【新築vs中古】アパート経営・マンション経営する際のメリットデメリット
アパート経営においても、マンション経営においても、実際に始めることを考えた際にまず心配なのは「購入価格」なのではないでしょうか。
貯金やローンの金額を考えれば、当然、比較的低価格で購入できる中古のほうが気になってきます。
しかし価格だけで中古に決めてしまっても良いものでしょうか?
新築物件と中古物件の違いを知り、それぞれのメリットとデメリットを考えてみましょう。
併せて、新築物件と中古物件を賃貸経営した場合の出口戦略やキャッシュフローの違いなどについても、しっかりと把握していきましょう。
こういった情報を比較し考察することで、ご自身の希望にふさわしい投資対象が見えてくるはずです。
この記事の目次
アパート経営・マンション経営を失敗しない為の選び方
不動産投資としてアパート経営・マンション経営を選択した場合に、失敗しないためのポイントを説明していきます。
立地
最も大切なことは空室の出にくい立地で、その土地周辺のニーズに合わせた間取り・設備の建物を選ぶことです。結果的に空室対策に煩わされずに済みます。
管理会社
管理会社の選択も重要です。細かいポイントとしては以下のように分かれます。
・手数料
管理会社に支払う手数料は一律ではありません。その他の条件とともに比較しましょう。
・サブリース
管理会社がオーナー様から物件を借り上げ、借り上げた物件の管理や運営などすべてを管理会社が行う賃貸システムです。契約における諸条件は会社によって異なりますので、しっかりと内容を確認しましょう。
・満室保証
満室保証とは、一定の募集期間内に満室にならなかった場合、管理会社がオーナー様に対して満室分の賃料を保証するシステムです。ただし、すべての管理会社がこのシステムを利用できるわけではないので、確認が必要です。
満室保証システムは、基本的に満室になった時点で終了します。そして、その後は通常の管理方法となります。管理会社を選ぶ時はこの保証システムの内容も考慮しましょう。
中古物件か新築物件かは出口戦略から見る
不動産投資において中古物件が良いのか新築物件が良いのかは、出口戦略をどう考えているかによって違ってきます。
所有している不動産を売却するのか、所有し続けるのか、一部を更地にして売却するのか、どの物件を選ぶべきなのかはあくまでも着地点次第なのです。
物件価格は基本的に土地価値+建物価値となるため、新築物件はキャピタルゲインを狙うにはあまり適さないと言えます。
新築物件を購入する場合は中古物件と違って、物件価格に広告宣伝費、営業活動費などの開発会社の経費や利益が上乗せされて割高になっているためです。
新築物件を買って数年後に売却しようとしたら、購入時の価格よりも査定価格が低くなっているというのは珍しいことではありません。
また、利回りの観点で見てみると、高利回りを狙う場合は中古物件が有利といえます。
賃貸物件の表面利回りは「年間収入÷物件購入価格」となり、物件価格が上がれば利回りが下がり、物件価格を抑えることが可能な中古物件では利回りが上がりやすくなるからです。
中古アパート・中古マンションのメリット
中古アパート・中古マンションのメリットはまず、購入価格が安いことが挙げられます。
その他に、これまでの入居率の実績を確かめることができるというメリットがあります。
入居率が高ければ、その方が安心して購入に踏み切ることができます。
また、中古アパート・中古マンションのメリットとして、新築物件と比べると高利回りという点があります。
というのも、先述のように賃貸物件の表面利回りは「年間収入÷物件購入価格」となるため、一般的に利回りと物件価格は反比例の関係にあります。そして、中古物件は新築物件と比較して物件価格が安いため、中古アパート・中古マンションは新築物件と比べて高利回りとなります。
その他のメリットとして、オーナーチェンジ物件があります。
「オーナーチェンジ物件」とは、現在の入居者がそのまま入居し続けている状態で不動産物件を売買する物件を指します。この物件は賃貸借契約が継続された状態でオーナー様だけが代わるためにこう呼ばれ、新しいオーナー様が物件を取得してすぐに家賃を得られるというメリットがあります。
また、中古物件が木造アパートの場合、リフォームやリノベーションによる間取りの変更が他の構造と比べて、比較的容易に行えるというメリットがあります。
ただし、木造アパートでも2×4工法の場合は在来工法と比べて、構造上壁を動かせない部分が多くあります。そのため、リフォームなどを行うとしても間取りの変更には制限ができてしまい難しくなる場合があります。
中古アパート・中古マンションのデメリット
中古アパート・中古マンションのデメリットは、老朽化が早いことや、建築様式によっては耐震強度に不安があることが挙げられます。
また古い間取りやデザインだと顧客のニーズに合わず、なかなか入居者が得られないことも考えられます。
これらを解決するために、修繕費用や改築費用が多くかかる可能性も考慮しておかなければなりません。
