アパート経営・マンション経営をはじめるポイント
アパート経営・マンション経営に興味を持ったとしても、経験のない人にとってはなかなか最初の一歩を踏み出すのは勇気のいることではないでしょうか。
そこで今回は、その不動産経営に対する入口とも言える、アパート経営・マンション経営をはじめる際に明確にすべき、目的や収益、マーケティングの重要性について解説します。
アパート経営・マンション経営を始める目的を考える
アパート経営・マンション経営は賃貸ビジネスであり、不動産を活用した事業と言えます。そのため、どのような目的で始めるかによって事業計画は大きく変わります。そこで目的別にどのようなことが重要なのかポイントを説明します。
・所有している土地・不動産の有効活用
所有している土地が、アパート経営・マンション経営に適しているかを見極めることが大切です。賃貸住宅の需要や供給がどうなっているか、しっかりと調査する必要があります。場合によっては、駐車場や高齢者施設などへの不動産活用を考えた方がいい場合もあります。所有している土地は動かせないので、その土地の優位性(駅からの距離・家賃相場・住環境)を考慮した有効活用を意識すべきでしょう。
・安定収入の確保、老後の私的年金
安定収入を求めて不動産経営を始める場合は、それぞれの活用方法に対して確実に事業収入が得られるかどうか見極める必要があります。但し、安定収入を優先する場合は、利回りよりもリスクの低さを優先することを重視すべきでしょう。具体的には郊外よりも賃貸需要が安定している都心部の物件が有利とも言えます。利回りの計算には、諸経費を見込まない表面利回りと諸経費も含んで計算する実質利回りがありますが、より確度の高い実態に即したキャッシュフローを把握できるように実質利回りで計算するようにしてください。実質利回りでは、諸経費を考慮に入れるため、実際に経営した場合に近い利回りをつかむことができます。
実質利回りは以下の計算方法により求められます。
実質利回り(%)={(年間収入−諸経費)÷物件価格}×100
・節税対策
現金や預貯金、有価証券などの金融資産や、遊休地など未使用の不動産を所有している場合は、アパート経営・マンション経営を始めることで、相続税や所得税、固定資産税などの面で大きく節税できる可能性があります。
・自宅建替え費用の負担軽減
自宅を建替える際に賃貸併用住宅にすると、家賃収入+所得税などの節税効果によって自宅建替え費用のローン負担軽減などにつなげることができます。
以上のように、何を目的にアパート経営・マンション経営を始めるかによって、注力すべきポイントが違います。そのため賃貸経営を始めるにあたっては、まず目的を明確にするようにしてください。
マーケティング調査の重要性
アパート経営・マンション経営を成功させるためには、より確実に収益を上げられる賃貸物件を用意できるかにかかっています。そのためにも、さまざまな要素から空室リスクの少ない、安定収入が見込まれる、利回りの高い不動産事業が可能かどうか、見極める必要があります。マーケティングの要素(ポイント)には以下のような項目があります。
・近隣エリアの賃貸物件動向
・交通の便が良いかどうか
・買い物などのしやすさ
・公園や散歩道など周辺環境
・保育園・学校・病院などの施設の充実度
・家賃の水準
・間取り
・室内、建物の設備内容(インターネット環境・オートロックなど)
・駐車場の確保(有・無)
また、上記のような周辺のニーズを建築計画に反映させ、入居対象を単身者にするかファミリーにするかなど、ある程度絞り込み、少しでも空室リスクを減らす事が大切です。
アパート経営・マンション経営を成功させるには、自分自身で勉強してしっかり考えることは大切ですが、専門家からのアドバイスも重要です。ぜひ、自分の目的や事業規模などを親身に相談にのってくれる不動産会社や建築会社を探し、入居者のニーズの調査から事業計画、資金調達まで、あらゆる面で経営をサポートしてくれるパートナー選びからスタートしてはいかがでしょう。