ビルメンテナンスの管理業務内容は?管理委託のメリット・デメリットも解説

一般的にビルとは、オフィスビルやテナントビルを指し、ビルメンテナンスは、賃貸経営をするうえで、不動産価値を保持するために欠かすことのできない管理業務です。

ビルオーナー様のなかには、ビルメンテナンスの詳しい管理業務の内容や、ビルの平均寿命を知りたいという方も少なくないでしょう。

この記事では、ビルメンテナンスにおける管理業務の種類、ビルメンテナンスを管理委託するメリット・デメリットについて解説します。併せて、ビルの構造別の耐用年数や、ビルメンテナンス会社を選ぶ際のポイントについても紹介しますので、ぜひお役立てください。

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ビルメンテナンスはなぜ重要なのか?

ビルメンテナンスとは、ビルの快適性・利便性・安全性・衛生性の維持や向上を目指すために行なう管理業務のことです。

ビルメンテナンスのおもな業務内容には、清掃・警備・建築物設備の点検や修繕などがあります。オーナー様が、このようなビルの管理業務をビルメンテナンス会社に委託することで、ビルの利用者は快適な空間で過ごせるようになるでしょう。

また、ビルメンテナンスは、オーナー様が所有する不動産の資産価値の保全に役立ち、建物の平均寿命を延ばします。ビルメンテナンスはオーナー様にとっても、賃貸経営をするうえで重要かつ欠かせない管理業務なのです。

ビルメンテナンスの4つの業務内容

まず、ビルメンテナンスの4つのおもな業務内容について詳しく解説します。

清掃衛生管理業務

清掃衛生管理業務は、ビルの内部と外部の環境を衛生的に保つための業務を指し、ビルの利用者が心地良い空間で過ごすために行なわれるものです。清掃衛生管理業務は、「清掃管理業務」と「衛生管理業務」の2つに分かれます。

・清掃管理業務

清掃管理業務は、建物の美観を保つために行なわれる業務で、内部清掃と外部清掃があります。内部清掃は、床・内壁・トイレや洗面所などの水場、エスカレーター・エレベーター・照明器具などを対象とする業務です。

一方、外部清掃は、外壁・窓ガラス・屋上・植栽管理などを対象とします。清掃管理業務を怠り、ビルの共用部や外回りの清掃が行き届かなくなると、ビルの入居率や退去率にも影響を与えかねません。

定期的な清掃管理業務で建物の内部や外部を巡回していれば、不具合箇所の発見や早期の修繕につながるため、建築物の寿命が延びるメリットをもたらします。清掃管理業務では、建物に使用されている多様な建材ごとの特性に応じて、適切な清掃が行なわれるのです。

・衛生管理業務

衛生管理業務は、ビルの利用者が清潔で快適な環境で過ごすために行なわれる、衛生環境を整えるための業務です。具体的な業務内容には、給水や排水管理・空気環境管理・廃棄物処理・ネズミや害虫の駆除などが挙げられます。

衛生管理業務において、相当程度の規模を有する「特定建築物」の所有者は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)」に従ってビル管理を行なわなければなりません。

この法律では、一定規模以上の建築物の占有者や所有者などに対し、「建築物環境衛生管理基準」をもとに、建物の維持管理を行なうことを義務づけています。

建築物環境衛生管理基準に定められているものは、空気環境の基準や飲料水の水質基準などです。この場合、衛生管理業務は「建築物環境衛生管理技術者」が監督にあたらなければなりません。

店舗や事務所が入居しているビルでは、建築物の延べ面積が3,000平方メートル以上ある場合にこの法律が適用されます。

警備防災業務

警備防災業務は、ビルの利用者に安全を提供するための管理業務で、おもな業務内容は警備業務、防火・防災業務の2つです。

警備業務では、建物や駐車場に侵入する不審者、危険や異常を、監視カメラなどの機器システムや警備員の見回りによって発見し、ビルの利用者の安全を確保します。

防火・防災業務は、自然災害や火災の発生に備えるためのものです。建物の用途・収容人員・階数によっては、消防法に基づいた消防設備の点検作業、消防計画の作成、消防機関に対する防火対象物点検報告などを行なわなければなりません。

