2階建て・3階建て賃貸併用住宅の特徴
賃貸併用住宅を建てようと思う場合、金利の低い住宅ローンを組むためには、建物の総床面積の半分以上を自宅にしなければなりません。例えば2階建てや3階建てなら、工夫次第で住宅ローンを利用するための要件を満たす規模のアパートを建設することができます。
その他に、一般的な2階建てや3階建ての賃貸併用住宅には、どのような特徴があるのでしょうか。また、自宅部分を何階に設定するかなど、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
2階建て・3階建ての賃貸併用住宅の特徴
賃貸併用住宅は自宅部分の面積が総面積の51%を超えていると、住宅ローンが利用できる可能性があります。2階建ての賃貸併用住宅では、1つの階をオーナー様の居住スペースにして、もう1つの階を賃貸用スペースにするのが一般的です。そうすることで、住宅ローンの要件を満たせるためです。3階建ての場合は、1つの階をオーナー様の居住スペースにして、他の2つの階を賃貸用にする場合が多いですが、それだと居住部分の専有面積の関係で住宅ローンの利用ができず、アパートローンを利用することになる場合があるので注意が必要です。ただし、3階建ての場合も1~3階を縦割りにして自宅の専有面積を総床面積の51%以上にするなどして、金利の低い住宅ローンを利用可能なケースもあります。アパートローンは住宅ローンに比べて金利が高いですが、賃貸スペースを増やすことで賃貸できる戸数が増えるため、安定した家賃収入を期待できます。
また、一般的に2階建てや3階建ての建物の場合は、木造や鉄骨造で建築するため、鉄筋コンクリート造や鉄筋鉄骨コンクリート造で建築する高層建築物と比べて、建築のコストを抑えることができます。
他にも、将来のライフスタイルの変化に柔軟に対応できることもメリットです。今は賃貸住宅として建てておいて、将来的に家族のライフスタイルの変化に合わせて、賃貸スペースを活用した二世帯住宅にリフォームできるようにしておいたり、子どもの成長に合わせて自宅スペースを広くしたり狭くしたりできるなど、自由な設計ができることは通常のアパートや戸建て住宅にはない魅力だと言えます。
オーナー様と入居者様の居住スペースの設定でどんな注意が必要?
2階建て・3階建ての賃貸併用住宅は、オーナー様と入居者様の生活環境が近いため、賃貸部分を単身者向けのワンルームにすると、生活パターンの違いから、お互いにストレスを感じてしまうかもしれません。また、単身者は近くにオーナー様が住んでいることに抵抗を感じるかもしれません。逆に、賃貸部分をファミリー向けの間取りにした場合、オーナー様が近くに住んでいることで安心感を抱いてもらえる場合もあります。そのため、どのような世代やライフスタイルの人に入居してもらいたいかを想定して、間取りを設計することが大切です。
また、自宅部分を何階に設定するかもよく考える必要があります。1階を自宅にする場合は、階段の上り下りがないため体力的な負担を軽くすることができます。入居者様にとっては2階以上の方が、眺望や日当たり、防犯の面で人気があるので、空室のリスクを減らすことにもつながります。反面、オーナー様のデメリットとしては、日当たりや防犯面、あるいは上の階に小さいお子様がいる方が入居すると、足音などの物音が気になるかもしれません。単身者が入居すると生活時間の違いから夜中に生活音や水周りの音などが聞こえてくる可能性があります。
一方、2階・3階を自宅として、1階を賃貸にする場合、生活音に悩まされることが少なくなる一方、入居者様に迷惑をかけないようにオーナー様自身が生活音を意識して生活する必要が生じてきます。配慮を示さないと入居者様の退去の原因にもなりかねません。また、オーナー様の年齢が高い場合は体力的に負担となる場合があります。
2階・3階建ての賃貸併用住宅は、賃貸スペースをどのような間取りにするか、自宅を何階に設定するかも重要な要素となります。さまざまな事例を調べたり、専門の建築・建設業者に相談したりして、なるべく空室リスクが少なくなるような設計を考えるようにしましょう。
関連ページ:賃貸併用住宅のデザインと間取り