マンションにおける貯水槽の管理方法
マンションにある貯水槽に供給する水が清潔でも、それを貯めておく貯水槽が不衛生だとまったく意味がないですよね。
どのように管理することが大切なのか、見ていきましょう。
そもそも貯水槽とは
マンションでは多くの水の量を高所まで水を届けることが必要になるため、貯水槽が設置されています。
具体的には地上や地下にある受水槽、建物屋上に設置される高置水槽によって構成されています。
尚、高置水槽はないマンションもあります。
比較的新しいマンションには構造上の制約、メンテナンスや景観上の問題から、高置水槽は設置されなくなってきています。
これら受水槽・高置水槽等をまとめて貯水槽と呼びます。
貯水槽そのものの清掃の頻度
水槽そのものは最低1年に1回は清掃が必要です。
ある程度の容量以上の水槽には法律で規定されているため、適切な管理を怠っていると行政から指導が入るので安心と言えます。
ですが、一定容量以下の水槽は法律に監視されていないため、管理者が適切に管理することがより一層求められます。
大きな水槽でも小さな水槽でも同じように汚れていくのは素人でも容易に想像が付きますよね。
貯水槽の清掃内容
清掃そのものは基本的に専門の業者に依頼することになりますが、どのような手順で清掃を行うのか、おおまかに見ていきましょう。
貯水槽を清掃するには、中の水を一旦全部抜かなければなりません。
よって、各戸の水道は断水します。
尚、貯水槽が複数ある場合などは順番に水を抜き清掃を行うことによって断水せずに清掃を行える場合もあります。
高置水槽が設置されている場合の清掃手順は、受水槽→高置水槽の順です。
清掃手順
1.貯水槽内部の点検
補修が必要な箇所がないかどうかを事前に点検。
必要があれば事前に補修に必要な材料を用意しておく。
2.水質検査の実施
末端の給水栓で残留塩素濃度を測定し記録。
同時に臭、味、色、濁りの有無をチェック。
3.貯水槽への入水バルブを閉める
4.排水弁を解放し、水槽内部の水を排水する
排水弁がない場合は排水ポンプを用いる。
この時マンホールは開放しておく。
5.清掃前の状態を写真撮影
6.水槽内部の清掃
高圧洗浄機や消毒済みのスポンジ、たわし等で水垢、バクテリアの除去を行う。
汚れがひどい場合は専用の洗剤を用いて汚れを完全に除去する。
洗浄残水を完全に排水しておく。
清掃後の状態を同じアングルで写真撮影。
貯水槽そのものの清掃の頻度
0次亜塩素酸ナトリュウム100㎎/l溶液又は同等の消毒液で消毒を行う。
消毒後は30分以上放置し、これを2度にわたって行う。
貯水槽そのものの清掃の頻度
1すべての貯水槽を同様に清掃したあと、清掃前と同様に末端給水栓で残留塩素濃度を測定。
臭、味、色、濁りの有無をチェックし記録。
日本は水道水がそのまま飲めるくらいきれいな水が本来蛇口から出るもの。
しっかりと貯水槽を管理して、安心安全な水を使いたいものですね。