また建物そのものに問題があるのではなく、住民トラブルなどの問題から売りに出されている可能性もありますので、チェックを怠らないようにする必要があるでしょう。
その他、中古アパート・中古マンションには「初期投資が少なく利回りが高い」という大きなメリットがある一方で、築年数が法定耐用年数を超えた木造中古物件の場合などは、物件に建物価値があまりないため、金融機関から融資を受けにくく、減価償却期間も短くなるというデメリットがあります。
これは、賃貸収入の健全性という観点から、法定耐用年数の切れた物件からの賃貸収入は収入として見なさない、すなわちローン返済の原資とはみなさないという金融機関もあるためです。
また金融機関からの融資が認められた場合も、金利が高く設定されることが多いようですので、融資を申し込む前にキャッシュフローにリスクが生じないか事前に確認しましょう。
オーナーチェンジ物件については、先述でメリットを挙げましたが、一方でデメリットも生じます。
まずデメリットの一つとして 、購入時点で入居者がいる場合は、購入前に物件の室内を確認することができない点が挙げられます。そのため物件の状況をしっかり把握することができません。
もう一つのデメリットとして挙げられるのは、入居者が前のオーナー様と締結した賃貸借契約が存在するため、新しいオーナーとして家賃の改定や条件変更が容易でないという点でしょう。
また、あまり古い型の中古アパートや中古マンションは、建築基準法や耐震強度の基準が、現在のものよりも甘く、そのような状態のままである可能性があります。
老後の備えや、生命保険代わりにアパート経営・マンション経営を考える方々にとっては「長く運用できること」が大切ですので、このあたりは無視できない問題でもあります。
新築アパート・新築マンションのメリット
新築アパート・新築マンションは、頑丈に作られており、耐震性も高いため、しばらくは修繕などをする必要もなく、長く運用しやすいというメリットがあります。
また間取りやデザインが最新であるため、顧客のニーズも多く、入居率が高くなりやすいでしょう。
築10年以内の瑕疵については、住宅事業者が無償で修繕してくれますので、このあたりもお得です。
長期で保有できるということは、その分家賃収入の総額が増えるということでもありますし、入居希望者が多いため、良い形で契約できそうな入居者を選別することができるのも大きなメリットです。
その他に新築物件の場合は、購入に至る一連の流れの中でお世話になった不動産会社に賃貸管理も依頼することができるため、管理会社を一から探す労力がかからない点もメリットでしょう。
また、新築物件は一般的に金融機関からの融資が受けやすいです。 そのため、限られた頭金でも物件を購入することができます。
新築アパート・新築マンションのデメリット
当然ながら、新築物件は中古物件と比較して価格が高めです。
見た目や間取りも最新で、すぐに入居者が得られそうですが、間取りや立地条件、収益性によっては、中古とそれほど変わらなくなってしまう可能性もあります。
必ずしも新築ならば良い、というわけではありませんので、条件や、価格を考慮した上で、臨機応変に判断するように心がけておく必要があるでしょう。
アパート経営・マンション経営でまず大切なのは、入居者が集まってくれることです。
このことを念頭に置いて、広い視野を持って選ぶ方が、失敗が少なく、安定して経営を続けることができると考えられます。
また、新築物件のデメリットとして、土地を購入して新築物件を建てる場合には、土地購入から賃貸物件として稼働させるまでに非常に時間がかかってしまう点が挙げられます。
他にも新築物件は中古物件と比較して初期費用が大きく、ローン返済の金利もあり、利回りはどうしても低くなってしまいます。近年の建築費や建築材料費の高騰もあり、新築物件の利回りが低い状況は、まだまだ続くと予想されています。
将来ビジョンによって不動産投資の選択が変わる
不動産投資の対象として新築物件と中古物件を比較した場合、キャッシュフローが大きく変わってきます。中古物件には「利回りが高い」という絶対的アドバンテージがありますが、新築物件、中古物件のどちらにもメリットとデメリットがあります。
どちらを選択するかはオーナー様の不動産投資に対する将来ビジョンによって大きく違ってきますので、日頃からネット記事などで情報収集されておくと良いでしょう。
また、投資対象がアパートかマンションかによっても、判断基準は大きく違ってきます。「アパート経営とマンション経営の違い」についてはこちらのコラムで詳しく紹介していますので、ご興味をお持ちの方はぜひご一読ください。
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※本記事は、2018年9月以前時点の情報をもとに執筆しています。 マーケットの変化や、法律・制度の変更により状況が異なる場合があります
※記事中では一般的な事例や試算を取り上げています。個別の案件については、お気軽にお問い合わせください。