賃貸併用住宅のデザインと間取り
賃貸併用住宅を建てる際には、通常の一戸建てとは全く異なる考え方をしなければなりません。
オーナーの趣味や趣向を反映させるだけでなく、入居者に選ばれるようなデザインや間取りを取り入れ、建物に価値を出さなければならないためです。
入居者を得られるデザイン・間取りにするために、押さえておきたいポイントがいくつかありますので、ご紹介します。
目的から間取りやデザインを
賃貸併用住宅を建てる際には、賃貸スペースを「あくまでもローンの負担を軽減させるためのもの」として考えるのか「事業として利益を上げるためのもの」として考えるのか、など、計画を立てるにあたって、方向性をはっきりとさせる必要があります。
これによって、入居者に与えるべきイメージも変わってきます。
一戸建てタイプの場合には、プライバシーの問題が少なからず生じますので、アプローチを分離する、メゾネットタイプにする、など、賃貸部分と居住スペースとの接点が少ない間取りやデザインを取り入れることが大切になってきます。
また、賃貸併用住宅として建てる場合には、戸建て住宅とは別の建築上の制限が生じることにも注意しなければなりません。
2方向の避難経路を確保することや、敷地内に空地を設けたりすることが条件になりますので、ただ「住みやすい住宅を建てる」ということだけが目的なのであれば、こういった目的は若干損なわれる可能性があるかもしれません。
エリアのニーズを調査する
賃貸併用住宅を建てるエリアに、賃貸のニーズがあるかどうかもリサーチしておきましょう。
またどのようなニーズがあるのかによって、賃貸スペースの間取りや建物のデザインも異なってきますので、この点にも注意が必要です。
ターゲットは単身者か、ファミリー層か、など、エリアの特性や需要を把握した上で間取りやデザインを考えて行きましょう。
入居者の目はシビアですので、すでに存在している他の物件よりも優れている点を、建物に備えておく必要があります。
そのためにも、賃貸物件の動向や、入居率の悪い物件、良い物件の違いなどを把握しておくことも大切です。
地域密着型の不動産賃貸業社からアドバイスを受けると、エリアのニーズに合った間取りやデザインを決めるための、良い情報が得られるでしょう。
建築会社の選定
間取りやデザインに大きく関わるのが「建築会社の選定」です。
建物のデザイン・構造・間取りの自由度、コスト、仕様のグレードなどは、建築会社によって異なります。
賃貸併用住宅を建てる目的に最も敵う建築会社はどこなのか、なるべく多くの資料を集め、比較検討してみましょう。
具体的には、「全体のデザインがエリアのニーズや雰囲気に合ったものであるか」「賃貸スペースと居住スペースの間取りプランが用途に合ったものであるか」「計画に沿ったデザインや間取りを取り入れることが可能な自由度を備えているかどうか」などに着目して選定することをおすすめします。
デザインや間取りは、オーナーの住み心地だけでなく、入居者が入居を決めてくれるかどうかを左右する重要なポイントです。
目的を明確にし、エリアのニーズに合わせ、かつ自らも住み心地の良い賃貸併用住宅を建てられるよう、予算内で実現可能な間取りやデザインを提案してくれる建築会社を探してみましょう。