設備管理業務

設備管理業務は、消防設備・昇降機・電気通信機器、または給排水設備・空調設備などの設備機器が問題なく稼働しているか確認する管理業務です。これらの設備機器の監視や点検で不具合を発見した場合は、早急に整備を行ない建物の保全を図ります。

昨今の建物は、オートメーション化されているものが多いため、設備機器に問題が発生すると、ビルの利用者の安全性や建物に被害をおよぼす可能性が考えられるでしょう。

設備管理業務は、建物全体が安定稼働するためのメンテナンスを行なうと同時に、不具合の未然防止にも役立ちます。

その他の業務

ビルメンテナンスには、清掃衛生管理業務・警備防災業務・設備管理業務に加え、賃貸経営をスムーズに進めるための「プロパティマネジメント業務」があります。

プロパティマネジメント業務とは、ビルメンテナンス会社がオーナー様に代わって、収益を最大限発揮できるように、賃貸経営のさまざまな管理代行業務を行なうサービスです。

小規模の賃貸経営では、自主管理や必要な部分だけをビルメンテナンス会社に管理委託するケースもあります。しかし、規模が大きい場合は、ほとんどの管理業務をビルメンテナンス会社に一任するのが一般的です。

プロパティマネジメント業務には、テナントや居住者の苦情対応・空室対策・募集業務・契約締結などがあります。また、賃料回収・滞納の督促・設備工事や原状回復工事の発注なども含まれます。

ビルメンテナンス会社が、これらのプロパティマネジメント業務を適切に管理代行することで、オーナー様所有の不動産から安定した収益を生み出すことが期待できるでしょう。

ビルメンテナンス会社によって行なわれた管理代行業務の結果は、オーナー様へ定期的な報告が行なわれます。

ビルの平均寿命はどれくらい?

ビルの寿命は、オーナー様の総収益に大きく関係しており、投資平均利回りにも影響します。ここからは、建物の構造別によるビルの耐用年数、ビルの平均寿命とビルメンテナンスの関係について解説します。

構造別によるビルの耐用年数

オフィスビルやテナントビルの建築構造は、重量鉄骨構造(S造)・鉄筋コンクリート構造(RC造)・鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)のいずれかであることが一般的です。

オフィスビルやテナントビルなどの賃貸用建物は、時間の経過ともに価値が減少するため、税法上は減価償却資産として扱われます。

減価償却資産は、使用開始から使用できなくなるまでの期間を「耐用年数」と定め、耐用年数に応じた費用を減価償却費として経費に充てることが可能になるのです。

税法上で定められている構造別の耐用年数を見てみましょう。

・重量鉄骨構造(S造):38年
・鉄筋コンクリート構造(RC造)・鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造):50年

構造による建築費は、価格の高いほうからSRC造・RC造・S造です。マンションなどの住宅建物の耐用年数は、以下のようにオフィスビルやテナントビルよりも短く設定されています。

・重量鉄骨構造(S造):34年
・鉄筋コンクリート構造(RC造)・鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造):47年

ビルの平均寿命はメンテナンスによって変わる

ビルの耐用年数は、あくまでも税金を計算する際に指標として利用するビルの寿命であり、減価償却費を出すために使う目安にしか過ぎません。ビルは、適切なビルメンテナンスを行なうことにより、耐用年数よりも寿命が延びることが十分に考えられます。

反対に、ビルメンテナンスに手間をかけなければ、寿命は耐用年数よりも短くなるでしょう。

賃貸経営において長期間安定した収入を得るには、正しいビルメンテナンスによる資産価値の維持、長期的視点に立ったメンテナンス計画の立案、健全な経営の継続が重要です。

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ビルメンテナンスを管理委託するメリット・デメリット

次に、オーナー様が所有するビルのメンテナンスを管理委託するメリットとデメリットについて解説します。

メリット

オフィスビルやテナントビルのような規模の大きなビルでは、オーナー様だけの力で管理を行なうことはほぼ不可能でしょう。ビルの管理業務をビルメンテナンス会社に委託すれば、オーナー様は煩雑で時間のかかる業務から解放されると同時に、安心感を得られます。

