賃貸併用住宅を区分登記するメリット・デメリット
賃貸併用住宅を手に入れたら、登記が必要ですが、賃貸併用住宅の登記方法には、主に、「単独登記」と「区分登記」の方法があります。
そのうちの区分登記とは、住宅の自宅部分と賃貸部分などに分けて、それぞれに登記記録を作成する方法です。
賃貸併用住宅を区分登記することで、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
1.ローンを併用できるメリット
賃貸併用住宅を区分登記するメリットとしては、住宅ローンとアパートローンなど、ローンを併用できるという点があります。
住宅ローンの方が金利も低く魅力ではありますが、居住部分が全面積の1/2以上であるなど、借りられるのに条件があります。
一方で、アパートローンなどのローンは、金利は高くなりますが、その分、居住面積に関係なく利用することができます。
そのため、居住部分よりも賃貸部分を広く取りたいときなどには、区分登記することで、居住部分は住宅ローンを利用し、賃貸部分にはアパートローンを当てるといったことも可能になるのです。
2.住宅ローン控除も受けられる
住宅ローンを利用した場合、住宅ローン控除を受けられますが、それには、床面積が50㎡以上で、その床面積の1/2以上が居住用であるという条件があります。
しかし、区分登記しておけば、賃貸部分の床面積が1/2以上となった場合でも、居住部分については住宅ローン控除を受けることができます。
3.相続の際にはデメリットも
賃貸併用の二世帯住宅にしていた場合、相続の際に、区分登記がデメリットとなることがあるのです。
ご両親が亡くなって相続が発生した際に、区分登記していた場合には同じ建物内に住んでいても、「同居の親族」とはみなされず、相続税の小規模宅地の減額が適用されないなど、相続税で不利益となることもあるのです。
賃貸併用住宅の区分登記におけるメリット・デメリットにはこのようなものがあります。
こうしたメリット・デメリットを参考に、単独登記にするのか、区分登記にするのか検討する必要があるようです。