不動産投資に役立つ資格とは?メリットやおすすめ資格を紹介
この記事の目次
不動産投資に資格は必要ない!?
・不動産投資に資格は必要か?
初めて不動産投資をする方にとっては、専門用語や不動産業界特有の商慣習などもあり、一見すると難しいもののように思うかもしれません。そのため「不動産投資には資格が必要なのでは?」と考えても不思議ではないでしょう。
ですが実際には、不動産投資は個人も自由に参加できる投資ですので、特に資格は必要ありません。不動産投資を始めるとオーナーとして不動産事業を営む(不動産所得という事業収入がある)ことになりますが、法で定められた不動産業者として業務を行うものではないため、不動産の資格がなくても不動産投資を行うことができます。
「あえて」資格を取るメリットは?
不動産投資に資格は必要ないとしても、不動産のオーナーになるなら、やはり不動産に関わる知識は持っておいて損はありません。また、前述のように不動産投資は一つの事業でもあり、税金や会計的な知識を知っていることは賃貸経営を行うオーナーとしてはメリットがあります。
そこで、あえて「資格を取る」という目標を持つことにより、一定の完成された体系で知識を身につけることができます。また、不動産投資に関連する資格は実用的なものも多く、不動産投資以外の生活の場面でも役立ちます。
実生活でも有用なオススメ資格
不動産投資を始める際はもちろん、賃貸経営がスタートしてから役立つ資格もありますが、その中でも実生活でも有用な資格もありますので、2つご紹介します。
・お金のプロ。「ファイナンシャルプランナー(1級~3級)」
ファイナンシャルプランナーは、簡単にいうと「お金のプロ」の資格です。「お金」を切り口に、“不動産”“金融”“相続(贈与)”“税金”など不動産投資に役立つ知識のほか、“保険”や“年金”などお金にまつわる知識を幅広く身につけることができます。
ファイナンシャルプランナーの資格取得のために学習することで、生活の見直しや将来設計もできるようになり、日々の生活にも大変役立つでしょう。では、ファイナンシャルプランナーの資格を取得することで身につく知識について簡単にみていきます。
1)不動産
不動産に関係する法令と税金についての知識が習得できます。具体的には、都市計画法や建築基準法、借地借家法、区分所有法などの法令と、不動産の取得・保有・譲渡するときの税金などの不動産の最も基本的なものが理解できるようになります。
2)金融
経済や金融の基礎から、債権や株式などの投資商品に関する知識とその運用や関連法令まで幅広い知識が得られます。特に、投資に興味がある方は知っていて損はありません。
3)相続(贈与)
相続と贈与の考え方の基本から相続財産の計算や遺産分割、相続税(贈与税)とその申告までの知識を得ることができます。不動産以外の財産も含めて相続(贈与)ついて知ることができますので、将来的にも役立ちそうです。
4)税金
「タックスプランニング」として所得税を中心に税金の知識が得られます。所得税の基本から控除の種類、申告と納付まで一通りの知識に加え、住民税や個人事業税、法人税の基礎といった不動産投資に関わるものはもとより、消費税などの日常に直結した税の知識が得られます。
5)保険
「リスク管理」として保険全般の知識が得られます。生命保険、医療保険、個人年金、損害保険(火災保険など)など個人が関わる保険全般に加え、保険に関する税金など。習得すれば、自分で保険の見直しができるようになります。
6)年金
年金だけでなく、「社会保険制度」全般についての知識が習得できます。国民年金、厚生年金、障害年金、遺族年金や健康保険などの社会保険制度、年金の税制まで日々の生活でも知っていると役立つ知識です。
・決算、確定申告で役立つ「簿記」
不動産投資を始めると、不動産からの収入と不動産の維持に必要な支出が発生します。その収支を計算したものを不動産所得といいます。不動産所得がある場合は、毎年確定申告しなければならず、申告にあたっては原則として複式簿記が基本となっています。