ビルメンテナンス会社によるビルの特性に沿った適切なメンテナンスによって、ビルの劣化速度を緩めることも可能です。また、防犯・省エネ・空室リスクの回避・家賃下落の防止などの効果も期待できます。

デメリット

ビルメンテナンスを管理委託するためには、ビルメンテナンス会社の専門性や信頼性、実績の多さなどをしっかりと見極めなければなりません。オーナー様が適切なビルメンテナンス会社を選択するためには、調査や契約に時間や手間がかかることが予想されます。

しかし、豊富な経験や知識を持つ、信頼のおけるビルメンテナンス会社に出会えれば、長期にわたる安定した賃貸経営が期待できるでしょう。

ビルメンテナンス会社を選ぶ際の3つのポイント

最後に、オーナー様がビルメンテナンス会社を選ぶ際に、気をつけておきたい3つのポイントについて解説します。

実績が豊富で管理体制が整っている

管理業務の委託は、豊富な実績を持つビルメンテナンス会社を選びましょう。多くの経験や実績を持つ会社なら、どのようなトラブルが発生しても、問題を的確に処理したり、早急に解決したりする能力が高いことが期待できます。

また、強固な管理体制や充実したネットワークにより、積極的なテナント募集や誘致活動が行なわれるため、オーナー様に満足度の高いサービスの提供が行なわれるでしょう。

ビルメンテナンス会社を選ぶ際は、料金体系が明確であることも重要です。各種管理業務料金の明確な提示は、オーナー様の資産管理の透明化につながります。

いつでも相談でき対応が迅速かつ誠実

オーナー様が長期にわたる賃貸経営を安心して行なうためには、ビルメンテナンス会社といつでもすぐに連絡を取り合えるようにしておくことが重要です。

ビルの利用者のクレーム、建物のトラブルなどが発生した場合、ビルメンテナンス会社の迅速かつ誠実な対応によって、オーナー様との信頼関係が構築されていきます。

困りごとが発生した際、ビルメンテナンス会社との連絡に時間がかかったり、スムーズな対応を受けられなかったりすると、ビルの利用者からの信頼も落としかねません。

トラブルの発生では、ビルメンテナンス会社からオーナー様に対する、こまめでわかりやすい連絡・相談・結果報告が行なわれるかどうかのチェックが重要です。

また、継続的に行なわれる管理業務に対する作業報告が、きちんと行なわれるかどうかも確認しておきましょう。

法令の新設や改定事項に素早く対応できる

規模の大きなビルや、一定の条件を満たすビルの管理では、エレベーターやエスカレーター・消防設備・給排水衛生設備などの法定点検を行なわなければなりません。

このような法定点検が適切に行なわれない場合、ビルの利用者の安全を確保できないばかりか、所有者や管理者などに対して罰則が与えられるケースもあります。

ビルメンテナンスに対する法令は、オーナー様の知らないうちに新設や改定が行なわれることも少なくありません。したがって、法令の変化に常時対応し、かつオーナー様への情報提供や改善点の提案など、責任を持って行なうビルメンテナンス会社の選択が重要です。

まとめ

オフィスビルやテナントビルは、適切なメンテナンスを日々行なうことにより、建物の平均寿命が延びる可能性があります。オーナー様が長期にわたり安定収入を得るには、実績が豊富で信頼のおけるビルメンテナンス会社の選択が欠かせません。

優良なビルメンテナンス会社の利用で、建物の資産価値の維持や、高い入居率の確保が期待できるでしょう。

生和コーポレーションでは、賃貸マンションはもとより、豊富な実績と徹底したマーケティングに基づいた土地活用の提案を行なっています。また、ビルのテナント募集や選定、契約締結から管理業務までも幅広く対応可能です。

オフィスビルやテナントビルによる土地活用、ビルメンテナンスに関するお悩みは、生和コーポレーションへぜひお気軽にご相談ください。