方もいるのではないでしょうか。
アパート経営のおおまかな収入のイメージをつかむには、国税庁が調査した平均不動産所得の金額や、所得金額別の割合などを参考にするのがおすすめです。また、キャッシュフローを増やすには「入居率を安定させる」「経費を減らす」「長期的な経営計画を立てる」という3つのコツがあります。
この記事では、国税庁の調査結果について紹介し、アパート経営の収支の内訳や、キャッシュフローを増やすコツについて詳しく解説します。
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この記事の目次
アパート経営の平均年収・収入はいくら?
まずは、アパート経営の収入について、参考となるデータを見てみましょう。国税庁の「令和3年分申告所得税標本調査結果」によると、2021年(令和3年)分の平均不動産所得は約542万7,000円でした。
不動産所得を申告した納税者は約105万5,000人で、そのうち300万円超500万円以下が24.0%と最も多く、次いで500万円超1,000万円以下が23.2%を占めています。
不動産所得とは、土地や建物などの不動産の貸し付けによって得られる収入から、必要経費を差し引いた金額です。
この調査結果は、アパートだけでなく土地やマンションの貸し付けによる所得も含まれており、アパート経営の平均所得を正確に示すものではありません。そのため、収入をイメージするための大まかな参考数値としてとらえるとよいでしょう。
アパート経営で得られるおもな5つの収入内訳
アパート経営で得られる収入の参考データを把握したところで、この収入の内訳を確認していきましょう。
アパート経営における収入の内訳は、おもに次の5種類です。
・家賃
・管理費・共益費
・駐車場代
・礼金
・更新料
ここでは、それぞれの概要について解説します。
アパート経営の収入についてもっと詳しく知りたい場合は、こちらの関連記事もぜひご覧ください。
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アパート経営は儲かる?キャッシュフロー例や儲かるポイントを徹底解説
家賃
アパート経営で得られる収入の大部分を占めるのは、入居者から支払われる家賃です。家賃は、立地や間取り、築年数などのさまざまな条件によって、ある程度の相場が決まっています。
基本的に、築年数が増加するにつれて家賃の相場は下がるケースが多いですが、インフレなどの社会情勢によっては下がる一方とは限りません。周囲の環境の変化によっても、変動する可能性があります。
管理費・共益費
家賃とともに毎月入居者から受け取る費用として、管理費や共益費があります。アパートのエレベーターや階段、廊下などの共用部分を維持管理するための費用で、家賃の5~10%が相場とされています。
管理会社との契約によっては管理費と共益費をまとめるケースや、最初から家賃に含めるケースなど、受け取る形はさまざまです。
駐車場代
アパートに駐車場がある場合は、家賃と併せて駐車場代も受け取ることになります。車を利用する人が少ない都心部と車を利用する人が多い地方では、アパートにおける駐車場の必要性は異なります。
アパートに駐車場を設置するかどうかは、地域の交通事情などを考慮して決めましょう。
礼金
礼金とは、賃貸契約時に入居者からオーナー様に支払われる謝礼金のことです。礼金は敷金とは異なり退去時に返金する必要がなく、そのままオーナー様の収入となります。相場は家賃の1~2ヵ月分ですが、近年は礼金を設定しないケースも増えています。
更新料
更新料とは、賃貸契約を更新する2年に一度などのタイミングで支払われる費用のことです。
更新料は根拠となる法律がなく、賃貸契約書に記載がない場合、入居者に支払う義務はありません。おもに東日本における商習慣で、西日本では設定しないケースが多いなど地域差があります。更新料の相場は家賃1~2ヵ月分ほどです。
アパート経営にかかるおもな5つの経費内訳
安定したアパート経営のためには、どのような支出が発生するのかを把握することも大切です。経費の内訳を知り、何がどのタイミングで発生するのかを理解すれば、経営計画を立てる際に役立つでしょう。
アパート経営における経費の内訳は、おもに次の5種類です。
・建物修繕費
・管理費
・仲介手数料
・保険料
・各種税金
ここでは、それぞれの概要について解説します。
なお、今回ご紹介するもの以外に、月々のランニングコストである融資の返済金なども存在します。アパート経営の経費についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの関連記事もぜひご覧ください。
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賃貸アパート経営に必要な初期費用とは?内訳や相場を解説
アパート経営のランニングコストはいくら?相場や内訳を解説
建物修繕費
建物を維持するためには、定期的な修繕が必要です。入居者の入れ替わりや約10~15年ごとの大規模修繕などのタイミングで、劣化した設備を修理・交換します。修繕費の目安は家賃収入の5~8%程度で、築年数が経つにつれて修繕費も増加する傾向があります。
管理費
共用部分の維持や備品の交換など、日々のアパートの管理にも費用がかかります。管理費の目安は家賃の5%ほどです。管理業務を管理会社に委託する方法もあり、その場合は管理委託費がかかります。
仲介手数料
不動産の仲介を行なう管理会社などを経由して入居者が決まった場合は、管理会社への仲介手数料を支払います。仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法で家賃の1ヵ月分と定められており、了承のうえで入居者が負担するケースもあります。
各種保険料
アパート経営では、火災や災害などの有事への備えとして各種保険料が必要です。アパート経営で加入するべきおもな保険には、火災保険と地震保険があります。
