アパート経営・マンション経営に税務調査対策は必要か
アパート経営・マンション経営を始めると、たとえ小規模でも確定申告をして納税する義務が生じます(給与所得者で不動産所得が年間20万円以下の場合など、条件によっては免除されることもあります)。
確定申告は、慣れてしまえばそれほど難しいものではありませんが、最初のうちは複雑で分かりにくく感じるものです。ついうっかりして申告漏れや誤った申告をしてしまいがちになりますが、そのようなことが続くと、税務署から不正を疑われることにもつながるため、確定申告はできるだけミスをしないように丁寧に行う必要があります。
また、経理に関係する業務の中で最も注意しなければならないのが、税務署が事業者を訪問して行う税務調査の対応です。
そこで今回は、税務調査について、その実態、準備などを説明します。
税務調査とは何か、その実態は?
税務調査は、国税庁の文書(国税庁レポート2011)には「税務調査は、納税者の申告内容を帳簿などで確認し、申告内容に誤りがあれば是正を求めるものです。特に悪質な納税者に対する税務調査には日数を十分かけるなど重点的に取り組んでいます」とあり、一定規模の不動産所得のある事業者には、通常であれば数年に一度程度は実施される調査です。
しかし、必要経費や減価償却費など申告内容に不自然な点があれば、毎年のようにやってくることもありますし、事業規模が小さく毎年の申告内容にあまり変化が見られない場合などは、何年も調査に来ないという場合もあります。
一般的には、事業規模や売上が大きい事業者は申告に誤りがあった場合、追加で納税する額が大きくなることから、調査される頻度が多くなる傾向があるようです。
なぜ税務調査対策が必要なのか、どんな準備をすればよいのか
税務調査では、税の専門家がかなり綿密に調査します。帳簿などに不審な点や誤りがあれば必ず質問されます。その際、事前に税務調査対策をとっていれば経営者や経理担当者として、様々な質問にスムーズに答えることができます。そのような対応ができれば、税務署員は信用してくれて調査はすんなり終了しますが、きちんと答えられなかったり、誤魔化そうとしたりするとかえって怪しまれ、さらに詳しく調べられるということにもなりかねません。そういった事態を防ぐために、税務調査の通知が来たら必ず帳簿を見直して、問題点がないかどうか対策をとっておく必要があります。
具体的にどのような点をチェックすればいいかと言うと、主に経費が適正に計上されているかどうかという点と、減価償却費の計上が間違っていないかという点と言われています。また、以前に注意された点があれば、それがきちんと是正されているかどうかも要注意です。
税務調査では、きちんとやるべきことをやっていれば何も問題は起きません。たとえいくつか間違いを指摘されたとしても、それは修正すればいいだけのことです。つまり税務調査対策として最も大切なことは、日頃から経理処理をきちんと行い、帳簿をしっかりつけておくことに尽きます。
経理事務に不安を感じるオーナー様は、税理士か会計士に外注することを検討するのもひとつの手段です。