モデルルームの出来は小物配置で決まる
ここまでで、インテリアの大枠ができました。最終的にモデルルームが素敵になるかどうかは、空間を演出する小物たちにかかっています。物にこだわりのある居住者をイメージしながら、ひとつひとつデザイン性のあるものを選びました。主張のある個性的な物たちも、ぎゅっとひとまとめに置いたり、バックにパネルの絵を置いたりすることで、まとまり感を出すことができます。これは知覚心理学の原理を利用しています。小物のディスプレイは、視線と意識を捉えたい場所に置くのが良いです。1ケ所だけでなく、人の動きと共に何ケ所も。そうすれば、モデルルームを見学する間、何度も「素敵!」という驚きや感動を繰り返してもらうことができます。「素敵!」の数が多いほど、記憶に残る印象的なモデルルームになります。
色彩は、ナチュラルな床や家具にオリーブ色のラグを合わせ、クッションやダイニング上の小物に少量の辛子色を加えてアクセントとしました。都会の中の癒しの色合いです。壁のクロスやソファに選んだ無彩色のグレーは、色々な小物や色を違和感なくまとめる役割を果たしてくれます。このモデルルームのように、建物本体がモデルルームの場合、壁にビスを打って絵を掛けたりすることはできないということが多いです。そのような場合は棚の上に置いていて他の小物と組み合わせると良いでしょう。