マンションの家賃収入で生活するためのポイント
複数のマンション等の物件を所有し、そこから入る家賃収入だけで何不自由ない生活を楽しむ。そんな夢のような生活を思い描いたことがある人は多いのではないでしょうか。しかしそのような生活は、親や親戚から優良物件を相続でもしない限り無理と、多くの人が諦めているかもしれません。
そこで今回は、どうすればそんな生活が可能になるのか、マンションの家賃収入で生活するためのポイントについて解説したいと思います。
この記事の目次
これからマンション経営を始める人は
安定したマンション経営を行うためには、今の時代にはどんなニーズがあるのか、その土地のターゲット層はどんな人か、周辺の賃貸物件はどのような経営をしているのか、など様々な情報を得る必要はあります。
そのため、これからマンション経営を始めたいとお考えの方は、まずしっかりと情報収集をしてマンション経営に関する基礎知識を身に付けましょう。
不動産投資関連の書籍でも、不動産投資専門の情報サイトでも、マンション投資に関する基礎知識やノウハウが数多く公開されています。
また、不動産に関してもプロである不動産会社や管理会社にマンション経営について相談してみるのも一つの手でしょう。
家賃収入で生活するためのポイント
家賃収入で生活できるようになるためには、以下のような守るべきポイントがあります。
・立地を厳選し、空室リスクを可能な限り低くする
マンション経営にとってもっとも避けなければならないのは、家賃収入が入らない空室の発生です。そのためには、都市部で駅周辺に立地するマンションなど、空室リスクの低い物件を厳選して投資する必要があります。
・投資効率の高い物件に投資する
投資する金額を少なくし、より多くの家賃収入を得るためには、投資効率の高い物件を選ぶ必要があります。
・ファミリータイプとワンルーム
一般的に独身者が多く入居するワンルームは、部屋数の多いファミリータイプよりも入居者が退出した後のリフォーム費用が安く済み、工事期間も短いため効率が良くなります。しかし、子育てをする環境が整っているエリアなどでは、ワンルームよりファミリータイプの方が人気を集めるため、地域の特性をよく見極めて判断することが大切です。
・信頼できる不動産管理会社と契約する
マンション経営をする場合、細かな管理業務や空室対策などを担う不動産管理会社と契約する必要があります。マンションのオーナー様と不動産管理会社は、長期間取引を継続することになりますから、より良い情報を提供してくれたり、空室対策に力を発揮してくれたりする信頼できる相手を見つける必要があります。
・ローンの返済計画を立て、収支シミュレーションをしっかり行う
マンション経営の成功の大きな要因は、高い入居率に支えられた賃料による「収入」です。ここが安定していれば、赤字が発生してローンの返済に苦慮する状況は生まれにくくなります。
マンション経営においては、ローン返済後の金額から、さらに管理費・修繕積立金・固定資産税などの「支出」を引いた手残りのキャッシュフローが賃料収入の2割程度となるのが健全と言われています。
このような経費もあわせて家賃から差し引いた収入を基に計算した利回りを「実質利回り」と呼び、計算式は以下のようになります。
実質利回り=( 年間収入-年間支出 )÷購入価格
投資用マンションは、この利回りと立地・間取り・設備のバランスを考慮して収支をしっかりシミュレーションして購入します。
予想利回りが高くても、立地・間取り・設備が悪ければ、収入を支える入居率が下がってしまい、ローンをはじめとした「支出」だけは変わらないままで、経営状態は一気に悪化します。
・物件のメンテナンスを怠らない
建物の管理状態は入居者の質や家賃を左右します。
そのため、常にしっかりとメンテナンスを行う必要があります。
マンションの家賃収入で生活するためには、上記のようなポイントをしっかりと把握して、焦らずにじっくり取り組むことが重要です。
家賃収入にかかる税金とは
マンション経営の場合、家賃収入には以下のような税金がかかります。
・所得税
マンション経営を始めるために不動産物件を取得して、取得した物件から家賃収入を得るようになると、その収入に対して所得税がかかります。
所得税は計算方法の違いで10種類に区分されますが、賃貸収入はその中の不動産所得に当たり、不動産所得は以下の計算式で算出します。なお、不動産所得は、サラリーマンの給与所得など他の所得と合算できますので、副業として賃貸経営をなさっているオーナー様は注意が必要です。
