マンション建築にかかる期間(工期)の目安と工程について
多額の費用をかけて建築するマンションですので、工事が順調に進んでいるのか不安に感じることがあるかもしれません。しかし、マンションの建築にかかる期間(工期)を知っていれば、工期が適正かどうか判断する目安になります。
マンションの構造でよく見られる鉄筋コンクリート造(RC構造)の場合、工期はどれくらいなのでしょうか。また、どのような工程があるのでしょうか。
マンション建築にかかる期間(工期)の目安はどれくらい?
マンション建築にかかる期間(工期)は、更地なのか、土地の状況や建物の規模、建築する環境によっても大きく違ってきますが、一般的な目安としては1フロアあたりだいたい1カ月程度と言われています。
基礎工事や内装工事、仕上げ工事、外構工事などが並行して行われていきますが、マンションの完成までにかかる期間は一般的に階数+3~5カ月だと言われています。規格化された建築資材を使って、システム化された工法で建築する場合は、比較的工期を短くすることができますが、独自のデザインの場合は工期が長くなる傾向があります。また、鉄筋コンクリート造の場合は、コンクリートの乾燥に時間がかかるので、その分の工期を大幅に短くすることはできません。
マンション建築にはどんな工程があるの?
マンションが完成するまでには一般的に、大きく4つの工程に分かれます。
1. 準備工事
準備工事として地盤の調査を行います。地盤が悪ければ改良工事も行う必要があります。既に建物が建っている場合は、解体、更地にする工事も必要となります。
2.躯体工事
建物の支柱にする杭を打ち込む杭工事や、鉄筋などで組んだ型枠にコンクリートを流し込み、建物の土台を据えるための基礎工事が行われます。1階から順に配筋や型枠の躯体工事をし、上階の床の施工と配筋、型枠工事を階数分繰り返していきます。
3.内装・外装工事
上階の躯体工事と並行し、下階から内装工事が始まります。初めは電気の配線やユニットバスの据え付け、空調などの配管工事を行い、その後、断熱材の施工や、天井や壁のクロス貼りなど仕上げ工事を行っていきます。
そして最後の仕上げとなる建物の外装工事を行います。下地処理、タイルの貼り付け、外壁塗装、屋上の防水工事など、建物の美観を長期にわたり保つためにも、入念な作業を行います。
4.外構工事
最後に、駐車場のアスファルト舗装、植栽工事などが終わると検査を経て完成です。
ただし、工事の種類や規模によって工事の流れや内容が変わる場合があります。
どんな場合に建築期間(工期)が長くなるの?
マンションの建築は、建物ごとに状況が違っているので建築期間(工期)が長くなってしまう場合もあります。例えば、建築する土地にすでに建物があれば解体工事をしなくてはいけません。また、周辺の住民にも配慮を示さなければなりません。
他にも、通学路に面している場合は、時間によっては安全のために工事を一時中断する必要があるかもしれません。また、騒音や粉塵などにも配慮をし、作業時間を制限しなければならないこともあります。さらに、地盤が弱い場合など土地の状態によっては、土地の改良工事や杭打ちや基礎工事の工程で想定外の時間が掛かり、工期が延びる要因となります。
マンション建築は、多くの工程を経て完成されます。特に、基礎がしっかりしていないと建物そのものの強度にも影響が出てしまいます。どのような工程でどれくらいの期間をかけて行われるのか、具体的にイメージできるようにしておくと良いでしょう。工程表と照らし合わせながら、進捗を確認することをおすすめします。