特に火災保険はさまざまなプランが用意されており、火災だけでなく水害・風害などの自然災害のほか、盗難・事故などの被害も補償範囲に含まれることが多くあります。
さまざまなリスクに備えるためにも、保険への加入を検討しましょう。
各種税金
アパート経営には、さまざまな税金がかかります。毎年支払う税金は、アパートの不動産所得に応じて課せられる所得税や住民税、アパートの資産価値に応じて課せられる固定資産税などです。
また、建物を建築した際には、不動産取得税が発生します。複雑な税金の申告については、税理士に相談するとよいでしょう。
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アパート経営で知っておきたい3種類の収支の考え方と計算方法
アパート経営を安定させるためには、お金の流れを正しく把握し、経営の状況を見極めることが重要です。アパート経営における収支の考え方には、次の3種類があります。
・NOI
・不動産所得
・キャッシュフロー
それぞれの意味や計算方法を正しく理解することで、見かけの収入だけでなく実際の収支やお金の流れを適切に把握し、経営計画に活かすことが可能です。
NOI
NOI(エヌオーアイ)とは、「Net Operating Income」の頭文字で、「実質的な運用益」という意味です。オーナー様の資金力に関わらず、物件そのものがもたらす収支を指します。
計算式は以下のとおりです。
NOI = 年間収入 - NOIの費用
NOIの費用とは、アパート運営のために実際に支払った費用のことで、先述した支出のなかでは管理費や仲介手数料、保険料、固定資産税などが該当します。なお、融資の金利や修繕費、実際の支出を伴わない減価償却費などは含まれません。
不動産所得
不動産所得は、年間収入から経費を差し引いたものです。確定申告の際に必要となる税務上の所得区分の一つであり、実際のお金の流れであるキャッシュフローとは意味合いが異なります。
計算式は以下のとおりです。
不動産所得 = NOI - 減価償却費
不動産所得の金額は、前述のNOI(年間収入 - NOIの費用)から、さらに会計上の費用である減価償却費を引くことで求められます。なお、融資の元本返済額は負債という扱いになるため、経費には含まれません。
キャッシュフロー
キャッシュフローとは、実際に手元に残るお金(手残り)のことです。会計上の数字である収益や、税額を算出するための数字である所得とは異なり、実際のお金の流れを示します。
計算式は以下のとおりです。
キャッシュフロー = NOI -(融資の元本返済額+税金)
キャッシュフローは前述のNOIから、融資の元本返済額と税金を引くことで求められます。経営計画を立てるうえでは、キャッシュフローを正しく把握して計画立案の指標とすることが重要です。
アパート経営で収支を増やすコツ3つ
アパート経営の目標には、キャッシュフローを増やすことが挙げられます。
アパート経営でキャッシュフローを増やすコツは、次の3つです。
・入居率を安定させる
・節税と経費削減で支出を減らす
・長期的な経営計画を立てる
それぞれ詳しく解説します。
アパート経営のキャッシュフローを増やすコツについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの関連記事もぜひご覧ください。
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家賃収入で生計を立てるやり方とは?収入を得るための流れ・仕組み
①入居率を安定させる
アパート経営の収入は、大部分を家賃収入に頼ることになります。また、入居者が入れ替わる際にもコストがかかるため、なるべく空室を出さずに入居率を安定させる工夫が必要です。
例えば、入居者がなるべく長く快適に暮らせるように、修繕や清掃をこまめに行ない設備を整える、入居者が集まりやすいように、相場と比べて高い場合は家賃や礼金を見直すなどの経営努力を心がけましょう。
②節税と経費削減で支出を減らす
部屋数と家賃の相場はある程度決まっているため、1棟のアパート経営で収入を増やすには限界があります。キャッシュフローを増やすためには、家賃収入を増やすだけでなく支出を減らすことも大切な観点です。
例えば、管理費や保険料の見直し、融資の借り換えなどを検討することで、経費削減が期待できます。また、アパート建設の際に税金対策に詳しい建築会社を選べば、減価償却費を有効に活用するなどの節税のアドバイスをもらえることもあります。
③長期的な経営計画を立てる
安定したアパート経営のためには、実際のお金の流れであるキャッシュフローを正確に把握し、より実態に近い数字に基づいた長期的な経営計画を立てることが大切です。将来的な家賃の変動や大規模修繕費、融資の返済額などを視野に入れ、現実的な収支を見極めましょう。
まとめ
国税庁の調査では、2021年(令和3年)分の平均不動産所得は約542万7,000円でした。アパート経営における正確なキャッシュフローを示すものではありませんが、参考値として知っておくとよいでしょう。
また、アパート経営における収支の考え方としては、NOI・不動産所得・キャッシュフローという指標があります。特に、キャッシュフローは実際に手元に残るお金であり、経営状況を把握するうえで重要な数字です。
入居率の安定や経費削減と併せて、正確なキャッシュフローに基づく長期的な経営計画を立てることで、所得を増やして安定した経営を目指しましょう。
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- 土地活用・不動産経営は初心者なのですが、どのように相談をおこなえばよいでしょうか?
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