簿記の知識を習得すると、事業規模の小さいうちは自分で事業の決算、確定申告が可能になり、税理士などへ依頼する費用が節約できます。また、会計的発想は不動産事業を営むうえで予実管理ができるようになるだけでなく、家計にも役立ちます。
簿記の資格には主催者によって「日商簿記」(日本商工会議所)、全経簿記(全国経理教育協会)など種類がありますが、ここでは最もポピュラーな日商簿記を前提にして内容を見ていきましょう。
・簿記3級
簿記3級では、商業簿記が対象です。商業簿記では事業者の資産や負債、資本の増減などを把握して帳簿記録を行います。帳簿には主に貸借対照表や損益計算書などがあり、これらによって決算書の作成が可能になります。不動産投資や普段の生活では、簿記3級程度で十分でしょう。
・簿記2級
簿記2級では、商業簿記に工業簿記が加わります。商業簿記は規模の大きな事業者向けの内容になり、工業簿記は工場など生産事業者の帳簿記録となるため、原価計算などもできるようになります。
・簿記1級
簿記1級では、2級よりもさらに規模の大きな事業者向けの内容となります。
不動産投資・アパート経営の実務的な資格
・不動産を体系的に学べる「宅地建物取引士」
宅地建物取引士は、不動産を扱う資格としては最も基本的で役立つ資格といえるでしょう。この資格を取得、登録することで、不動産の売買や賃貸を仲介する業務(宅地建物取引業)を行うことができるようになります。
この資格を取得すると、不動産の権利など法的な知識、取引実務、建築などさまざまな不動産に関わる知識が身につきます。不動産投資を始めるときはもちろん、オーナーとなった後も取引の内容や入居者との問題など不動産投資のさまざまな場面で役立ってきます。ここで、宅地建物取引士を取得する上で身につく内容についても少し具体的に見ていきましょう。
・宅地建物取引業法
宅地建物取引業法において、重要事項の説明、宅地建物取引業免許、クーリングオフ、手付金の保全など不動産取引で不動産業者(宅建業者)が守るべき法律で定められた具体的な内容を身につけることができます。
・権利関係(民法など)
不動産に関わる民法を中心とした知識が得られます。専門用語や法律論など不動産を所有しているなら、知っておきたい知識です。また、民法は普段の生活でも役立つ法律ですから知っていて損はないでしょう。さらに、民法に加え、借地借家法、不動産登記法、区分所有法なども不動産オーナーとして知っておきたいものも含まれます。
・法令上の制限
土地建物にはさまざまな法律によって規制がなされています。たとえば、その土地に建てられる建物の高さや面積などに制限があります。具体的な法律として、国土利用計画法、都市計画法、建築基準法、道路法、農地法、宅地造成等規制法など。新たに建物を新築するときなど知っていて損はありません。
・税金、その他
不動産に関係する税金として、固定資産税や不動産取得税、登録免許税などさまざまな税金についての知識が身につきます。不動産のオーナーなら知っておきたい税金は網羅されています。
・賃貸用不動産に特化した新しい資格「賃貸不動産経営管理士」
賃貸不動産経営管理士は、賃貸用不動産の募集や管理に特化した新しい資格です。国家資格ではありませんが、不動産投資において持っていて損のない知識が身につく資格です。賃貸物件の管理を委託するときはその委託内容や実務について適正かを判断できるようになり、賃貸物件を自主管理(自分で管理)するときにも役立つ資格です。
この資格は、2011年12月に国土交通省が賃貸人や賃借人の利益保護を図る目的で施行した「賃貸住宅管理業者登録制度」で今後その役割が期待されています。具体的に不動産投資で役立つ内容としてどういったことが身につくのか代表的なものを見ていきましょう。
・賃貸住宅管理業者登録制度
国土交通省が賃貸住宅の管理に関わるさまざまな問題を重要視して施行した賃貸住宅管理業者登録制度です。賃貸住宅に直接かかわるオーナーなら今後知っておきたい制度です。
・管理業務の受託
賃貸不動産管理を受託する事業者として受託する場合の要件や説明義務など受託にあたって必要なことなど、委託する側として頭に入れておくといいでしょう。
・賃貸管理の実務
具体的に、入居者の募集、賃貸借契約など賃貸管理のさまざま実務についての知識が身につきます。不動産投資のオーナーとしてぜひ知っておきたい内容となっています。
