一戸建ての賃貸併用住宅の特徴
自宅の一部を賃貸住宅にする一戸建ての賃貸併用住宅は、住宅ローンの負担を軽減させることにもつながりますし、節税対策や、自己年金などにも役立つため、多くの人々に注目されています。
一戸建ての賃貸併用住宅には、どのような特徴があるのか、ご説明します。
住宅ローンの返済が楽
一戸建ての賃貸併用住宅の最大のメリットは、なんといっても、家賃収入でローンを支払うことができる点です。
アパートローンの場合は、ビジネス用ローンになるため、借り入れの成否もビジネスとして成り立つか否かで審査されることになりますし、住宅ローンに比べて短期かつ高金利であるという特徴があります。
しかし、一戸建てであれば、長期かつ低金利の住宅ローンを利用することができます。
通常の住宅の場合、全てがオーナーの居住スペースであるため、住宅ローンも自力で支払う必要がありますが、建物の一部に賃貸スペースを設けることで、入居者からの家賃収入を住宅ローンの返済に充てることができます。
ローンを返済し終えたあとも賃貸を続けるのであれば、家賃収入を得ることはできますので、自分年金などに役立てることができ、将来的にも安心だと考えることができます。
構造や間取りの柔軟性
マイホームを持つとなると、ライフスタイルや家族構成の変化を考えなければなりませんが、賃貸併用住宅であれば、これらに柔軟に対応することができるというメリットがあります。
2世帯で住むことになった場合には、賃貸スペースをリフォームして2世帯住宅に変更することも可能です。
居住スペースも、用途に合わせて拡張・縮小できますので、この点も安心です。
ただし、こういったメリットを十分に活かしたいのであれば、プランの自由度が高く、安全性の高い建物を立てる必要がありますので、建築会社の選択も非常に重要になってきます。
節税対策に有効
賃貸併用住宅を立て、それを相続する場合、賃貸スペースがあると、「貸家建付地」として、約2割程度評価額が下がるため、同じ規模の自宅敷地建物に比べると、支払わなければならない相続税の額が少なくて済むというメリットがあります。
また、確定申告をすれば、建物にかけた費用の一部を減価償却費として計上することができ、賃貸スペースのローン利息や固定資産税、損害保険料なども経費として計上することができますので、結果的に所得税の課税対象額を減らすことができます。
こうしてみると、メリットが多く感じられる一戸建ての賃貸併用住宅ですが、一般的な住宅ローンの審査では、将来期待できる家賃収入の見込み額は考慮に入れられず、現在の所得で返済が可能かどうかで判断されるため、借り入れ可能な範囲でしか住宅を建てることができないというデメリットもあります。
また、一戸建てであるからこそ、入居者との居住スペースの区切りをはっきりとさせなければ、プライベートが十分に守られず、空室につながってしまう心配もあります。
一戸建て賃貸併用住宅の運用を考える際には、こういった特徴を踏まえた上で、どのような目的で、どのように運用していくかをきちんと計画しておくことが大切です。