マンション管理は管理会社がおすすめ!委託できる内容や管理会社の選び方を解説
土地活用として賃貸マンション経営を行なう場合、家賃の回収や共用部の管理など、必要な業務が多く発生します。そこで、賃貸マンション経営を検討されているオーナー様におすすめなのが、専門のマンション管理会社への業務委託です。
本記事では、マンション管理会社へ委託できる内容や、マンション管理会社を選ぶ際のチェックポイントを解説します。
マンション管理会社への委託をおすすめする理由や、委託のメリット・デメリットも紹介しますので、賃貸マンション経営を検討される際はぜひ参考にしてください。
この記事の目次
マンション管理を正しく行なわないとトラブルが発生することもある
マンション管理の具体的な業務内容は多岐にわたりますが、そのどれもが「居住環境の改善」や「マンションの資産価値維持」につながります。そのため、マンション管理はオーナー様だけでなく、入居者全員に関わる重要な課題であると認識することが大切です。
正しくマンション管理を行なわない場合、次のようなトラブルが発生するおそれがあります。
日常管理不足による住居環境の質の低下
電灯やエレベーターの点検、エントランスや廊下、窓ガラスなど共用部の衛生美化といった日常管理は、入居者の快適な暮らしを実現させるために重要な業務です。たとえ築年数の古いマンションでも、日常管理が十分に行き届いていれば清潔感が出るため、気持ち良く過ごせるでしょう。
逆に、適切な日常管理ができていなければ、マンション全体の雰囲気が悪くなり、衛生面や安全面だけでなく、防犯面から見ても良い環境とはいえません。住み心地が悪いマンションでは、退去による空室リスクも心配されます。
火災・災害など非常時の被害拡大
非常時に備え、マンション内の防災体制を整えておくことも大切です。
火災報知器や消火器など消防用設備の点検管理を怠れば、いざ火災が起きてしまった際に適正な対応ができず、被害が大きくなってしまうかもしれません。また、避難経路の確保や落下物防止などの処置を講じておかなければ、地震や台風などの自然災害に巻き込まれたとき、入居者の安全が脅かされてしまうでしょう。
マンションの資産価値の低下
マンション管理において、計画的な資金の準備は欠かせない要素です。特に将来の修繕工事に充てられる修繕積立金は、マンションの資産価値維持に重要な役割を果たします。修繕積立金が不足すれば、マンションが経年劣化しても修繕できない可能性もあるため、しっかりと管理しなければなりません。
このようなトラブルを避けるには、適切な修繕積立金額を算出したうえで、毎月確実に回収する必要があります。
マンション管理は管理会社への委託がおすすめ
オーナー様のなかには、どのようにしてマンション管理を進めるべきか悩んでいる方も多いでしょう。そこでここからは、マンションの管理方法の種類と各メリット・デメリット、おすすめの管理方法を解説します。
マンションの管理方法は、自主管理と委託管理の2通り
マンション管理は「自主管理」または「委託管理」にて行ないます。
自主管理のメリット・デメリット
オーナー様ご自身でマンション管理を行なうことを、自主管理といいます。さまざまな業務対応を自前で進める分、委託管理に比べコストを抑えられるのが自主管理のメリットです。一方、時間や手間がかかる点は、自主管理のデメリットといえます。トラブル発生時は現場に駆けつけなければならないため、仕事や生活に支障が出てしまうこともあるでしょう。また、設備の点検・特別清掃など、専門技術が必要な業務の発注先も確保しなければなりません。賃貸契約手続きや法定点検の実施管理など、法律知識を求められる場面もあります。
その他、自主管理では適切な処置ができず、マンションの資産価値を下げてしまうリスクがある点にも要注意です。
委託管理のメリット・デメリット
委託管理とは、専門の管理会社にマンション管理を委託する方法で、細かく分けると「全部委託」と「一部委託」の2つがあります。管理会社にすべてのマンション管理業務を任せる全部委託は、最も手間がかからない管理方法です。一方、一部委託なら、自主管理が難しい業務だけを任せたり、業務ごとに最適な業者と契約したりするなど柔軟な対応ができます。
いずれも委託費用がかかる点や、慎重な管理会社選びを求められる点がデメリットですが、マンション管理にかける時間や手間を大幅に削減することができるでしょう。また、プロが業務を行なう分、自主管理よりも高いレベルの管理が期待できます。
マンション管理会社への委託がおすすめな理由
清掃などの日常管理から、家賃回収・クレーム対応などの入居者対応、大規模修繕工事まで、マンション管理の業務内容は多岐にわたります。法律などの専門知識を要する場合もあるため、オーナー様による自主管理だけで進めるのは現実的ではありません。
そのため、マンション管理はできるだけ管理会社へ委託するのがおすすめです。委託費用はかかるものの、プロによる適切な管理でマンションの資産価値を維持できるメリットがあるため、ぜひ検討してみてください。
マンション管理会社に委託できる内容
マンション管理会社へ委託を検討するなら、具体的にどのような内容の業務に対応してもらえるのか知っておいたほうがよいでしょう。マンション管理会社に委託できるおもな業務は「清掃」「設備点検」「入居者の管理」の3つです。
以下より詳しく見ていきましょう。
清掃
マンションの清掃業務には、「日常清掃」と「定期清掃」の2つがあります。
日常清掃では、エントランスや床といった共用部の掃き・拭き掃除、マンション周りの美化、ゴミ捨て作業などを行ないます。日常清掃を確実に行なうことで、マンション内外の清潔・衛生が保たれるだけでなく、建物の劣化や設備の故障の未然防止にもつながるでしょう。
定期清掃は年数回の頻度で行なわれ、日常清掃では行き届かない箇所の清掃や、洗浄用の機械を利用した特別清掃を行ないます。例えば、ポリッシャーを使った床タイル洗浄や、外側の窓ガラス・外壁の清掃などです。このような清掃作業は専門業者でなければ実施が難しいですが、管理会社に委託すれば専門業者の手配から任せられます。
設備点検
マンション内のエレベーター、消防用設備、給排水設備、電気通信設備などの点検作業も、管理会社に委託可能です。
設備によっては、法律で「法定点検」の実施を義務付けられており、点検周期や有資格者による実施など守らなければならない項目もあります。そのような知識がなくても、管理会社に委託すれば、きちんと法律に則った設備点検をしてもらえるため安心です。
設備点検で不備が見つかった場合は、必要に応じて修繕を行なうため、修繕内容に適した業者を手配しなければなりません。その際も、経験と人脈の豊富な管理会社であれば心強いでしょう。
入居者の管理
入居者管理は、円滑な賃貸マンション経営のために重要な業務です。しかし、入居者募集から家賃の集金、退去立会い・清算まで幅広い対応を求められるうえ、定期的に発生する業務が多いため、自主管理でまかなうのは難しい業務といえるでしょう。
入居者管理を管理会社に委託すれば、家賃滞納者への督促、クレーム対応といったトラブル、法律知識が必要な賃貸契約手続きも、マンション管理のプロに任せられるため安心です。
マンション管理会社を上手に選ぶ5つのチェックポイント!