・建物や設備
賃貸住宅を維持していくうえで必要な建築、設備についての知識です。建築基準法などの法令のほか、給排水設備や電気設備などについて住宅に関連する基本的なものが対象となっています。
・賃貸業の支援業務
賃料や募集に関する企画提案、賃貸業を営むオーナー向けの相続税や所得税などの税金、火災保険等のオーナーへのアドバイスするための内容です。
・区分マンション投資なら役立つ「マンション管理士」
マンション管理士は、分譲マンション管理のプロフェッショナルです。分譲マンションの管理組合の運営や大規模修繕計画などのほか、建物の構造上の技術的なもの、その他マンションの維持・管理、管理組合やマンションの区分所有者などの相談に対して適切な助言や指導、その他の援助などのコンサルティング業務まで行う専門家です。
不動産投資では、特に分譲タイプの区分マンション(ワンルームマンションなど)を投資対象とするときには役立つ資格といえます。この資格では以下のような知識が習得できます。
・関係法令
区分所有法、マンション管理適正化法のほか、民法、建築基準法、不動産登記法、都市計画法、住宅の品質確保の促進などに関する法律といった宅地建物取引士と重複するもののほか、消防法やマンションの建替え等の円滑化に関する法律、マンションの管理にかかわるその他の法律の知識が身につきます。
・マンション標準管理規約
分譲マンションの基本となるマンションの管理規約について国土交通省が公表している標準規約を基にした内容です。投資に限らずマンションを所有される方は知っていてもいいかもしれません。
・管理組合の運営
管理組合の組織と運営、管理組合の業務と役割、管理組合の苦情対応と対策、管理組合の訴訟と判例、管理組合の会計などマンションの具体的な運営についての内容です。
・マンションの建物及び附属施設
マンションの建物の構造や設備に関する基本的な知識が範囲となります。
・マンションの維持・管理
長期修繕計画や建物設備の診断などマンションの建物の維持に必要な事項が幅広く身につきます。
不動産投資の秘訣とは?
不動産投資と一口にいっても、実際にはワンルームマンション投資や一棟マンション・アパート投資などさまざまなスタイルがあります。投資対象となる不動産の種類などによって多少ポイントは異なりますが、ここでは不動産投資全般に共通するものをご紹介しましょう。
・「不動」産だからこそ立地がポイント
不動産は字のごとく、「不動」の資産。立地を変えることはできません。不動産投資を始め、思うように入居者が入らず賃貸経営が厳しい原因が立地だとしたら……。立地が問題となると売却は難しく、簡単には資産の入れ替えができません。
入居者の入らない不動産を所有することは、不動産投資ではマイナスです。やはり人が住みたいと思う立地であるか否かは、その後の賃貸経営を見据えると非常に重要なポイントになります。
したがって、土地も同時に購入して始める不動産投資では、入居者が期待できる立地を狙うことが基本です。駅に近い立地などはわかりやすいですが、大学や専門学校、大きな工場など、少し駅から離れていても人の集まる施設が周辺にある立地でも賃貸需要は期待できます。
・購入・新築前に事業計画をチェック
不動産投資は、土地や建物といった高額な買い物をすることでもあるため、購入、新築する前に事業計画(シミュレーション)を作成し、当初から将来にわたって賃貸経営に無理がないかチェックすることも重要です。特に、アパートローンなど融資を利用して不動産投資する場合、その返済が滞れば経営が破綻してしまうことも。
したがって、事業計画上、常に満室で稼働するような甘い予測や、相場より高い家賃で見積もるなど根拠の薄い期待値となっていると後悔することになってしまいます。
そこで、不動産の購入、新築前には必ず事業計画を作成し、少なくとも以下の点をチェックするようにしましょう。
1)賃貸需要の把握
周辺の類似する賃貸住宅の入居状況(空室の状況、新たに入居するまでの時間など)をチェック。そのほか、周辺にスーパーや病院など生活上必要な施設の有無なども賃貸需要を左右しますので確認しておくとよいでしょう。
