アパート経営・マンション経営に必要な経費(維持費・管理費)
アパート経営・マンション経営には、税額控除を受けられる必要経費に該当する科目があります。
これらをしっかりチェックして申告できるようにしておきましょう。
租税公課
「租税公課」は、開業時に必要な登録免許税や印紙税、不動産取得税や、経営時にかかる固定資産税、都市計画税、所得税、事業税などがあります。
登録免許税には、司法書士による登記申請の代行手数料も含まれます。
減価償却費
「原価償却費」は、アパートやマンションなどの事業用資産(建物・建物付属設備・構築物など)の取得価格を、種類ごとの耐用年数に応じて費用配分した金額のことをいいます。
必要経費に計上することで、投下資本を回収し、再投資できる仕組みとなっていますので、必ず計上するようにしましょう。
借入金利息
アパートやマンションを使用開始するまでには「借入金利息」が発生します。これは建物の取得費に含まれることとなります。
建設資金の借入金利は、申告の年に属する期間(個人の場合は、申告期間は1~12月で、4月に開業した場合は4月~12月が対応する期間となります)に対応する金額を、必要経費として参入することができます。
自宅併用アパートなどの場合は、アパート部分の借入金利子相当分のみを参入することができます。
専従者給与
アパート経営・マンション経営の事業を営む者と生計を共にする、15歳以上で一定の用件に当てはまる親族が、アパート経営・マンション経営に専従すれば、その人に支払う給与を必要経費として計上することができます。
白色申告の場合は、給与額が定められていますが、青色申告は専従者の従事の程度により、給与額が認められるため、必要経費として参入できる額が異なってきます。
この辺りに注意して、計上するようにしましょう。
人件費
従業員(管理人など)に対する給与、福利厚生費などは必要経費に算入することができます。
尚、専従者の場合、支払った給与以外は必要経費として認められません。
専従者においては福利厚生費が算入できないことを念頭に入れておきましょう。
管理費・保障費
管理を管理会社などに委託する場合は、管理費を必要経費として計上できます。
また、家賃保障を受け取るための保障費は、全額必要経費となります。
修繕費
建物には修繕やメンテナンスが必要です。
建物の修理、補修、リフォーム、修繕費用は全て修繕費として全額必要経費になります。
しかし、これらの費用は、一定の用件に該当して資産価値が増加しない場合のみ計上できることになっていますので、注意が必要です。
基本的に建物を管理する場合には、修繕積立金を積み立てておくかとおもいますが、修繕に使用しなかった金額は、原則的に必要経費に算入することはできません。
火災保険料
アパートやマンションなど、建物に対する長期一括払いの火災保険料については、原則として、その年の属する期間に対応する部分を必要経費に算入します。
翌年以降に対応する部分の前払いについては、未経過保険料として繰り越すことになりますので、その年には算入できません。
また、自宅併用アパートなどの場合は、賃貸部分のみが必要経費の対象となり、自宅部分は所得控除の損害保険料控除の対象となる、という違いがあります。
アパート経営・マンション経営には、お金の出入りなどの動きが特別になくても、税務上経費として認められる「減価償却費」や「専従者給与」がありますので、必要経費をうまく利用することで税務上の所得を低く抑え、所得税や住民税の税負担を軽くすることができるというメリットがあります。
上手く活用して、上手な経営に役立てていきましょう。