マンション管理を委託するなら、信頼でき、末永く付き合える管理会社を選ぶことが大切です。管理がずさんな会社と契約してしまうと、賃貸マンション経営に支障が出る場合もあるため注意しましょう。
マンション管理会社を選ぶ際は、「フロントマンの質は高いか」「サービス内容は充実しているか」「報告書は適正か」「委託費用は適正か」「施設や規約の提案をしてくれるか」をチェックしてみてください。
ここからは、上記の5つのポイントについてそれぞれ解説します。
フロントマンの質は高いか
フロントマンとは、マンション管理会社から配置される現場担当者のことです。フロントマンは、管理規約の作成、家賃滞納者への督促、修繕計画の立案、外部業者の手配など、マンション運営に関わるさまざまな業務を担います。フロントマンの質がマンション管理の質に直結するといっても過言ではないため、管理会社選びの際は絶対にチェックしたいポイントです。
フロントマンの質を見極めるには、管理業務主任者の資格保有者がどのくらいいるのか、管理会社に確認するとよいでしょう。無資格でもフロントマンになれますが、サービスの品質向上に努めている管理会社なら資格取得を推奨しているはずです。目安として、フロントマンの8割以上が管理業務主任者の資格を持っている管理会社を選びましょう。
その他、フロントマンは1人あたりの担当物件が15棟以下であること、マンションの巡回頻度が月1回以上であることが望ましいです。
サービス内容は充実しているか
提供されるサービスの内容はマンション管理会社によって異なるため、同じ業務を委託しても対応に差が出る場合があります。特に、マンション管理の要となる設備点検業務・滞納者対応業務・修繕関連業務のサービス内容について、しっかりチェックしておきましょう。
設備点検業務
管理会社を選ぶ際は、設備点検を外部業者任せにせず、きちんと現場立会いをしてくれるか確認しましょう。また、専門知識のない管理員に立会いさせるのではなく、フロントマンや管理会社の技術員が出向いて対応してくれるのかを確認しておくことも大切です。
滞納者対応業務
管理会社が滞納者に対し、どのくらいの頻度で督促を行なう方針なのかも要確認です。必要に応じて電話や訪問督促を実施してくれるかどうかもチェックしましょう。滞納者対応業務に特化した部署を持つなど、滞納者への対応に力を入れていることがわかる管理会社を選ぶのがおすすめです。
修繕関連業務
建築士や建築施工管理技師といった技術者を抱え、修繕の専門部署を持つ管理会社なら、急遽修繕が必要になったときにスムーズかつ的確な対応が期待できます。また、長期間の工事や規模の大きい修繕についても、計画立案からサポートしてくれる管理会社が望ましいでしょう。
報告書は適正か
報告書の品質は、管理会社によって差が出やすい部分です。そのため、管理会社を選ぶ際は、各社から報告書のサンプルを出してもらいましょう。収支報告書や貸借対照表といった資金管理に関わるものから、巡回報告、設備点検や清掃、修繕報告まで、どのくらい網羅されているか確認してください。報告書の内容が充実しているほど、クリーンで適正な管理を行なっている管理会社といえます。
委託費用は適正か
管理会社に支払う委託費用は、委託する業務内容やマンションの規模、エレベーター設備の有無などによって異なります。費用総額で単純比較せず、費用の内訳をチェックし、適正かどうか判断するのが大切です。
併せて、委託業務ごとにどのくらいの費用になるのか、消耗品費など契約書に記載のない費用は誰が負担するのかも確認しておきましょう。
施設や規約の改善を提案してくれるか
マンションの管理規約は、国土交通省の「マンション標準管理規約」をもとに作成するのが一般的なため、標準管理規約の改正に応じて内容を変える必要があります。その際、管理会社がマンションの規約内容の改善を提案してくれるか確認しましょう。
施設の修繕や交換に関しても、適切な実施時期や方法についてのアドバイスがもらえるかチェックしておくことも大切です。
まとめ
マンション管理は、賃貸マンション経営に欠かせない重要な業務です。しかし、マンション管理の業務内容は多岐にわたるうえ、膨大な時間と手間がかかるため、オーナー様ご自身がすべての業務に対応するのは難しいでしょう。
マンション管理は管理会社に委託するのがおすすめです。オーナー様の時間と手間を大幅に削減できるだけでなく、プロによる適正かつ高品質な管理により、マンションの居住環境改善・資産価値維持が期待できます。
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