2)相場の確認
周辺の類似する賃貸住宅の売買相場と賃貸(家賃)相場をチェック。売買相場では自分が購入する土地や建物が周辺と比べて高い買い物になっていないかを、賃貸(家賃)相場では新築物件、築10年、築20年など建物の築年ごとに家賃がどう推移しているかを確認します。築年を経れば家賃は下がるもの。築年ごとの周辺物件の家賃は将来を予測する参考になります。
3)資金計画に無理はないか
賃貸住宅では一時的であっても必ず空室が発生し、築年とともに家賃が下落します。特にアパートローンなど融資を利用した場合、空室発生時や家賃が下がったときでも返済に無理がないかチェックすることが重要です。融資の金利や返済期間を意識することも重要ですが、融資を利用する際、守るべきポイントは無理のない計画をたてることです。
4)適正な費用の見積もり
不動産投資では、所有する不動産を維持し、賃貸の入居者を確保するための費用がかかります。固定資産税などの税金はもちろん、賃貸募集時の費用や修繕費などの費用が適切に見積もられているかをチェックしましょう。
・建物で競合物件と差別化
賃貸住宅は基本的にどこでも競合する物件があります。逆に、競合物件がない立地は賃貸需要に問題があることも。そこで、賃貸経営として重要なことは、近隣の競合物件と差別化を図ること。そのポイントの一つが建物になります。特に新たに建物を建てるなら、建物の構造や素材、部屋の広さ、外観や設備といったものを周辺にないものを採用することで差別化ができます。
たとえば、近隣の賃貸住宅より少し広い部屋にして、設備グレードの高い室内仕様にするだけでも差別化を図ることができます。きちんと周辺の賃貸需要に合った建物とすることができれば、立地の問題(周辺に競合が多い、駅から少し離れているなど)を建物でカバーすることも可能になります。
・高い入居率を維持するには管理が重要
賃貸経営では管理が非常に重要で、管理の良い物件は安定経営をもたらします。管理には大きく2つ、建物管理と入居者管理があります。
まず建物管理は、建物を維持するための管理です。たとえば、敷地内には草が生え、廊下の電球は切れ、外壁は汚れが目立って、ゴミも散乱している……。こんな物件では外から見ただけでも誰も入居する気にはなれません。
建物管理が悪いと入居者は逃げ出し、新しい入居者も入ってきません。だからといって特別な何かをする必要はなく、外部はもとより室内も通常あるべき姿、機能を維持して綺麗に保つことができれば建物管理としては合格です。
また、入居者からの修繕要望やクレームなどへの対応、入居者の家賃滞納などへの対処といったものが入居者管理となりますが、その対応の早さがポイントになります。これらの管理は思った以上に大変です。
そこでポイントになるのが管理の方法です。自分で管理することも可能ですが、特に初めて不動産投資される方は、経験、実績のある管理会社に任せることが安定経営の近道になります。
・入居条件が安定経営のポイント
賃貸経営では、オーナーは特権として家賃などの入居条件を決めることができます。入居条件には、家賃や共益費、礼金、敷金といった金銭的条件のほか、ペットの飼育、楽器の使用、入居人数などさまざまな条件があり、特に一棟マンションや一棟アパートの投資では、オーナーの判断で自由に条件を設定できます。
相場を逸脱した家賃設定など無理のある条件だと入居者が見つかりにくくなってしまいますが、周辺相場などを考慮し、入居者が入りやすい入居条件を設定することで安定した賃貸経営に繋げることができます。
不動産の資格や知識で不動産投資が実践しやすいものに
ここまで不動産投資に共通する秘訣を紹介してきましたが、前述した不動産に関連する資格取得のための知識によって、不動産投資に対して理解が深まり、実践もしやすくなります。オーナーとして資格や知識があって損はありません。不動産投資に興味はあるものの不安がある方は、資格の取得に捉われず、不動産の知識を身につける目的で資格の勉強を始めてもいいかもしれませんね。
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