家賃所得(不動産所得)=収入-経費
課税所得=家賃所得+他の所得-所得控除
所得税=課税所得×税率
※賃貸収入には家賃の他に共益費・更新料・礼金や返還義務の発生しない保証料などが含まれます。
・住民税
所得額をベースに計算されます。
・消費税
課税売上が1,000万円を超えた場合に、その翌々年から課税されますが、居住用の賃貸物件のみの場合は1,000万円を超えても非課税です。
ただし、居住用賃貸以外に駐車場・オフィス・別荘などの賃貸がある場合は、その部分は消費税対象となります。消費税の課税対象となる売上高が1,000万円で以上であれば、その売上高に対して課税されます。
居住用賃貸に付帯する場合などは、面積比等の合理的な方法によって按分し算出します。
家賃収入を得たら確定申告が必要
賃貸収入で生計を立てている方は、個人事業主として確定申告が必要です。
また、サラリーマンとして別途給与所得がある方も、不動産所得が年間20万円以上で、年収2,000万円以上の方は、年末調整だけでなく確定申告を行う必要があります。
確定申告は、税務署で申告用紙をもらって手書きで行うか、パソコンで記入して提出するか、またはインターネット上のe-Taxで行うことができます。
ご自分で行う際には、無料の会計ソフトを利用することをおすすめします。
e-Taxを利用する場合は、税務署に赴かなくても窓口で24時間申告可能です。
ただし、e-taxの手続きには電子証明書が組み込まれたマイナンバーカードや住民基本台帳カード、カードリーダーが必要になりますので、事前の準備が必要です。
確定申告には白色申告と青色申告があり、青色申告の場合は申告を提出する前年の3月15日までに承認申請書を提出して手続きします。
青色申告は節税となる軽減措置がありますが、青色申告決算書などの書類提出が必要となるほか、毎月の帳簿記録も必要となり、その申告書作成は白色申告に比べて複雑です。
マンション経営のオーナー様が青色申告で65万円の特別控除を受けるには、税制上の規定で青色申告に該当する事業規模であることが必要です。
オーナー様の所有している賃貸物件が、例えばマンションの場合は10室以上であれば、青色申告が可能な事業規模となります。
確定申告を青色と白色どちらにするかは、それぞれのメリット・デメリットを比較した上で決めることをおすすめします。
確定申告についての注意点
確定申告が期限内にできなかった場合、すべて「期限後申告」として扱われ、確定申告の内容によっては無申告加算税や延滞税が課せられます。
そのため、確定申告の提出期限を過ぎていることに気付いた場合は、早急に申告書を提出しましょう。
また、期限後申告の場合は、確定申告書を提出した日が納付期限となりますので、申告書を提出したらその日のうちに必要な税金を納付することになります。
青色申告者の場合は期限後申告をすると、10万円の青色申告特別控除は適用可能ですが、65万円の青色申告特別控除が受けられなくなります。65万円控除を受けるために必要な他の要件を、すべて満たしていた場合でも適用されませんので注意しましょう。
ほかにも、確定申告の提出期限後に申告内容の間違いに気付いた場合は「修正申告」の手続きを行う必要があります。
家賃収入で生活するためのポイントは物件選びと税金対策
家賃収入で生活するためのポイントとして最も大切なのは物件選びです。立地が良く、間取り・設備が魅力的な物件は空室が発生しにくく、発生したとしても次の入居希望者が簡単に現れます。
家賃収入が安定すれば想定していたローンの返済・想定していた必要経費などの支出に関わらず、しっかりと収益を生む健全なキャッシュフローを構築できます。
家賃収入にかかる税金もしっかり把握しておきましょう。税金の詳細を理解して可能な限りの節税対策を行なって確定申告書を提出します。
一般的に不動産投資の事業的規模が10室に到達していれば青色申告の基準を満たし、青色申告特別控除が適用されます。 前年度の申請手続きが必要なので、白色から青色へ切り替え予定のある方は、早めに準備をしておきましょう。
税金の仕組みも含めてお金の問題は複雑ですので、税理士などプロのアドバイスを受けることをおすすめします。
※写真はイメージです
※本記事は、2018年9月以前時点の情報をもとに執筆しています。 マーケットの変化や、法律・制度の変更により状況が異なる場合があります
※記事中では一般的な事例や試算を取り上げています。個別の案件については、お気軽にお問い合わせください。