アパートローンの審査基準と審査期間について
アパート・マンションの購入・建築やリフォーム費用などに幅広く使えるローンとしてアパートローンがあります。ところでこのローンは、普通の住宅ローンと比較して、申し込みの際にどのようなところが違うのでしょうか。
今回は、アパートローンの審査基準と審査期間について説明したいと思います。
この記事の目次
アパートローンの審査基準
アパートローンの審査をする場合、金融機関では主に以下の3点を審査基準としています。
・物件の収益性
各種ローンの審査をする場合、返済資金を借り手がどうやって手当するかが重要なポイントとなります。たとえば住宅ローンの審査なら、多くの場合借り手の収入が返済資金になります。アパートローンの場合は住宅ローンとは異なり、購入する物件からの収益、つまり家賃収入が返済資金の原資になります。家賃収入と金融機関へ返済する額の差異だけではなく、減価償却費、管理費、大規模修繕費、税金など支出を盛り込み、月々の返済額と利益率が重視されます。
・物件の資産価値
購入する物件の資産価値がどの程度あるかも審査の対象となります。土地はもちろんのこと、建物自体の価値も判断基準に含まれるため、建物の構造、物件の残り耐用年数、中古物件の場合は築年数、リフォームや大規模修繕の有無等も考慮する必要があります。
万が一ローンの返済が滞った際の、担保価値が重要なポイントとして審査されます。たとえシミュレーション上は家賃収入が多くても、何らかの理由で資産価値、担保価値が低いと判断されると融資を受けられない場合もあります。
・借り手の収入・資産状況
借り手に安定した収入があるかどうか、金融資産(借入金も含めて)や不動産などの資産状況などが与信審査の対象になります。物件に収益性があり、資産価値も重要ですが、賃貸経営には想定外の問題が発生する可能性があります。そのような際に、購入する物件からの家賃収入が途絶えても、その他の収入で対処できるかどうかを判断します。そのため源泉徴収票や確定申告を3年分提出することを求められます。
審査に必要な期間
ローン申し込み者が十分な貸出条件を満たしている、ローンを申し込んだ金融機関と長期間の安定した取引実績があるなど場合は、1週間程度の短期間で審査が通る場合もあります。また、金融機関側が十分な融資条件を満たないと早期に判断した場合も、短期間で審査結果が出ます。それ以外のケースでは、数週間で済む場合もあれば、資金繰りや担保保証などすぐに結論が出ない場合は一ヵ月以上かかることもあります。ローン審査は長めにかかると考えておいたほうが無難です。
多くの金融機関が融資する際に考える最大の関心事は、きちんと予定通りに回収できるかどうかです。金融機関は、事業の収益性や物件の資産価値、借り手の収入・資産状況等で判断しますが、最後の決め手はローン申し込み者を事業者として信用できるか、人柄と併せて判断されます。そのため金融機関とは、日頃から取引を持つことでスムーズな融資へと繋がります。