4階建て・5階建ての賃貸併用住宅の活用事例
4階建て・5階建ての賃貸併用住宅では、鉄筋コンクリート造で建てるケースが多くなり、木造や軽量鉄骨造に比べると建築コストがかかります。また、エレベータを設置するなら維持管理にも費用がかかります。その分ローンの借入額も多くなりますが、賃貸戸数を増やしたり店舗スペースを設けるなど、活用方法によって収益性を高めることができます。4階建て・5階建て賃貸併用住宅は階数があるので、特徴を活かしたさまざまな使い方や活用方法が考えられます。そこで、4階建て・5階建て賃貸併用住宅の具体的な活用事例を紹介します。
4階建て・5階建ての賃貸併用住宅の活用例
4階建て・5階建ての賃貸併用住宅はいろいろな活用方法があります。まず、高層階を自宅にし、それ以外の階をすべて賃貸にするパターンがあります。5階建ての方が建設コストはかかりますが、自宅をどう配置するかによっても家賃収入が違ってきます。
また、自宅、賃貸、店舗や事務所という複合タイプで活用している事例もあります。1階を店舗や事務所にする場合は、内装などは借りる側が行うので、オーナー様は内装費を抑えることができますし、一般的に住宅スペースよりも家賃も高めに設定することができます。ただし消費税法では、賃貸住宅のみの場合の家賃収入は非課税ですが、店舗等併設住宅の場合は、店舗や事務所に貸し付けている部分は課税となり、住宅部分だけが非課税になります。税制面での違いがあるため、収支計画を立てるにあたっては納税の観点から消費税の扱いに注意が必要です。具体的には課税部分の収入が年間1000万円を超えると、消費税課税業者となり、消費税を納める必要があるからです。
その他にも、上階を自宅スペースとして、親世帯・子世帯で使い分ける二世帯併用というパターンもあります。まず二世帯として設計し、将来の家族構成の変化に合わせて、一世帯分を賃貸に変更することも、逆に将来二世帯にすることを見越して設計することもできます。
4階建て・5階建ての賃貸併用住宅は、いろいろなバリエーションが考えられます。目的や将来設計に合った収支のシミュレーションを専門家に立ててもらうようにすると良いでしょう。
4階建て・5階建ての賃貸併用住宅のメリットやデメリット
まずメリットは、賃貸部分が増えることで多くの家賃収入を期待することができることです。土地が狭くても階数を増やすことで収益性を高くすることができます。ただし、その土地の容積率や建ぺい率などから4階建て・5階建てが建てられない場合もあるので注意が必要です。
一方、デメリットとして、建物の規模が大きくなる分、建築コストがかかるため、多くの負債を抱えてしまうリスクがあることがあげられます。どこに建てるのかという土地の選定や、どのような間取りにするのか、賃貸併用住宅のニーズがあるのかなど、十分な市場調査を行うことが大切です。なお、不動産管理業者によっては、空室があっても家賃収入を得ることができる一括借り上げシステムがあり、空室リスクを軽減することができるようになっています。
さらに、4階建て・5階建て賃貸併用住宅を建築するにあたってローンを利用する場合、自宅部分の延床面積が総床面積の50%未満となり、金利の低い住宅ローンを利用できないことが想定されます。その場合、不動産経営と同様の事業用途のアパートローンを組むことになります。この場合は事業計画が重視され、収益性・資産価値・借主の属性等、より厳しい基準でローン審査が行われ、ローン金利も住宅ローンと比較して高い傾向にあります。
4階建て・5階建ての賃貸併用住宅は、リスクも高い分、活用の仕方次第では大きな収益を上げることができます。1階部分を店舗かオフィスにするなど、4階建て・5階建てならではの活用の幅も広いので、目的や将来設計に合わせて設計を行うことが必要です。さまざまな活用事例を参考にし、専門家にも相談しながら収支計画を立てると良いでしょう。